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一人ぽっちの散策【2016.7イタリア旅行記3】

2017.05.25 07:11

2016年7月イタリア旅行記。

前回までの記事はコチラ⬇︎

ローマ到着翌日。時差ボケのせいで午前4時半に目覚める健康的な朝を迎えた。


その日の夜には母が到着することになっている。夫はLINEで「それまではゆっくりしててね、ごめんね。」と送ってきていたが、翌日晴れた明るいローマの空を見ていたらホテルの部屋に引きこもりなんて到底もったいなくて出来ないな、と思った。


一人で朝ごはんを食べにホテルロビーへ。

顔見知りのおじさんがフロントにいて、わたしの顔を見た瞬間「Oh,sorry!!」と訳知り顔でわざわざ肩を叩きに出てきてくれた。


その笑顔と温かい心意気に癒される。


ビジネス利用客の多いホテルなので、朝ごはんは一人で食べるおじさま方も多く、一人ぼっちという辛さを味わうことはない。その代わり明らかにアジア人の女性一人なので、注目は浴びていた。


午前8時半、ビックリするくらい濃い色の青空を見ているとウズウズしてきて、さっさと出かけることに。

バスの切符を買ってヴェネツィア広場に来てみた。コロッセオやフォロ・ロマーノも近い交通要所のここに来ると「ローマに来たんだなぁ」と実感できるので大好きな場所のひとつだ。

カンピドリオの丘に登る。

クソ暑い。


昨夜、空港に着いたときは涼しい風が吹いていたのに。


突き刺すような太陽の光が暑すぎて、ふと目に入ったカピトリーニ美術館。


入り口分からなくて色んな人に聞いた(笑)

たぶんカエサルかアウグストゥス。


カピトリーニ美術館には古代ローマ時代の彫刻がたくさん置いてある。

そのほか、ルネサンス期以降の絵画も見ることが出来るわりに、ヴァチカン美術館などに比べると空いていて穴場だと思う。

トイレ入るだけで、ここが日本じゃないって実感させられる。


美術館なのに、汚い。

ローマを建国したとされる双子の狼の子供、ロームルスとレムス。ローマの至る所で見ることができる彫刻だが、特にカピトリーニ美術館のそれは美しい。

「SPQR」という文字もローマの至る所でみかける。


「元老院とローマの人民(市民)」、すなわち古代ローマの国家全体(共和政ローマ・ローマ帝国)の主権者を表していて、彼らがいる限りローマ帝国は続いているのだと主張する歴史学者もいるのだとか。


ちょっとフランスあたりを彷彿とさせる陶磁器。こんな壺を家に置きたい。


と、夫にLINEしたら「やめてくれwww」と返ってきた。


関空から泣く泣く一人で帰る羽目になった夫は、休みを取っているのでそのまま実家に帰り親孝行という名の修行をしているらしい。


頑張れ。

イタリア・ロココを代表する画家、ポンペオ・バトーニの「SACRA FAMIGLIA」=「聖家族」。


カピトリーニ美術館は日本語ガイドがなく(あったかも知れないけど行き当たりばったりで入ったのでわたしは何も資料ナシで回った)絵画の下についている銘板と英語の説明をなんとか解読して理解を深めたつもりになった。


ロココ調の絵ってすごく優雅で綺麗よね。

と、突然の東洋系出没。中国からの伝来モノかな?なんとなく顔立ちに親近感湧いて、長い間立ち止まってしまった。

こちらは有名なカラヴァッジョの「女占い師」という絵。もう1枚、もっと有名な同じテーマの作品がフランスのルーブル美術館にあり、カピトリーニ美術館の絵は本人か、あるいは弟子による完コピらしい。

海外の美術館をめぐるとき、日本語ガイドがないと英語の説明書きを一生懸命読む以外に理解できる方法がないため、やたらと時間を使うことになる。


今回のように一人旅であれば、逆に素晴らしい時間潰しになるのでそういう意味ではイタリア・ローマやフランスのパリなど、美術館の多い都市は一人旅に最適だと思う。


自分のペースで休憩しながら回れるしね。

カピトリーニ美術館から裏手に出ると、フォロ・ロマーノを一望できる場所に出る。

ガイドブックの写真などもだいたいこの場所からのアングルが多く、正直なところフォロ・ロマーノに実際入るより良い写真が撮れる。


夜はライトアップされているのでロマンチックな夜景も楽しめるオススメの撮影スポットだ。

午後1時。

暑すぎていったんホテルに戻った。

冬場の旅は休憩することなく遊べるのだが、7月のローマは熱中症になりかねない暑さで涼む必要があった。


ちなみに、ローマだけでなく南欧全体に言えることだが、夏は暑いわりに冷房設備が整っていないので電車やバスの車内がクソ暑い。


これ、どうやら設備の問題だけでなく、原発を作らずに電気を隣国ドイツなどから輸入しているイタリアでは節電が当たり前なのだそうだ。


クソ暑いけど、原発反対と言いながら、そして事故や震災で何度も原発事故を起こしながらも、やたら派手なネオンサインやパチンコ屋の営業を止めずに電気を垂れ流しながら、家庭や企業には節電を呼びかけている日本に比べて、なんと効率的なのかと驚かされた。


また、日本の場合は節電と言いながら建物や乗り物の中は冷え冷えで寒いくらいなのに対して、イタリアはどこにいても同じくらい暑いから変にカーディガンなどの防寒具を持たず、とにかく涼しい綿や麻のワンピース1枚で歩けたりするところも素敵だな、と思った。


日本は便利だけど、その便利さは矛盾の上に成り立っている。イタリアは街並みも古いままで、建物も老朽化していたりするけど、日本人が忘れてしまったナチュラルな生活をしているように感じた。


昼食はテルミニ駅構内のスーパーでゲットしたチキンとサラダ。


「イタリアってドレッシング売ってないのよね」と夫に相談したときに「ドレッシング持っていけば良いよ」と言われたその助言が、夫はいないのに役立った。このあと、合流した母も大喜びで二人して使いまくり、使い切って帰国した。感謝、感謝。

ちなみに、暑すぎて干からびそうになりながら戻ったホテルは、まさかの節電状態でクーラー切れてた(笑)


素っ裸で食べるスーパーの昼食って、もう侘しいおっさんみたい。なんなんだ、この旅行記。