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ZIPANG-6 TOKIO 2020地域の文化・自然遺産を未来へと守り伝える未来遺産運動 “プロジェクト未来遺産” 無形分野の「オンライン交流会」を開催!

2021.11.23 17:50


UNESCO 本部(フランス・パリ)

UNESCO(フランス・パリ)本部の中庭にある、長崎から寄贈された“被爆した天使頭像”


公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟は 日本の地域の文化や自然を100年後の子どもたちに伝えていくことを目指し、2009年から未来遺産運動を行っています。地域の文化や自然を保護・保全、継承する市民活動を「プロジェクト未来遺産」として登録し、現在、全国37都道府県で73プロジェクトを数えます。


2020年、2021年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、新たな「プロジェクト未来遺産」の募集、登録は中止し、特にコロナの影響を受けている無形分野の「プロジェクト未来遺産」へ支援を行いました。その一環として、2021年11月19日(金)に「オンライン交流会」を開催し、活動を推進していくうえでの課題や工夫等について、参加した9団体同士の意見交換を行いました。



当日は、各団体からそれぞれの活動紹介や、普及広報、活動の広がり、活動資金、技術的な課題、伝統の維持・継承等のテーマについて発表を行いました。特に、広報面や資金の調達方法についての工夫や課題、後継者育成の観点から、地域の子どもたち、教育機関との連携方法について、活発な議論が交わされました。


~2021年度の未来遺産運動の協力企業~

東日本旅客鉄道株式会社、住友ゴム工業株式会社、ジェットスター・ジャパン株式会社

後援:読売新聞社


 ■参加団体紹介


①一般財団法人 葵プロジェクト 

葵プロジェクト


毎年5月15日に執り行われる京都三大祭のひとつ「葵祭」では、二葉葵の葉っぱが約1万枚も使われる。しかし、環境の変化とともに二葉葵の自生地は年々減少し、日本を代表する伝統行事である「葵祭」の古式に則った継承が危ぶまれている。


そこで、上賀茂神社境内に自生する二葉葵の里親を募り、市民による「葵の森」の再生を図るとともに、日本の伝統を支える自然と文化のつながりを次世代に伝えている。


②あまわり浪漫の会

現代版組踊「肝高の阿麻和利」と「キムタカのマチづくり」


沖縄の伝統芸能「組踊」と現代音楽・ダンスを融合させた舞台「肝高の阿麻和利」の公演を通じて、「子どもと大人で興すマチづくり」を目指している。


勝連の寂れた町の状況を変えようと活動を始めて20年。阿麻和利の輪はしだいに広がり、子どもたちも、それを支える大人たちも、郷土に大きな誇りをもつようになっている。


阿麻和利の舞台である勝連城は、2010年に世界遺産登録10周年を迎え、それを機に、もっと多くの人々に故郷に誇りを持つことの素晴らしさを訴えている。


③香川町農村歌舞伎保存会

みんなでかぶこう!!プロジェクト

~農村歌舞伎祇園座~


香川県高松市香川町の東谷地区において、180年以上伝承されてきた農村歌舞伎芸能「農村歌舞伎祇園座」を保存し、次世代へ継承している。


そのために、農村歌舞伎芸能の先達による技能向上のための講習会の実施や後継者養成の一環として部活動や授業の中で歌舞伎に触れる機会を提供し、誰でも気軽に参加できる歌舞伎をめざし、各自治体等の要請に応じての歌舞伎公演も行う。


また、古くから東谷地区に伝わる歌舞伎衣装及び道具類の散逸を防ぎ、適切な使用や管理・保存を行っている。


④長岩屋修正鬼会保存会

鬼と炎が舞う長岩屋修正鬼会


豊後高田市は、平安・鎌倉・室町時代に仏教文化の華開いた仏の里である。修正鬼会は養老年間に諸願成就のために仁聞菩薩が六郷山二十八ヶ寺の僧侶を集め「鬼会式」六巻を授け、勤業するようになったのが始まりであると伝えられている。


江戸時代の国東半島では、20ヶ所以上の寺院で行われていましたが、現在は天念寺を含め3ヶ所でしか行われていない。


この長岩屋地区は過疎地域にありながら、地区を離れた若者たちも「修正鬼会」を後世に継承するため協力し、地元の小中学生にお囃子なども含めた指導を行うなど地域が一丸となって活動している。


⑤山口鷺流狂言保存会

山口鷺流狂言伝承者育成プロジェクト

~子ども達に残す鷺流狂言~


山口の伝統芸能である「鷺流狂言」の保存・伝承活動。子ども向けの狂言教室や成人向けの伝習会を定期的に開催して、狂言の面白さや残していく意味を伝え、担い手の確保に努めている。


また、山口市内を中心にワークショップや公演も積極的に行っている。


⑥福野夜高祭連絡協議会 福野夜高祭

~「災厄からの復興の心」を引き継ぐプロジェクト~


福野夜高祭(富山県無形民俗文化財)は、1652年の大火からの「復興」に由来する。
行燈は若者によって制作され、子どもたちは太鼓の練習に励み、また小行燈を担ぐ等、祭りに参加する。


住民によって設立された福野夜高連絡協議会は、7町内毎の保存会の活動のほか、全体的な運営を担い、伝統行事を継承するための新たな体制が構築されている。


また、「災厄からの復興の心」という新しい視点を加え被災地へ遠征を行う等、新しい意義を伝えている。


 ⑦姶良市加治木町くも合戦保存会

「くも合戦」保存プロジェクト


全国的にも珍しい習俗となっている「クモ合戦」(国選択無形民俗文化財)は、メスのコガネグモを棒上で戦わせる伝統的な大会である。


地元の教育機関と連携し、子供たちと行うクモ採集や「出前くも合戦大会」等を通じて次世代への継承に努めている。大会後はクモを元の生息場所へ戻す等、クモの生態・生息地に配慮しながら、伝統文化の保全・継承と関連させた環境保全活動が同時に進められている。


⑧美濃市仁輪加連盟

美濃流し仁輪加~地方に華咲く言葉の文化~


仁輪加は、上方の落語等に大きな影響を与えた芸能史上重要な即興的な寸劇。
「美濃流し仁輪加」(記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財)の伝承が危ぶまれたことをきっかけに、コンクールという新しい形式を加え、飛躍的に伝承意欲を活性化させ、技術的な向上も視野に入れた取り組みが進められている。


同時に、「小学校版仁輪加」の指導、披露の場を創出し、仁輪加の演じ手として親しむ機会を提供することで、確実な継承を目指している。


⑨中城村南上原組踊保存会 創作組踊

「糸蒲の縁」で地域の子ども達を育み新たな文化を繋ぐ


新しい行政区である南上原地区には、伝統芸能がなかったことから、地元に伝わる物語を題材にして創作された「糸蒲の縁」。


沖縄の代表的な伝統芸能「組踊」で、子どもたちが中心となって上演する本活動は、優れた若手の指導者らによって、高い芸術性が表現され、多くの公演が行われている。


伝統芸能にもとづき、地域文化を創造する取り組みは、新旧住民や世代間の連帯を促進し、新しいコミュニティ形成が進められている。



【未来遺産運動について】



地球環境や生活環境の変化により、日本全国にある豊かな自然、文化財や町並み、民俗芸能やお祭りなどが失われつつあります。このような地域の遺産を地道に守り、継承していこうとする人たちがいます。


日本ユネスコ協会連盟では、文化や自然そのものに焦点をあてるのではなく、市民が取り組む文化や自然の保護・継承のための活動を「プロジェクト未来遺産」として登録し、100年後の子どもたちに伝えていけるよう、日本全国で応援の輪を広げていくことを目指しています。 


第1回 プロジェクト未来遺産【2009年度】

① 久保川イーハトーブ世界自然再生事業

② 神楽坂をますます粋に~「粋益(いきまし)」プロジェクト

③ いきもの不思議の国・中池見(なかいけみ)湿地

④ 葵プロジェクト

⑤ ならまちわらべうたフェスタ

⑥ 孟子不動谷(もうこふどうだに)生物多様性活性化プロジェクト

⑦ 日本の記憶が息づく島 OKIを守り伝えるプロジェクト

⑧ このままの鞆(とも)がいい!住民の手による歴史的港湾都市「鞆の浦(とものうら)」の歴史・文化・自然の継承と再生

⑨ 八女(やめ)福島 空き町家と伝統工法の再生による町並み文化の継承

⑩ 現代版組踊「肝高(きむたか)の阿麻和利(あまわり)」と「キムタカのマチづくり」


 第2回 プロジェクト未来遺産【2010年度】

① 野生サケのふるさと ウヨロ川保全調査・普及プロジェクト

② ★未来人(みらいびと)への贈り物★宗谷防人物語(そうやさきもりものがたり

③知床のヒグマなど、人間と野生動物とが共生していく大切さを全国に届けよう。

④ 水と林と田んぼのハーモニー 里山がくれた生き物と歴史の玉手箱 宍塚の自然と文化を次世代に

⑤ 「谷中のたから」体験・発見・交流プロジェクト 江戸~東京のまちと自然、建物、生活文化の保全活用・体験事業~

⑥ 木曽丸ごと夢作り活動

⑦ 生態系豊かな森の再生と豊かな森が持つ可能性の追求

⑧ 赤瓦と煙出しの里 加賀ひがしたにの未来プロジェクト

⑨みんなでかぶこう!!プロジェクト ~農村歌舞伎祇園座

⑩ 阿蘇千年の草原を未来へ引き継ごう


第3回 プロジェクト未来遺産【2011年度】

①稲生川(いなおいがわ)開削と三本木原(さんぼんぎはら)開拓の志を活かし、共創郷土の伝統を未来に

②渡良瀬川源流の森再生プロジェクト ― 足尾銅山の荒廃地に植樹-

③現代の癒し「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)」 を永遠に語り継ぐために!

④伝統行事を支えていく未来の担い手育成事業

⑤ ニッポンバラタナゴを守る伝統的な溜池浄化法"ドビ流し"の継承

⑥天神崎(てんじんざき)の自然の維持と環境教育の推

⑦未来につなごう!尾道・坂の町再生プロジェクト

⑧未来に遺す「生きた鉄道博物館~100年レイル肥薩線への情熱~

⑨千年の時を刻む荘園村落遺跡「田染荘(たしぶのしょう)小崎」

⑩生きもの元気、子どもも元気、漁師さんも元気な中津干潟保全活動


第4回 プロジェクト未来遺産【2012年度】

①「月浜のえんずのわり」を未来につなげよう

②新津丘陵の自然・森林・歴史遺産の保全・整備プロジェクト

③水戸の歴史資産“偕楽園と弘道館”の魅力を子どもたちに伝える活動

④越前にコウノトリ呼び戻す田んぼファンクラブ

⑤みんなの手で守り、未来に伝える!日本の原風景『丸山千枚田』

⑥いやしの里深野を目指して。希少になったササユリ保護・増殖活動

⑦銀の馬車道プロジェクト~日本初の高速産業道路を未来につなぐ~

⑧笑い講とお笑い講で世界中に笑いを広める運動

⑨鬼と炎が舞う長岩屋修正鬼会(ながいわやしゅじょうおにえ)


第5回 プロジェクト未来遺産【2013年度】

①佐野天明(命)鋳物のすぐれた伝統文化を未来につなぐ活動

②世界で一つだけの「元荒川ムサシトミヨ生息地」保護活動

③ドブ川化した川を市民力を結集して蛍が乱舞する清流に再生・復活

④湖国の原風景権座(ごんざ)水郷を守り育てる活動(日本の里百選)選定地域

⑤英田(あいだ)上山棚田再生プロジェクト~未来へつなぐ棚田8300枚~

⑥まちにあかりを灯すプロジェクト

⑦椹野川(ふしのがわ)もり・かわ・うみを再生し人と人をつなぐプロジェクト

⑧萩のおたからにみんなで親しみ、みんなに広めるプロジェクト

⑨世界に伝えたい!!阿波人形浄瑠璃の魅力未来遺産プロジェクト

⑩博多湾・和白(わじろ)干潟の自然保護活動


第6回 プロジェクト未来遺産【2014年度】

①首都圏の大規模緑地・見沼たんぼを100年後の子ども達に残す

②「雑司が谷がやがや」プロジェクト~歴史と文化のまちづくり

③被爆樹木が世界に伝える未来へのメッセージ「平和・希望・共生」


第7回 プロジェクト未来遺産【2015年度】

①絶滅危惧種イトウ(サケ科)北海道尻別川個体群の復元活動

②京都桂川の生物多様性保全-カヤネズミのすむ茅原を未来へつなぐ

③山口鷺流狂言伝承者育成プロジェクト~子ども達に残す鷺流狂言~

④次世代につなごう!!「千年サンゴ」保全プロジェクト

⑤ 美の里を未来へ 石畳地区・村並み保存活動


第8回 プロジェクト未来遺産【2016年度】

①町屋再生プロジェクト 市民基金設立による町屋の外観再生事業

②玉川上水・分水網の保全活用プロジェクト

③火の見櫓からまちづくり~地域を見守る安全遺産を未来へつなぐ~

④愛知万博の理念と成果の継承~海上(かいしょ)の森・保全活用プロジェクト~

⑤肥前浜宿の歴史的まちなみの保存と醸造文化の継承


第9回 プロジェクト未来遺産【2017年度】

①おらほのながめづくり-『遠野物語』の文化的景観を守る-

②福野夜高祭~「災厄からの復興の心」を引き継ぐプロジェクト~

③未来へつなぐ子ども達の健康と健やかな成長を~田井の子供神相撲~

④子供と命をつなぐジッキョヌホーのトウギョの里プロジェクト


第10回 プロジェクト未来遺産【2018年度】

①昭和新山ジオツアー減災文化継承プログラム

②気仙沼港と風待ちの風景~歴史的建造物の復興プロジェクト~

③古町花街における伝統文化と歴史的景観の保全・継承活動

④「くも合戦」保存プロジェクト


第11回 プロジェクト未来遺産【2019年度】

①秋田の聖農・石川理紀之助の教えの継承と「草木谷」の環境保全活動

②美濃流し仁輪加~地方に華咲く言葉の文化~

③創作組踊「糸蒲の縁(いとかまのえん)」で地域の子ども達を育み新たな文化を繋ぐ



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(敬称略)

公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-3-1朝日生命恵比寿ビル12階 電話:03-5424-1121



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