一人ぼっちの新婚旅行【2016.7イタリア旅行記1】
2016年3月に入籍したわたし達夫婦は、2016年7月に新婚旅行としてイタリアへ行くことにした。この時期、母がイタリアに行くので現地で食事の時など合流するのも楽しそうだと思ったからである。
夫は初めてのイタリアだが、わたしはこれで6度目になる。英語もイタリア語もカタコトだが、まぁ二人いればなんとかなりそうだし、現地に着けば母の知り合いなどもいるので安心だわ、などとお気楽に考えていたのだが…
ウキウキと向かった関空でまさかの転落。
「オット様、パスポートの期限が足りていないので出国できません。」
えっ??
出発まで残り1時間半。パスポートを確認すると、確かに有効期限が90日を切っている。
ちなみにこのパスポート、わたしが何度か夫に「有効期限少ないから更新しといたほつが良いよ」と言っていたものだった。
「有効期限90日以内だったら行けないよ」とまで脅しをかけていたのに…「90日はあるよ、面倒臭いし時間ないし」と夫に言われて口うるさくは言わなかった。
わたしも夫のパスポートを確認していたのに、気付いていなかったのだ!
( ̄◇ ̄;)
有効期限は2016年9月までで、出国は7月。普通に計算すれば2ヶ月で60日ちょっとしか残っていなかったのに、わたしもバカで7、8、9と3ヶ月あるから90日以上確保できてるね〜とノンビリしていたのだった。
空港で発覚したものの、もうどうしようもない。面倒臭いと言って更新に行かなかった夫を責める気持ちと、でもわたしも90日の計算を完全に勘違いしてたからなぁ、という思いでいっぱいになり、涙が止まらなかった。
しかし格安航空券では日を改めることも、キャンセル料も出ない。
「一人で行けるならもったいないから行っておいで。」
そう言われて悩んだが、夫が搭乗できないと分かったとき思わず相談した実母からも「もったいないし、あなたが行きたいと思っているなら行ったほうが夫君も気が楽になるはずだから、行きなさい」とアドバイスを受け、母もちょうど翌日には出発する状態だったので、結局涙ながら一人で新婚旅行(もはや違うけど)に出発することになった。
KLM機内ではアムステルダム到着まで12時間、泣くか眠るかどっちかだった。とはいえ、二人分の席は先払いでどちらもネットから予約していたので隣は夫がいない空席。
さらにその隣も誰もいなくて、結局3人がけわたししか乗っていなかったため、全部のシートを使って横になり爆睡できてしまった。
爆睡した挙句に機内食だけはしっかり食べて、しかもインスタントラーメンまで食うてやったぜ!
とっても美味しかったカップヌードル。
前に居座っているのは夫の代わりに旅のお供となったインドのえらい神様(ガネーシャ)とタイの仏像。
ヒンズー神と仏がカソリックの国行くってどーなの!?と思うけどそこは八百万の神を信じる日本人ならではの融合生だと思って許して欲しい。
ほとんど眠ったままアムステルダム到着。なんか関空では辛かったし、行きたくない!と大騒ぎしていたわりに、この頃には一人旅が面白くなっていて、トランジットの時間潰しを妙に楽しんでしまう。
本当はふたり旅のはずだったから、トランジットに3時間半あっても十分時間潰せるよね、逆に夫は乗り継ぎ便初めてだから戸惑うこともあるし時間の余裕を持っていたほうが良い、と考えて取った航空券予約。
まさか夫がアムステルダムにさえ到着できない、なんて思いもよらなかった。
だからと言ってはなんだが、一人だと超スムーズに荷物検査も終わってしまい、カフェでホットチョコレートを飲んでユーロを無駄遣いしてみる。
アムステルダム・スキポール空港はめちゃくちゃ広いので彷徨いつつ、夫が同行できなくなった詳しい経緯を家族や友人に連絡したりと悠長に過ごしたら搭乗時刻が思いの外早く近づいていた。
そのときになって初めて、よく考えたら入国していなかったことに気付く。
大慌てでイミグレに行き、いつも通り無駄話をされて無事に通過。
なぜかいつも、海外のイミグレで「何泊するの?」「どこ行くの?」「どこ泊まるの?」etcいらんことを聞かれるわたし。
英語苦手なんだからヤメテくれ。
大慌てといえば、関空でもチェックイン終了10分前までキャンセルするか行くか悩んでいたから、手荷物検査終えた時点で搭乗20分前くらい。いつもならイミグレ通過してからお茶したり免税店をぶらつく時間があるのに、今回はまったくなくて走ってイミグレに行き、そのまま小走りで搭乗ゲートに向かい、ゲートについてからやっと自販機でお茶を買った。
なのに飛行機の搭乗が30分近く遅れて、走った意味あったのかよとか、やっぱりこれ出発ヤメロってことじゃね?などクヨクヨ悩んでいた。
出発前のトラブルにより落ち着気を取り戻すことなくアムステルダムからローマへ出発。
午後8時半、そうは思えないほど陽の残るローマに無事到着した。
夕方午後5時半くらいにしか見えない機内からのローマ。
ちなみに、夫との新婚旅行は2017年1月、リベンジを果たした。結果的にはその旅行に同行した祖母が3ヶ月後に亡くなるなど、たった一度しかできない深い思い出に残る旅となったので、2016年の夏は一人旅になって良かったのだと思う。