えびつラーメン
俺は子供ころ、国道3号線を車で通るのが嫌いやった。
親が運転する車に乗って福岡方面へ行くのはしんどかった。
折尾から香椎間はド田舎で道も悪い。
中でも海老津にある海老津ラーメンに行くのが嫌いやった。
昭和な外見と店内。せわしない店内。
当時の俺はこれ系のお店を受け入れることができんかった。
海老津を通るときは毎回「海老津ラーメンには行かんでください」
ち、神に願い倒した。
時間は流れて時は令和3年。
せっかく今回近くに来たので、35年ぶりにトライすることにした。
最近建て替わったようで、当時の面影はなかった。
Paypayが使える券売機で食券を買い、
店内ディスプレイに自分の番号が表示&爆音で呼び出しがされたら、
受け取りコーナーへ取りに行くちう、ハイテクぶりやった。
餃子ラーメンを待っていると、
かなりお年を召したおばあさん(推定85歳)と
そのご家族(推定75歳)が入店してきた。
店員さんがおばあさんに近づき、ご丁寧に
「お水とお茶、どちらになさいますか?」ち聞いたが、
おばあさんはそれを無視した。
それからご家族の方へ
「今どきはマスクをするから、何を言っとるかわからん!」
ち、店員さんより大きな声でボヤいた。
それから爆音呼び出しコールな響きまくる店内に嫌気がさしたのか
「この店はしゃーしいねぇ!」ち呼び出しコールより大きい声でボヤいていた。
無事に193番に呼び出しがかかり、俺は餃子ラーメンと対峙した。
これで750円は安いち思う。
久しぶりに食べた海老津ラーメンは甘みが強く、無茶苦茶美味しかった。
ようやく俺は海老津ラーメンに追いついたようだ。
餃子も美味しかった。俺は地元の味を楽しんだ。
おばあさんもおいしそうにちゃんぽんを食べていた。
次回はやきめしを食べよう。
俺はそう心に誓い、店を後にした。