第29話 青年団という地域づくり活動
前号は唐突な手紙の掲載で失礼しました。
青年団という響きから歴史を感じさせますね。
実際、その源流は1000年近くの昔に遡るという説もあります。
そして、現代の青年団活動は、第二次世界大戦後の復興の流れを汲むものだそうです。
日本の各地域に青年団があり、市町村規模、そして都道府県で束ねる上位組織があります。
全国規模では日本青年団協議会が頂点にある、という構造です。
ただ、僕が以前に住んだあちこちの地域では青年団のことを耳にすることはありませんでした。
2017年に石川県珠洲(すず)市にきて、青年団活動がこの地で盛んであることを知ったのです。
珠洲市のなかには10の「地区」があり、それぞれに青年団があります。
それらを束ねるのが珠洲市青年団協議会です。
35歳までの若い大人世代が青年団の構成員です。
珠洲では、約80年にわたって協議会が駅伝大会を毎年開催してきました。
近年では、のど自慢大会も主催しています。
このように予算とその執行を伴う事業運営を若いうちに経験できること。
それが、人材育成としての青年団活動の意義だそうです。
前号の手紙にあった「ナイトウォーク」という行事もその一環です。
新型コロナの影響で駅伝が中止となるなど、活動が縮小する昨今。
そんななか、自主的に楽しく事業を企画・運営する場を設けたい。
それが、N実行委員長の狙いでした。
実行委員会の発足から2か月間の短期集中型。
毎週1回、平日の夜に会合を重ねて、本番も見事に遂行しました。
青年団員同士の信頼が強いこと。
「卒業」した先輩たちの応援が頼もしいこと。
濃密な人と人の関係という地方ならではの財産。
そのことを再認識できる機会となりました。
僕にとっても気付きと、よい後味を残してくれる行事となりました。
しかし、青年団とのつながりは続きます。
それを次号で紹介します。