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過去の出来事

佛像圖彙157

2021.12.03 03:38

【157】鎮宅不動(ちんたくふどう)


[通釈]

鎮宅不動 梵字はカーン

『不動経』にいう「稽首聖無動摩訶威怒王」と。

大慈悲心を極めて衆生を愍念する。

本体は廬舎那仏。


[注]

不動経 『聖無動尊威恕王秘密陀羅尼經』(=画像、冒頭部分、訓読文)を抜粋し日本で成立したいわゆる偽経。


[解説]

 続いては明王。如来、菩薩の次。特に密教における尊格及び称号で、如来の変化身ともされる。呪文の王者を意味する。 明王には女性尊もある。非常に強い力をもち,忿怒の形相で悪を打ち砕く姿が多い。愛染明王、不動明王、孔雀明王、大元帥明王などのほか、数尊を一組として考えられたものに五大明王(不動明王、降三世(ごうさんぜ)明王、軍荼利(ぐんだり)明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)、八大明王がある。

鎮宅不動は、建築の安全と鎮護の不動。手は四臂。家屋の鎮宅(お祓い)に「不動鎮宅法」を用い、「不動鎮宅符」が使われる。


[雑記]

 2日、ある寺院(日蓮宗系の単立宗派)の動画で、お勤めの前に住持が画面の前に立ち、二度得度して二度還俗したという男性(まだ若い)について、無念さと怒りの感情を抑えながら再度還俗することになった経緯を説明、その場にいる檀家や動画の視聴者に対して繰り返しお詫びをするという光景が。「本人もここに来ているから説明させます」といい、顔も名前も丸わかり。限定動画ならまだしも、誰でも見られる状態でこんな晒し者にしていいのかという疑問と、これも罰なんだなと解釈したことでした。

 終始、涙ながらに当人は家族の理解がどうしても得られないなどと言っていました。つまり、僧侶になることは認めないということでしょう。お坊さんは仏神に仕え教えを広める敬虔な人ある一方、古来から我が子を出家させることを嫌がる人もいるものです。理由はそれだけではないようですが、もちろん、さすがにすべてを話すことはしませんから、あとは察するしかない。

 しかし、理由はともあれ、得度した人が還俗するだけでも大変なことなのに、再度の得度はそう簡単に認めてくれないでしょうから、それを許したにもかかわらず、また俗人に還りたいというのは、師僧としてのメンツも丸つぶれ。昔なら激しい折檻の上、丸裸にして門から追い出したでしょうが、さすがに今はそういうことはできない。寺院の後継者不足も深刻で、無住の寺も増える一方とか。寺を維持する檀家のためにも住持が必死になるのは当然ですが、基本的にすべての人がいずれかの寺の檀家として属していた江戸時代とは違い、更に神仏分離、檀家である必要がなくなった現代では、お寺の維持もますます大変になることでしょう。