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退屈と惰性と 改

SS レックガー レビュー

2021.11.29 09:28

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、

“SSー69 レックガー” です。


 “トランスフォーマー ザ・ムービー” および “戦え ! 超ロボット生命体 トランスフォーマー 2010” に登場する

“ジャンキオン指揮官 レックガー” が、

スタジオシリーズで発売されました。


 宇宙中のゴミが集まったがらくた惑星、ジャンキオンを母星とするジャンキオン族は、トランスフォーマーではありますがオートボット(サイバトロン)、ディセプティコン(デストロン)どちらにも属さない独立勢力として登場。

 同じく、第3勢力として登場したクインテッサ星人含め、混沌とした2010シリーズを象徴するようなキャラクターたちだったと思います。

 ジャンキオン族は、日本版では、~アル、~ネといった、いわゆる中国人が話す日本語というイメージの独特の口調で話していましたが、言語版ではメキシコ訛りの英語だったそうで、大本のイメージはインディアンなんですかね。

 個性的なキャラの多いザ・ムービーからの新規メンバーのなかにあってもとくに際立っていたジャンキオン族。

 2010に入ってからも決して出番は多くなかったのですが、やはり印象に残っています。

 リーダーのレックガーは何度かリメイク機会もあり、その流用でほかのジャンキオン族も何人か発売されたりはしていますが、今回のSS86版のようにオリジナルのデザインに極めて近いかたちでリメイクされたのは初めてだと思います。

 しかもボイジャークラス。思った以上にボリュームたっぷりです。

 今後、おそらく今回のものの流用でほかのジャンキオンの発売もあるような感じです。

 モブキャラとはいえ、スウィープスとは違って1人1人かなり個性的な風貌だったジャンキオン族をどこまで再現してくれるのかはわかりませんが・・


 それでは、レビューしていきます。


ロボットモード

 なんだろうなこの・・ロボットもので、仮にも正義側に協力するキャラクターという設定だと、日本人じゃ絶対起こさないであろうデザイン(笑)。

 カラーリングも茶色メインで地味だし、武器も斧と丸い盾。そしてなにより怪しさ前回の髭面。

 どう考えても格好よくないのに、格好よく見えてしまうのは僕がそれだけ歳を重ねたということなんだろうか・・

 しかし、レックガーと聞いて思い浮かぶ姿が見事に立体化されていると思います。

 もちろん多少は現代ふうにアレンジはされているのですが、ほぼほぼ当時のアニメデザインのまま。

 劇中、けっこう大柄だった印象も、ボイジャークラスでばっちり再現されています。


 特徴的な顔の再現度も抜群。

 目や髭はすべて別パーツ(裏打ちかな?)で再現されており、一体成型のせいで塗装がはみ出しててがっかり・・なんてこともありません。

 ただちょっと髭と肌の隙間は気になるかな。

 髭は軟質パーツなので、折れたりはしないと思います。ただ口髭の左右のかたちが違うのは変形なのか仕様なのか・・

 というかこの顔、個人的には完全に怪しい中国人にしか見えないんですけど、アメリカ人的には怪しいメキシコ人に見えるんだろうか?


 背面。

 余計なものがなくすっきり。

 背中部分にビークルモードのタンクが来るのですが、そのファイヤーパターンのプリントも綺麗です。

 前腕の裏側と太腿の内側に肉抜きがありますが、それほど気になりません。

 前腕側面と膝関節側面にあるトゲ状のパーツはタイヤの取り付け軸も兼ねているためイメージより長くなっています。

 ひょっとして軟質パーツじゃないか? と心配もしていたのですが、普通のプラパーツでした。


 胸部にある銃口パーツは、なんとボールジョイント接続でグリグリ可動します。

 おそらくはロボットモードとビークルモードの両方で真正面を向けるようにするための可動だと思うのですが・・なんとも頭おかしい(笑)。


 接地面のスイング可動は、足首ではなく足(ソール部分)が動く仕様。

 あまりないパターンですね。


付属武器

トマホーク

 なんか正式名称があるんでしょうかね?

 ジャンキオンというとこのトマホークという感じですね。もちろん投擲したりもしてました。

 刃は風車のように回転します。

 この刃パーツも軟質製なんじゃないかと少し不安だったのですが、普通に固い素材でした。


 柄に3㎜軸があり、背中や腰裏の3㎜穴にマウントすることができます。

 5㎜じゃなくて3㎜なのはちょっと珍しいかも・・


タイヤ

 ビークルモードのタイヤは取り外すことができ、ロボットモードでは前腕や脚部にマウント。

 もちろん左右どちらの腕、脚にも取り付けられます。

 盾や、投擲武器としても使ってましたかね?

 このタイヤも、チューブ部分が軟質素材かと思ったのですが、通常のプラでした(3回めww)


 取り外した状態。

 スパイク部分なども丁寧に塗装されています。

 接続穴は5㎜なので、ほかのキャラへの取り付けも可能です。


 なお、ジャンキオンというとバラバラにされてもすぐに仲間に修理してもらって戦線復帰できる、みたいなスキル(?)もあった気がしますが、今回のSS版にはとくに分解ギミックはありません。

 チャーさんみたいにバラせたらまた面白かったのに・・


ビークルモード

 SFバイクにトランスフォーム。

 そこはかとなく漂う世紀末感。

 アニメデザインやオリジナルトイではフロントフォークがもう少し上から伸びていて鋭角だった印象ですが、今回は少し低い位置から伸びる感じになっています。

 先にも言ったタンクのファイヤーパターンやフロント側面のマーキングなども綺麗。

 変形はオリジナルトイと違ってロボットモードの頭部がダミーになっています(オリジナルではフロント部分がそのまま頭部になった)が、フロントカウルの内側に正面を向くかたちで頭部が収納される構造はなかなか面白いです。

 クリアパーツ製のスクリーンの向こうに顔が覗いてます。

 それ以外の変形パターンは、タイヤの位置付け換えを除き、かなりオリジナルに近いようです。

 ロボットモードの後頭部にあるメーター類のディティールが、そのまま活かされています。

 腰部のボックス状のパーツがそのまま収納ボックス的に配置されるのもいいですね。蓋が開いたりしたらもっとよかったけど(贅沢)。

 また、トマホークは後部(ロボットモードの腰裏スタンド対応穴)にマウント可能。


 底面2箇所(ロボットモードの脛裏)からスタンドが展開します。

 当然ですが、スタンドなしではまっすぐ立たせられません。


 シート中央にあるダボはロボットモードの股間のスリットにジャストフィットするようです。

 つまるところ、レックガーにレックガーを乗せる際にしっかり固定ができるということですね。

 さすがに僕はレックガーの2個買いはしていませんので実証はできませんでしたが、今後発売されるらしいほかのジャンキオンでもこのギミックは踏襲されるはず。


 中台紙の簡易ディスプレイベースの背景は惑星ジャンキオンの風景。

 色味が全部が一緒だ・・(笑)


比較画像

 日本ではユナイテッド(UN)版として発売されたものと。ロボットモードで。

 UN版はデラックスクラスなので今回のものより一回り小さいのですが、それ以上にアレンジがかなり強いのでほぼ別物。

 しかし、印象的な要素はしっかり抑えてありますし、可動も優秀。両脚がバイクの前後になる変形パターンも面白い良アイテムです。


 ビークルモードでも。

 こちらもUN版はかなりアレンジされていますが、むしろ実際のバイク(オフロードタイプ)っぽくてかなりスタイリッシュ。

 うむ。どちらもよい。


 パワーオブザプライム(PP)版と。ロボットモードで。

 日本ではユナイトウォリアーズとして発売されたプロテクトボットの一員、グルーブの流用でコンバイナー仕様として発売されたPP版レックガー。

 頭部が新規造形、武器は先のUN版からの流用でなんとかレックガーっぽくしようとしたものの・・やはりかなり無理がありますね。

 なにより一番の特徴でもある頭部がコンバイナー仕様の制約もあって小さいのがねぇ。


 ビークルモードでも。

 案外こちらは思ったほど遠くなかったり・・

 しかし、思えばこのPP版発売以前に、レジェンズで2010の主要メンバーが次々リメイクされるなか、何故かこのレックガーとサイクロナスだけはずっとハブられてたんですよね。

 そしてどちらもコンバイナー仕様で、コレジャナイ感が・・

 それから数年、レックガーはスタジオ86で、サイクロナスもキングダムでそれぞれ理想的なかたちでリメイクされたことは非常に感慨深い。

 まぁ、ほかのメンバーも再リメイクされたわけですが。


 キングダム版ロディマスプライム(ロディマスコンボイ)、そして同じSS86からカップ(チャー)と。ロボットモードで。

 レックガーさんでかい(笑)。

 そしてスタジオ勢のつるっとしたお顔と並ぶと異様な彫りの深さが際立つ新司令官(笑)。

以下、画像

 可動はWFCトリロジーに準じたレベルで非常に優秀。

 腕を横向きに上げると自動的に肩が跳ね上げる構造になっており、拳も回転可能。

 接地面のスイングについては先にも言いましたが、開脚に関して、脚付け根にクリックがあるのですが、これがあまり細かい角度では動かせないという点で若干クセがあります。

 なお、腰左右のボックス状のパーツは跳ね上げることで脚の可動の邪魔にならないようにはなっているのですが、タイヤを付けている場合はそれでもけっこう干渉します。


 立て膝もこの通り。

 変形都合もあって腹部で少し前屈が可能なので、かなり自然な雰囲気が出せます。


 タイヤは両手両脚、好きなところに取り付け可能。

 オリジナルギミックでトマホークと合体できたりしても面白かったと思うんですが・・スタジオシリーズだしそういう遊びはなしないのかな。


 腰裏のスタンド対応穴を使って、走っているイメージで。

 同様にスタンドを使って、タイヤ投擲!

 背中の3㎜穴もスタンド用に使えますね。


 ビークルモードで。

 ロディマスが乗ると・・ちょっと小さく感じますかねぇ・・


 ならばアーシーで。

 うん。

 デラックスクラスでも小柄なアーシーを乗せると、バイクのデザインのゴツさも活きていい感じ。

 なお、グリップは5㎜なので、ほとんどのキャラに握らせることができます。


 SS版のビークルモードにUN版のロボットモードを乗せてみる。

 これもよいサイズ感。

 このまま、UN版をジャンキオンの誰かということにしても違和感はないですね。


 逆に、UN版のビークルモードにSS版のロボットモードを乗せる・・

 子供用のおもちゃのバイクにおっさんが乗ってる感じになった(笑)。


 もともとのイメージを考えたら、こういう武器も似合うんじゃないかな?

 ということで、同時発売のフォッシライザー、ウイングフィンガーでウエポナイズ。

 こうなると馬も欲しくなるな。

 なお、5㎜穴は脛外側と足裏に。

 前腕と膝にある棘は5㎜軸として使えますが、穴が貫通しているパーツしか取り付けられません。


 ジャンキオンといえば地球のテレビ放送が好きなことでもお馴染み(?)ですが・・

ウ「あれ、テレビじゃなくてなに見てるのレックガー?

レ「テレビなんかもうオワコンアル。時代は今TikTokアルよ

カ「バカバカしい! そんな得体の知れんもんもすぐに廃れるわい!

 真理を突く老兵・・


 2010サイバトロン(オーロボット)新メンバー集結!

 まぁ、厳密にはレックガーはサイバトロンではないんですが。

 しかしこの面子が、おおよそイメージ通りのサイズ感(スカイリンクスは微妙なところですが)、ほぼ同じ仕様(ウィーリーは違うけど・・)で揃う日が来ようとは・・

 正直、2010放送当時はこの新メンバーたちのデザインはあまり好きになれなかったのですが、あらためて見るとなんともカラフルで斬新。

 ほぼ青か紫だけだったデストロンとは対照的ですね。

 案外同一フォーマットで面子が揃いきらないことの多いサイバトロン部隊ですが、ここへ来て2010新規勢はかなり充実してきました。

 あとはサンドストームがオリジナルデザイン準拠でリメイクされれば・・


 以上、“SS レックガー” でした。


 2010のオートボット側主要新メンバーのトリを飾ったレックガー、思っていた以上によい出来です。

 アニメデザインの再現度はもちろん、可動性、間接保持力ともに十分で、ボイジャークラスのサイズ感含め、非常に安心感のある仕上がりになっています。

 変形もスタジオシリーズと思うとかなりあっさりしたものですが、それゆえにしっかり、かっちり変形してくれますし、ひょっとしたら軟質パーツなんじゃないかと思っていた手脚のトゲ状パーツやトマホークの刃、それにタイヤも硬質のプラ製でホッとしました。

 しかしこの出来のよさ、同じSS86のボイジャークラスとしてはスカージと同じくらい、いい意味で予想を裏切られた感じ。

 もちろん、発表の時点で出来がよさそうというのはスカージでも思ったことなのですが、なんというか、今こいつらをここまで丁寧に作るか? というところで驚いたというか。

 どっちも髭面のおっさんだしね(笑)。

 しかも、どちらも流用で量産型が用意されているというんだから・・

 ただ先にも言いましたが、スカージからのスウィープスはほぼほぼ変更点がないのに対し、レックガーからほかのジャンキオンは頭部変更くらいでは納得されないと思うので、果たしてどうなることやら、という感じです。

 ビークルモードへの搭乗ギミックは継承されるでしょうから、ボディの基本構造はそのままでしょうが。

 個人的には、今のところスウィープスのほうは見送る予定です。

 投げ売りでもされてたら買うかもしれませんが、どうせ買うなら2体は欲しいところですし、半額以下にでもならない限り、やっぱりスルーかなぁ・・

 一方のモブジャンキオンのほうは、さすがにレックガーの色違いということはない(そこはスタジオシリーズだから、WFCトリロジーだったらやりかねないところだけども)と思うので、たぶん買うかなぁ。

 お互いのバイク形態に乗せたいですしね。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。