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タラントディスカバリーラボ

キャリア開発セミナー16:成長角度をしっかり作る

2021.11.26 22:54

・成長角度をしっかり作る

 次に、「成長角度」というテーマでキャリア開発を考えてみたいと思います。成長角度とは、成長の度合いを示すものと考えていただければと思います。成長のスピードであったり量であったりするものです。

 社会人になって間もない若い頃は、成長角度が大きくても小さくても、アウトプットの量はあまり変わらないと思います。しかしながら、時間が経過すればするほど、成長角度の大きさによって、成果の面積が比例して変わってくることが分かります。これはすなわち、若い頃にはあまり成果のみを焦らず、しっかりと自分自身の歩むべきスタンスを固めていくことが大切である、というメッセージでもあります。

 現代の若者は、とかく目標に向かって最短距離を走ろうとする傾向が強いと聞いています。具体的な仕事の実務は逆算による最大効率化を求める手法で良いのでしょうが、仕事は実務だけではありません。方向性をじっくり考える時、新しい価値を生み出す機会を狙う時、同僚と話し合い「正解」よりも「納得解」を求める合意形成をする時など様々な場面があるのですが、すべて「効率」や「自分が考える正解」に突っ走るだけでは、先ほどの成長角度は薄っぺらいものになってしまいます。若いときにこそ、回り道かもしれないけれども、思考や経験の蓄積の過程を大切にしてほしいと思っています。

 成長角度について考える時、どんなスタンスで仕事をしていたら良いのか、たとえ話を使ってお話ししたいと思います。

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煉瓦積み職人のたとえ話

(この話に出てくる三人のレンガ職人は、三人とも『レンガを積む』という、全く同じ仕事をしています。)

 旅人が3人のレンガ積み職人に出会います。

●1人目のレンガ職人

「見ればわかるだろう。レンガ積みをしているんだ。朝から晩まで、俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ。雨の日も寒い日もどんな時も一日レンガ積みさ。体もボロボロさ。」

●2人目のレンガ職人

「オレは、ここで大きな壁を作っているんだ。これがオレの仕事でね。この仕事のおかげで俺は家族を養っていける。」

● 3人目のレンガ職人

「歴史に残る偉大な大聖堂をつくっているんだ。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!素晴らしいだろう!」

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 同じ煉瓦を積んでいても、ただ機械的に作業をしているのか、あるいはその仕事の背景にある意味とか目的を考えて仕事をしているのか、その違いは時間が経過すればするほど、大きな相違となって表れてくるものだと思います。(続く)