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温故知新

桂林再訪 - 東山魁夷さんの足跡を訪ねて

2017.05.27 11:22

現役時代は絵にそれほど関心もなく、かって長野の東山魁夷美術館を訪れたのも、せっかく善光寺まで来たのだからついでに見ておこうという程度の気持ちであった。

桂林へは15年前に観光で訪れている。丁度中国で働いていた時期だったので、中国人の同僚の案内つきで出かけた。定番の漓江下りで見る奇峰に凄いとは思ったが、連日の仕事の疲れもあり、気分転換にいいという程度の感じしか持たなかった。

最近、東山さんの描いた桂林の絵や随筆に触れ、「桂林をどのようにしたらこのように描けるか」知りたくなった。そこで東山さんの文庫本「中国のへの旅」を道案内に15年ぶりに訪ねてみることにした。東山さんがスケッチをされたのは昼間のようだが、ほとんどの絵は夜の場面が多い。いわゆる水墨画に近い心象画である。

作家の福永武彦が、私の疑問に画集「四季」の中でうまく答えてくれた。
「画家が自分の感動を表現しよう決心した瞬間に、一つの絶対的視点が生まれる。その視点とは、それまで風景と対峙していた立場から、一気に風景の中に投入し、謂わば風景を内面から眺めることである ...... 」なるほど、分かりやすい説明である。画家の笠井一男さんも最近BLOGで同じような事を投稿していた。

私も東山さんのように桂林の絶景を写生でなく内面から見れて絵が描ければいいのだが。


写真は漓江下りでの東山さん(毎日グラビア 四季より)昭和52年 1977年


東山魁夷 大地悠々より桂林 ビデオ3分