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Keiichi Toyoda Official Website

『武道と日本人』を読了

2021.11.24 04:36

「武道の原型は、江戸時代に実戦武術が禁じられた中で、武士によりその生き方として培われた文化である。」

鎌倉時代以来、武将たちが覇権を争う戦いの中で培われた様々な武術が、江戸時代という泰平の世になり行き場を失った中で、武士としての生きる道を学ぶ「道」となったという、そんな流れや背景がわかる『武道と日本人 〜 世界に広がる身心鍛練の道』を読了!

僕が稽古をしている合気道が「動く禅(Moving Zen)」と呼ばれたり、有名な『弓と禅』という本があったり、「剣の道の究極の境地は禅に通じる無双無念と同一である」という剣禅一如(けんぜんいちにょ)という言葉が出てきたのもその流れにあります。

そういえば、「剣術に初めて禅語を使ったのは、新陰流兵法の創始者の上泉伊勢守である」と、僕が稽古をつけてもらっている新陰流兵法二十二世の渡辺忠成先生がおっしゃっていました。

ちなみに新陰流のこともたくさん登場していて、、、

「新陰流の技は、敵が打ってくるところを、転じて、それをかわして自らが打つ。敵の打ちに正確に応じるためには、恐れたり、心がどこかに止まると危険である。そこで「平常心」を言い、あらゆる執着を断った「無心」を究極とする禅の教えを取り入れようする。」と書かれていました。

こうして、江戸時代に剣術は、人を殺める殺人刀(せつにんとう)から、人を活かす活人剣(かつにんけん)になったという、まさにサムライのマインドセットを鍛えるための修行になったのです。

それを現代に活かすためには、、、という文脈で考えると、武道の稽古をする意味が見出せる気がします。