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リネージュ2レボリューション

2017.05.27 00:08

イザナギ rmt│izanagi rmt 深刻な不漁が続き、資源の枯渇も心配されていた太平洋クロマグロの小型魚が、三陸各地で思いもよらぬ豊漁となっている。ただし、資源保護の対象として漁獲が厳しく制限されているため、水揚げを途中で打ち切る漁業現場も多く、産地からはため息や戸惑いの声が上がっている。

 日本近海で取られているクロマグロのうち、メジやヨコワと呼ばれる1匹30キロ未満の小型魚は、資源の回復を目的に2015年から漁獲量の上限を設定。昨漁期は上限を大幅に下回ったが、昨年7月から今年6月までの今漁期は、西日本を中心に漁獲量が増加。4月下旬に上限値の4007トンに早くも到達し、操業にストップがかかった。

 ただ、盛漁期前で地域別の漁獲枠をほとんど消化していなかった三陸と北海道には特例措置が取られ、5月に入っても三陸では定置網でメジの水揚げが継続。同月中旬に入ると魚群が一気に押し寄せ、宮城県石巻港では、わずか2日間で約4000匹が水揚げされたほか、岩手県大船渡港でも同時期の水揚げは、昨年の20倍以上の1000匹近くにまで急増した。

 一度に網に入る量があまりにも多く、漁獲枠の超過も懸念されたため、両港周辺の主要定置網では5月下旬から、網を開放して魚を逃がしているほか、一時的に網を海から引き揚げて操業を停止する異例の対応に踏み切った。このため、値の張るサワラや規制されていない中型以上のマグロも取り逃がす事態となり「人手もかかる上に経済的にも打撃」(岩手県の漁業者)と負担は増している。

 予想外の豊漁で業界内では「資源が回復したのでは」との声も多く聞かれるが、水産庁は「来遊量は変動が大きく、一時的に漁獲が増えただけでは資源が回復したとは判断できない」(資源管理部管理課)と否定的。メジの魚群は北上して、現在は青森県沿岸などでも魚影が濃くなっているが、引き続き厳格な資源管理策が取られるため、今後も漁業現場では我慢を強いられそうだ。