【神戸湊川】手しごと市5年とまち再生の行方。
こんにちは。
昨日、第四土曜日は、湊川公園手しごと市でした。
ほどほどに暑く、いいお天気で気持ちよかったですね。
10数年前、まだ、湊川のとなり地区の再生マネージャーだったころ。
会場になっている湊川公園は、かなりお荷物なパブリック空間でした。モグリの金貸しやダフ屋も出現するような、違法行為があちこちで行われている、近所の人も近寄らない公園。敷地をぐるりとお住まいになっている人が掘建小屋やテント小屋を建て。なかなかシュールな空間でした。
その公園の改修計画を訴え続け、半分くらいの工事を6年前に神戸市の公園部局が実施。最悪の状況を脱して、「公園を利活用することが、まちの再生につながる」との志のもと、時々、公園を会場に積極的な集客ができる取り組みを始めました。
その後、抱いた志は、意外にも、となりの地区である湊川商店街エリアに引き継がれる形になりました。そして取り組みの1つとして、5年前より「湊川公園手しごと市」が始まりました。再スタートする時、私の恩師に話したところ、「湊川(パークタウン)は(阪神淡路の)震災で潰れなかったからね。今となっては、新しいお客や魅力をつくるのは難しいよ。」と言われました。でも、私は湊川が持つ日常の魅力と、衰えたとはいえ日常集まっているお客が存在していることに注目し、「公園の再生と積極利活用が、まちに新しいマーケットを生み出し、魅力を伝え、再生につながる。」と地元でお話して、状況を作るための取り組みを商業者の方々と行ってきました。
いま、まちも商業施設も、一進一退の攻防、という状況だと思いますが、希望はある、と思っています。しかし、5年余りの取り組みは、思うにならないことばかりでした。匍匐前進的な進み方を余儀なくされることも多くて(苦笑)。でもなんとか持ちこたえているのは、毎月開催されている「湊川公園手しごと市」が年々大きくなり、地元での支持も広がったことが、関係者の希望の気持ちを支えてきたのではないかな、と思います。
それで、明日から、兵庫区の新区役所建設が、その湊川公園内で始まります。地上9階・地下1階建ての区役所建設は、広さ2haあまりの湊川公園のうち、湊川商業地区に隣接する1/4を事実上閉鎖させて行われます。
この公園のシンボルとも言える楠は、残念ながらその多くが建設位置にあるため、移設や切断されてしまいます。緑の中で、わずかに25ブースほどへと落ち込んだ初期の苦労を思い出し、併せて1人、ちょっとシンミリしてしまいました。
いま、盛況になっている手しごと市の出店者のほとんどや、来場者の多くは、かつての公園や地域の状況、催し開催の難しさなど、知る由もありません。これから、区役所が建設されてもまちがよくなるわけではないでしょう。今提案して動かそうとしている、新しい底上げの動きが進まなければ、これまでやってきたことは、形として何も残らないかもしれません。(あまり考えたくありませんが、そういう現実は、過去に他地区でも何度か遭遇しています)
手しごと市自体は、6月開催時より会場の重点を、いま、新たにグラウンド部分に実験として敷かれる芝生エリアに移して継続していく予定です。長く調整や準備を行ってきましたので、まずは一丁目一番地の取り組みを形にしていければな、と思います。