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EBP Research News

EBPの促進・阻害要因に関するシステマティックレビュー

2021.11.25 09:00

EBPの促進・阻害に関するシステマティックレビューは、すでに多数報告されていますが、目的によってシステマティックレビューの着眼点が異なります.この記事では、分野・目的に特化したシステマティックレビューをいくつか紹介します.


■Barriers and facilitators to the uptake of new medicines into clinical practice: a systematic review. BMC health services research (Medlinskiene K, et al. 2021)

Medlinskiene Kらが2021年にBMC Health Serv Res.で発表したシステマティックレビュー.新しい治療薬が診療で普及していくという観点で阻害・促進要因についてまとめていることが特徴です.


■Strategies, facilitators and barriers to implementation of evidence-based practice in community nursing: a systematic mixed-studies review and qualitative synthesis. (Mathieson A, et al. 2019)

Mathieson Aらが2019年にPrimary health care research & developmentで発表したシステマティックレビュー.community nursingに焦点をあてていることが特徴です.


■Barriers Associated With Evidence-Based Practice Among Nurses in Low- and Middle-Income Countries: A Systematic Review. (Shayan SJ, 2019)

Shayan SJらが2019年にWorldviews on evidence-based nursingで発表したシステマティックレビュー.Low-and Middle income countriesの看護師に注目したEBPに関連する阻害要因についてまとめられています.


■Health professionals’ views on the barriers and enablers to evidence-based practice for acute stroke care: a systematic review (Baatiema L, et al. 2017)

Baatiema Lらが2017年にImplementation Scienceで発表したシステマティックレビュー.急性期の脳卒中ケアに関するEBPのbarriersとenablesがまとめられています.


■Barriers and facilitators to evidence-use in program management: a systematic review of the literature

Humphries Sらが2014年にBMC health services researchで発表したシステマティックレビュー.ヘルスケア分野の組織におけるmanagerによるプログラムマネジメントという点に注目した論文です."manager" "組織"という観点が強くでていることが特徴です.


■Evidence-based practice barriers and facilitators from a continuous quality improvement perspective: an integrative review (Solomons NM, et al. 2010)

Solomons NMらが2011年にJournal of nursing managementで発表したシステマティックレビュー.継続的な質改善という視点からみたEBPの阻害・促進についてまとめたもので、"EBP barriers by dimension"では "Strategic", "Cultural", "Technical", "Structual"という4つで整理されている.個人レベル、組織レベル、両者の相互作用の点についても言及されている.



とくにEvidence-based intervention、ガイドラインに基づく実践といった観点では、ガイドラインの普及やエビデンスの強さ、適用の阻害要因等は臨床分野によって異なります.その場合、包括的なシステマティックレビューでは抽象度が高くなり、臨床分野に特異的な部分が見えにくくなることもあることもあるかもしれません.こういった包括的なレビューでは見いだせなかったポイントが、臨床の分野別、あるいは、目的にあわせた質の高いシステマティックレビューにより、EBPのさらなる促進につながることが期待されます.


References.