美術展【遥かなるルネサンス】観に行きました。
神戸市立博物館でいま現在開催されている特別展、【特別展「遥かなるルネサンス 天正遣欧少年使節がたどったイタリア」】に行ってきた。
神戸市立博物館は前回、ギリシャ展があったり、次回はブリューゲル展が開かれたりと、なかなか素晴らしい特別展を行なっている。
この特別展ではイタリア各地の博物館や美術館、図書館などから寄せられた天正遣欧少年使節に関する美術品のほか、東京富士美術館所蔵の絵画も展示されていた。
天正遣欧少年使節といえば、戦国大名として名を馳せた九州の有馬晴信、大友宗麟、大村純忠というキリシタン大名が派遣した使節団で、江戸幕府による弾圧までの短い期間ではあるが日本にキリスト教が伝来し、瞬く間に広がっていったことが分かる、日本史的観点から見ても重要な存在のひとつである。
伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルティノという4人の少年が足掛け8年に及ぶ欧州の旅から持ち帰ったものは、宗教的概念のみならず、たとえばグーテンベルク印刷機など文化的な発展に貢献する欧州の技術もたくさんあったといわれている。
ちなみに、彼らの持ち帰った印刷機によって日本語書物の活版印刷が初めて行われたそうだ。
残念ながら、天正遣欧少年使節団が帰国してすぐに、日本の情勢が大きく変わってしまい厳しいキリシタン弾圧に処刑されたり信仰を捨てたメンバーもいるが、彼らの残した功績は大きい。
何より、鎧兜を着て狭い島国の中で争っていたような時代にヨーロッパまで渡った日本人がいるというのは誇らしく感じる。
美術品に関しても良いラインアップで、特にいつもイタリアでは英語表記でしか説明の見られない絵画を日本語の丁寧な表記で読むことが出来たので有り難かった。
今年1月にウフィツィ美術館で見てきたばかりの絵画もあり、二重の感動を覚えた。