5年生の最大公約数・最小公倍数の補講より。
「”12÷3=4”。これは、割れているよね。検算してみ。”3×4=12”。OK。この3と4を因数って呼ぶ。このように、数を積で表せる時、その数を割れると考えよう。12は4でも割れるね。ここでは因数が3と4だけど、当然4=2×2=1×4となり、4は1と2を因数に持つから、12は1でも2でも割れるということになる。
その数を作っている因数を探すっていうのは、実に便利なことなんだ。これから色々な例題をやってその重要性を探っていこう。
(16,24)の最大公約数を求めよう。
"8"。OK。16=8×2、24=8×3で、両方とも8を因数にもつから、両方とも8で割れるということになるし、それ以上大きな共通する因数は持たないね。この時の8を、最大公約数という。8=1×8=2×4だから、1と2と4も因数になっている。原因の原因は、原因なんだよ。だから、1,2,4,8は公約数と考えることができる。ちなみに、8×の形になっているから、両方とも8の倍数だということもわかるかな?8の倍数は8ずつ増えるから、最大公約数は数同士の差と同じか、それよりも必ず小さくなるんだ。これはユークリット互除法という発展学習で扱っていくことにするから、とりあえず最大公約数が数の差より小さくなるということはなんとなく意識しながら問題を解くようにしてみてほしい。
(12,14)の最小公倍数を求めよう。
"84。ちなみに最大公約数は2ですよね。差が2ですし偶数だから"。驚いた。即答だったね。もっと時間かかると思ったけど。じゃあ分析。12=2×6、14=2×7。そこで、先ほどでた84を分解してみよう。84=2×6(2×3)×7になるね。縦に並べるよ。
12=2×6
14=2 ×7
84=2×6×7
どうだい?面白いでしょ?最小公倍数は、12でも割れて、14でも割れる最も小さい数だけど、12で割れるためには2と6を因数に持たないといけないし、14で割れるためには2と7を因数に持たないといけない。だから、2,6,7を因数に持つ数は、12でも14でも割れるね。こういうのを、最小公倍数っていう。ちなみに、6と7の組み合わせでできる42っていうのも、84の因数になっているし、84を割ることができるね。まあこれは余談だけど。じゃあ、次行ってみよう。
最大公約数が3で、最小公倍数が30の数を求めよう。
”え?なんですかそれ?考えたこともないし、どう考えていいものか・・・”。ははは、じゃあさっきと同じように考えられるように、数をAとBと置いて同じように表してみよう。
A =3×□
B =3 ×○
30=3×□×○
”あ!□×○=10!!”。OK。10=1×10=2×5だから、それぞれ当てはめて考えると、A=3,B=30と、A=6,B=15という数が見つかるね。このように、因数を捉えられると実に幅広く応用問題を解くことができて面白いんだ。数を分解してくっていうのは、今後も大切な考え方になってくるから、しっかり理解していこう。
では、演習をスタートしましょう。」
これは、今日5年生の補講の授業で行われた公倍数や公約数の授業です。なるべく中学や高校を見越した理解をしてほしいし、学校の授業も完璧に押さえた後だから、こうやって数自体の面白さの授業だって成り立っていきます。小学生は、1年違うだけでレベルが飛躍的にジャンプしていきます。授業内容だって、こんなのは4年にしても分からない子は多いですが、1年後の今頃やれば全員納得できるでしょう。
生徒たちに人気のある授業は、いつもこんな授業です。「分かってたつもりなのに、こんな裏側があるなんて思いもしませんでした。50分も経ってるのに、なんかまだ10分しか経ってない感覚です。」生徒は呆然としながらそう言ってました。たま〜にこうやってハマる授業があったりするから、面白いんですよね。