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タルクィニア・モンテロッツイのネクロポリへ①【2017年5月】

2017.06.05 22:53

ローマに着いた翌日。

朝から気持ちの良いガーデンテラスでご飯を食べたら、なんだかすごく気持ち良くて長距離フライトの疲れも吹っ飛んだ。

腹ごしらえを終えて、身支度を整えたあと午前9時半にホテルを出る。


これから、ローマ・テルミニ駅より電車に乗ってローマ郊外の街、タルクィニアに行く予定だ。


タルクィニアまでの行き方

タルクィニア(Tarquinia)まではテルミニ駅から直通電車が出ているほか、Civita Veccia駅やLadispoli-Cerveteri駅で降りてバスを使う手段もある。


テルミニ駅から行く場合、いずれの駅もトスカーナ線を使うパターンとなり、国鉄の普通電車Regionaleに乗る。特急列車のfrecciarossaも走っているが区間と料金を考えると普通電車で充分の距離だと思う。


ローマからタルクィニアまで、普通電車だと約1時間半、料金は1人13€だ。


ローマ・テルミニ駅からの出発は10:12、タルクィニアに11:30到着予定。

途中、「Marina di cerveteri」や「Civita veccia」などマリンリゾート地域の駅に停車するためか、大きなスーツケースを抱えた旅行客のほかにビーチスタイルの若い子も多く乗っていた。


座席は全席自由で座ることがほぼ満席。母と二人並んで座れなかったので、母だけを客車に残しわたしは連結部分へ。列車の連結部分にも立てるスペースがあり、支えの鉄柱が設置してあった。

そういえばローマは海が近いのに、これまで一度も見たことがなかったなとふと感激した。

Marina cerveteri周辺は大きな港になっていて、貨物船や豪華客船が入ってきている。

その様子はまるで神戸港を彷彿とさせ、懐かしい感じがした。

海沿いの道路は鎌倉あたりを思わせる風情。

港町はなんとなく日本も外国も同じような雰囲気がするのは、やはり国際的に開かれている場所だからかもしれない。


電車の中での出会い

列車の中で、たまたま「進撃の巨人」と書かれた鍵のペンダントを付けている若い女性を発見、わたしがネクロポリの日本語文献を読みふけっていたため、あちらから「Are you from Japan?」と話しかけてくれた。


なんかこんなペンダントだったけど、鍵の部分に日本語で「進撃の巨人」って書いてあった。日本には来たことがないと言っていたけど、どこで買ったんだろう??


イタリアではいま、空前の日本アニメブームらしい。2012年、初めてイタリアを訪れたときから日本の「Manga」が好きだとホテルマンの若い兄ちゃんらが言っていたが、今では女の子の間でも大人気。さらにコスプレも人気があるらしい。フランスの影響かな。

イタリア人あたりがコスプレするとまさに本物感が出そう。イタリアではコスプレイベントも盛んに行われているそうなので、いつか参加してみたいwww


タルクィニア到着

列車で知り合った女の子とはタルクィニアで一緒に降りて、FBのフレンドになった。


しかし。


彼女はおばあさまと一緒に海辺へ遊びに行くとのこと、海行きのバスに乗って行ってしまう。


わたし達はタルクィニア市街に行きたかったのだが、彼女の乗るバスではないと言う。

同じバス停で待っていたら来るはずだよ、と教えてくれたが、待つこと30分。


誰も来ない。

通常、タルクィニアの駅に電車が到着する時間に合わせて市街地との間を結ぶバスがやって来るとのことだったが、バスも来ない。

バスを待つ人もおらず、電車も来ない。


これ、バス来ないんじゃね?


不安と闘いながら母に相談。

母「タクシーもなさそうよねぇ…市街地まで歩いてどのくらい?」

私「バスで10分くらい」

母「じゃあ歩けるね」


母の無謀な一言で大冒険が始まった。

とりあえず、auの「世界データ定額サービス」を開始して地図を立ち上げる。

「世界データ定額サービス」は24時間980円で、好きなときに使える点が便利。


しかし、なんかカラカラの大地にサボテンが自生してるんですけど。サボテンに花とか咲いててメキシコっぽい雰囲気を醸し出している。

ここはイタリア。

イタリアらしさのカケラどころか、お店も家も何もない道。時折、ツーリングと見られるバイカー達がわたし達を追い抜いて行く。

ヒッチハイクしたい、なんでこんな、日本でも歩かないような道をイタリアくんだりまで来て歩いてんだ?と頭の中は疑問符だらけ。

木陰で一休み。

歩くのはそれほど苦じゃないけど、水の残量が少なくなってきて焦る。

ローマ市内には湧き水がたくさんあるし、水売りがいたりするので簡単に入手できる水、しかしタルクィニアには湧き水どころか水を買えそうな場所しかない。


タルクィニアの駅から市街地までは約4km、1時間ほど歩くと目の前にホテルやレストランの看板が出てきた。


おお、市街地に出たか!と思ったのもつかの間。

レストランやバール、タバッキなどお店の看板はあるものの、

全部閉まっていてゴーストタウン状態。


実はこの日、日曜日だった。ローマなどの大きな観光地は日曜日も営業しているお店がほとんどだが、タルクィニアのようにあまりたくさんの観光客が来ない地方は未だに日曜日にお店を開けていることが少ないのだった。


事前に知ってはいたものの、まさか

バスも来ない、水さえも買えない、

そんな場所だとは考えてもいなかったのは、コンビニ大国日本人の平和ボケか!?


とにかく水がなければ古代遺跡とかネクロポリどころじゃない。


死者の街へたどり着く前に自分達が死者になりそうね、 

という母の恐ろしい独り言に怯えながら、なんとか水を求めて歩く。

彷徨うこと2時間、午後1時半になってやっと1軒だけ開いているお店を発見した。


ランチタイム

残念ながらスーパーではなくて、なぜか石像ばかりが並んでいるホームセンターみたいな場所だったが、中に入ってみると自販機を発見!!


命を繋ぐみ、み、み、水がある!!

自販機で1.5€のペットボトルを爆買いする日本人。街中のスーパーなら1€で売っているのに、と思いつつも背に腹は変えられぬ。


しかし、爆買いの最中にまさかのペットボトルが詰まる事故発生!こんなことってあるの!?


ドアとの間に挟まったペットボトルをなんとか押し出すため上部の商品を買うも、全く違う軌道を描いてかすることもなく新しく買ったものだけ出てくる。


人っ子一人いないので、ガンガンと腕や足で自販機に衝撃を与えてみたものの、やはり変化なし。


お店の中に店員の兄ちゃんがいたので呼んできたが、

「自販機の会社に連絡しなきゃいけないけど、番号分かんないや」

とブツクサ言いながら、やはり蹴る、蹴る、蹴る!


と、その時、兄ちゃんの長い足に蹴られた自販機から、詰まっているペットボトルではなく他のお菓子が落ちてきた。


母「あ、これと交換ってことで良いわ。」

兄ちゃん「マジッすか、じゃあ僕戻ります〜」

母「ありがと」


ってなわけでなんとなく一件落着。


よく考えると、買った商品は出てきていないし、出てきたお菓子より高かったんだけど、なんとなく憎めないイタリア。


つーかこれ、先進国の話だと思えないくらいテキトーな状況だよなwと笑いつつ、ついでに0.6€のチョコビスケットを購入し、ひもじいながらランチタイム♪


水があるだけで人間って心が明るくなるのね。

水さえもなかったときは、

タルクィニア駅に戻るのもしんどい、行くのもしんどい、もう何もしたくない、動きたくない。

と思っていたけれど、水を飲んでチョコビスケットでお腹を膨らませると不思議なことにネクロポリまで頑張ろうという活力が湧いてきた。


ローマを出て4時間。


未だ、タルクィニアの「モンテロッツイのネクロポリ」には到着していません。


世界遺産の街なのにこれって、やっぱ日本じゃ考えられませんぜ。