Soulja 「ここにいるよ feat. 青山テルマ」
2007年に発売され、「日本で最も売れた着うたフル楽曲」としてギネスブックに認定された一曲。偶然再会して、懐かしくて、ついピックアップ。
ふとiTunesの新曲リストを眺めていたら、「青山テルマ」の文字を見つけ、そこから連想ゲームのようにこの曲に辿り着いた。「懐かしい!」の連鎖によって辿り着いたこの曲は、当時カラオケでたまに歌っていたくらいで、正直そんなに思い入れがあるわけじゃないし、この曲にまつわる特別な思い出があるわけでもない。「この人、なんて読むんだろ」って思ってた記憶はあるけれど。
むしろボクは、当時からいわゆるヒットチャート的な音楽をそんなに聴かないヒネクレモノだったので、ギネスほどに売れたこの曲が、ボクの中で大切な一曲だったはずはなかった。
でも、久々に曲を聴いた瞬間、ノスタルジーというか、何とも言えない感覚が胸の内に広がっていった。連鎖的に歌詞とかメロディとかを思い出していく。残念ながら、前述の通り特別なエピソードがあるわけじゃないので、目の前に当時の景色が広がる、みたいなことはなかったけれど、なぜだか心が落ち着いていき、穏やかに、やさしくなっていった。
音楽って、すげぇ。
もちろん、この曲がそれだけ名曲だってことなのかもしれない。もしくはボクが音楽と深く関わってきたからかもしれない。でも個人的には、視覚や嗅覚や味覚や触覚よりも、聴覚を刺激する音楽は、記憶への結びつきが特に強いように思う。
ずっと聴いてなかった曲でも、10年以上の時を隔てても、聴いた瞬間にその曲を思い出す。「懐かしい!」ってなる。音楽は不思議と、自然と記憶に住みついているんだなって思う。
当時の自分に今の自分を誇れるか
だから、きっとこの曲も何かに結びついているんだろうと思って、2007年当時の自分を思い起こしてみる。
20代半ばの当時は、まだ前職にいて、退職する半年~1年前くらい。たぶんそのころ、この社会人3年目の若造は、何の因果かいつの間にか前職のWebマスターに就任し、得体の知れない社内の壁みたいなものを必死によじ登って、反対意見を勝手に仮想敵のように思って、モヤッとした空気みたいな何かと戦っていた(今思うと勝手にそんな風に感じていた気もする)。
外注を許してくれないからもう自分でリニューアルしてしまおうと、プログラミングとか、デザインとかを必死に勉強しては実践していた。「今できること」の外側にある物事に向かって、必死に手を伸ばしていた。
とにかく必死だった。
是非はともかく、ヤツはファイターだった。
「自分の仕事に誇りを持ちたい」としか考えてなかった気がする。
そんな頃に出たこの曲。
きっと夜中に仕事でもがき、あがきながら、よく聞いていたんだろうな。
そして、無意識にそんな自分を思い出し、「おつかれ」的なニュアンスでやさしい気持ちになれたのかもしれない。
そして何となく思う。
今の自分を、当時の自分に誇ることができるだろうかと。
「その頑張りのおかげで、ここに辿り着くことができたよ」と、
「だから、その頑張りは決して無駄じゃなかったよ」と、
当時の自分に声をかけられるだろうかと。
今の自分は、当時の自分の期待を背負っているんだ。
だから、やっぱり昨日の自分には負けられない。
そんなことを改めて思った夜更け。
やっぱりまだまだ、アクセルを緩めるわけにはいかない。
いつも以上に乱文ですが、ご存じの通り曲は素敵なので、よかったらノスタルジーに浸ってみてください。