水無月祭り2010 宮入り(鶴寿山)
福住上:鶴寿山
・鶴壽山(つるじゅざん) 福住上
見送り:2種類(鶴と龍)あり、現在は龍が使用されています。これは住吉神社の祭神をあらわしているとも言われています。
(2014年9月10日追記)
神社彫刻を見ると、同様の意匠のものが篠山市、丹波市にいくつかあります。『寺社の装飾彫刻 近畿編』によると、『夏禹王の黄河治水』とされています。
『夏禹王の黄河治水』をwikiと関連HPから抜粋、加筆。
禹(う)は、中国・古代夏王朝の初代王。禹は、治水事業に失敗した父 鯀(こん)の跡を継ぎ、黄河の治水にあたった為、治水神としてもあがめられている。また禹にまつわる多くの伝承から、謙虚で勤勉な人柄といわれ、聖人としても尊敬を集めた。
中国では「黄河を治むる者は天下を治む」と言われ、それを成し遂げた禹は治水家としてのみならず名君としての象徴でもあった。
(2012年8月1日追記、2013年8月4日再追記、2014年8月9日再追記)
天水引:鶴の丸の紋
中水引:中国か朝鮮の船に人物が乗った図柄と、老人が小船に乗っている図柄。老人は住吉神ではないでしょうか?住吉三神はこのような老人に描かれることが多いので…。
謡曲「白楽天」における住吉明神と白居易と思われます。
白居易とは中国唐の時代の詩人で字は楽天。代表作 『白氏文集』は日本文化に多大なる影響を与えたとされています。
その白居易が能楽に登場しているのがこの「白楽天」。
白居易が日本に渡航し、そこで年老いた漁夫に会う。 漢詩を作ると漁夫は即座に和歌で返した。 漁夫は隠れ、再び白居易の前に住吉明神として現われ、舞を見せたと思いきや白居易を神風で追い返す、という話だそうです。
(2015年8月1日再追記)
その漢詩の一部と和歌が、中水引の後方に描かれています。
●白居易の詩
『青苔生衣懸巌肩白雲似帯廻山腰』
青苔衣をおびて巌の肩にかゝり。白雲帯に似て山の腰をめぐる。
●漁夫(住吉明神)の歌
『苔ころも(衣)着たる巌はさもなくて きぬ(衣)着ぬ山の帯をするかな。』
胴幕:他ではあまり見られない、和風ではない感じの色使い。
提灯:三つ巴の紋と桐の紋、鶴の図柄
懸魚:鶴
扁額:鶴寿山