アウグスティヌスと母モニカ3-カルタゴの放蕩息子
2017.05.23 02:23
「道に迷っているばかり♪」という歌ではないが、確かに中学、高校生時代は迷っているというより、道がわからない、といったほうがいいかもしれない。第2次性徴期で、身体も感情も大きく変わる。故郷に帰ったアウグスティヌスは「盲目的に突進」したと書いている。悪友と連れ添って「バビロンの街路を闊歩」し、盗みまでした。まあ男なら身に覚えがあるだろう。
母は心配したが、父は「男なんてそんなもんだ」と、息子の進学のために地元の資産家に金を出してもらい、370年アフリカのローマといわれるカルタゴで高等教育を受けるようにした。カルタゴへ行った彼は、「恋に恋して」演劇にハマってしまった。多分今ならアニメヲタになるようなもんだろう。
そして翌年、父は亡くなった。臨終にあたってはキリスト教に改宗し、母を喜ばせた。息子も、ヤル気を出し、知識欲が目覚めた。キケロを読み、真理を探求しようと思った。そして聖書も読んだが、哲学のほうが良いと思った、わかるわかる。論理的に考える習慣がつき、聖書はくだらんと思っていた。
しかし心配する母は息子の夢を見た。一人の若者が夢に現れ、「いずれ息子が母のもとに来るだろう」という夢だった。息子に言うと母が自分のもとに来たがっているのだろう、と思った。しかし彼はその頃、ある女性が好きになり、同棲しちゃってたのだ。
下はモニカへの夢のお告げ