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永遠なのか 本当か

2012.07.18 18:27


「ラブリーボーン」(2009)

「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督と、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮で贈る美麗なファンタジー・ドラマ。

ある日突然娘を殺され、絶望の淵から立ち直ろうとする家族の姿を、その娘の視点で描いたファンタジックな作品です。

この世には、死んだことがある人、なんていない訳で、これはもちろん、幻想(=ファンタジー)ありきのおはなし。

強いて言わせてもらえば、物語の焦点が定まりきれていない感は否めません。独創的な観点から描かれた死後の世界や、家族の死を受け入れる過程の描き方、実のところ社会的な問題をも投げかけているあたり、詰め込み過ぎたのかもしれません。

しかしながら、それぞれの役者が素晴らしい演技をみせてくれ、かつ悲壮感に満ち満ちていない分、鑑賞後の余韻が心地よいものになります。

悲しくて、切なくて、叙情的で、やりきれないのに、妙な温かさが心に残るのです。

映画「ビッグ・フィッシュ」や宇多田ヒカルのPV「sakuraドロップス」で号泣してしまう僕にとっては、その映像美、テーマの普遍性、語り口まで総じて、終始涙が止まらない映画でした。