抗がん剤投与の顛末。
2015.10.20 12:25
常識ではありえない話。
享年87歳。男性。悪性(血液)リンパ腫。
何度も何度も、輸血を繰り返していた。
痩せ細り、痴呆症状までも診られるようになっていた。
詳細な治療方針はお聞きしていなかった。
ただ、何度か抗がん剤の投与が繰り返されていたらしい。
日々衰弱する一方だった。
高齢でもあり、十分な体力すらないのだ。
抗がん剤に耐えうるだけの体力などあるはずも無い。
食欲すらなくなりつつあるのに、抵抗する気力も体力すら
残っているはずも無い。
そんな中。
家族が立ち会っていないとき・・・。
最期の抗がん剤が投与された。
医者からは以前からも、様態が優れないし、覚悟をしておいたほうが
いいということを告げられていたらしい。
若い医師は、輸血を拒否するその人と家族に対し発した言葉。
「あなたの輸血ですよ。もったいないじゃないですか」と。
いつもであれば家族の誰かが必ず付き添っていたらしい。
偶然、付き添いが誰もいないときに行われたのだ。
「抗がん剤投与」
家族にも事前に通知されることは無かったらしい。
そのことは・・・亡くなられた後で発覚したことだった。
高齢で衰弱しきった老人に、この段階で抗がん剤投与とは。
そのことを聞いたとき、
「医療事故・事件になる案件じゃないか!」と叫んでしまった。
当然ご家族の方々も、困惑していたらしい。
大事にするか否か。
追及して責任所在を確かめるか・・・と。
抗がん剤は、猛毒の極みである。
すべてを破壊する毒だ。
体力のかけらも残ってはいないような老人に、こともあろうか抗がん剤投与。
毒殺か!?
昨年末のことであった。
結局のことろ、大事にすることなく鞘に収めたらしい。
健常者ですら躊躇、もしくは拒否する抗がん剤である。
ご冥福をお祈りいたします。