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M-Cross International Corporation Column

デニムスーツ【AKAGi】が米国のビジネススタイルに「一新紀元」を画す

2017.06.03 19:31

 株式会社山陽ハイクリーナー(岡山県浅口市鴨方町)が生み出した日本の高度なデニム加工技術を更に最高峰に高めた「MACHIYAデニムスーツ」。その中でも最高峰に位置する米国向けデニムスーツブランド「AKAGI」が誕生。

 「AKAGI」は今年の夏、米国ビジネスシーンに対して新しい時代を示す。

[写真撮影:フォトグラファー池上剛、撮影場所:岡山県浅口市]


■「ビジネス×デニム」この相容れない言葉に込められた想いとは・・・

 この新しいデニムスーツブランド【AKAGI】を生み出したのは、株式会社山陽ハイクリーナー代表取締役 赤木哲朗氏である。

 世界的にも有名な岡山のデニム。

  その地でジーンズ加工業を営み、常にデニム生地と正面から向き合い、素晴らしさを体感してしている、赤木社長の考える【AKAGI】の今後はこうである。

[株式会社山陽ハイクリーナー代表取締役 赤木哲朗氏]


 赤木社長は、素晴らしい素材であるデニムが、ジーンズ用途以外あまり使われていないことに常々疑問を持っていた。

 カジュアルなアパレルでしかなかった素材が、何故違う市場で扱われなかったのか?


 そこで5年前にデニムの良さを、もっと多くの人々に知ってもらいたく、デニムを中心としたライフスタイルブランドを立ち上げた。

 その完成度の高さと、今までにない商品構成であるこことと同時に、デニムを日常の生活空間に取り入れる「デニム雑貨」という新たな市場を開拓した。

 しかし、そのような市場を開拓している最中も、ある疑問が脳内から離れない。


 何故デニムはビジネスやフォーマルシーンではNGなのか?

 

 日本で言うところの作業着として米国で始まったデニムは、その後カジュアル市場を席巻した。

 生地特性として自然な色落ちがデザイン性を持っているためカジュアル傾向の強いデニムは、ビジネスやフォーマルシーンでは使われなかったのであろう。

  

 素材としてみた場合、他の生地と比較しても良い素材である。

 そのようなデニムがビジネス界で使われないという事に、世間一般は疑問にすら持たなかったが、赤木社長は常に疑問を持ち続けていた。

 そのような疑問から湧き出てくる想いが、世界的に有名なデニムメーカーであるカイハラ株式会社を動かした。


■新たな生地を開発する戦いへ

 世界最高品質のデニムを、糸を作り出す紡績から製品の最終仕上げである整理加工まで一貫して行う事ができる日本で唯一の企業であるカイハラ株式会社が、赤木社長の想いを実現するため、ビジネスやフォーマルシーンでも通用するデニム生地の開発に打ち掛かる。


 その開発のコンセプトは『上質で強く軽く縮みにくくキレイな色落ちするデニム』

  

 赤木社長はカイハラ株式会社に「その生地を使を使ったスーツであれば、デニムの新たな市場開拓になる」と強く訴え、最初は二の足を踏んでいたカイハラ株式会社の担当者も「ジャパンデニムのクオリティが有れば世界で戦える」との声のもと会社の同意を取り付けた。


 先ずは糸の開発からスタートした。


 デニムスーツ用に開発された糸は、30番手と40番手の極細径の糸である。

 通常のデニムの重さが14オンス程度であり、ライトデニムと言われる薄いデニム生地でも7オンス程度である。

 しかし、この開発された糸から生み出されるデニムスーツ専用の生地は4オンスという極軽量デニムとなった。

 其れに加え、デニムスーツの品のある光沢感と耐久性や軽量感を出すために綿糸にポリエステルをブレンドした生地や、異なる結晶構造を有する2つのポリマーが紡糸段階で複合された半永久的ストレッチの機能を備えたバイコンポーネント糸であるインビスタ社のT400をブレンドした生地も開発した。

 織機特性を考慮し、デニムスーツに最適な高級感を出し、耐久性を持たせる強くて軽いデニム生地の混合比率を導き出すためには、気の遠くなるパターンを試さなければならないことであろう。

 初めての試みのため試行錯誤を繰り返したが、そこが一貫して製造しているカイハラ株式会社の技術力と経験則があったからこそ開発できた。

 

 そしてその開発された生地を唯一デニムスーツ生地として使用できるのが「MACHIYAデニムスーツ」であり、その中で世界市場へ照準を合わせた最高峰デニムスーツブランドの「AKAGI」である。


■「AKAGI」に込められた想い

 『AKAGI』のデニムスーツは創業家の名前を冠するほどの自信と決意を持ったブランドであり、デニムの可能性およびジャパンのクオリティーを世界に発するブランドだ。


 赤木の名は、鎌倉時代に東国よりこの地に入り、この地を治めた氏族である。

 中世の荘園で、租税徴収・軍役・守護に当たり、その地を治める氏族である。


 以前にもこのコラムで記載したが、日本の工業製品の歴史はこの時代、土地支配者である荘園領主経済の時代になることで、官営工房主体のシステムから荘園主体の私営工房システムへと移行して工業製品を作り出している。

(https://mcic.amebaownd.com/posts/1983822?categoryIds=568393)


 つまりこの時代から、赤木氏が治めるこの地は、赤木氏が治める民間工場にて工業製品を作り出し、この地から京都などの中心地へ出荷されていたのであろう。


 今、この地で作り出された「AKAGI」は、世界最大の市場のアメリカへ向かう。


 デニムがスーツの素材として認知されること、これが今の試金石ではあるが、今後も新たなシーンに向けてベストな素材開発、加工技術を追求して世界中にデニムブームを起こしていくことが、赤木社長のライフスタイルである。

 

 この想いは、代々受け継がれている精神であるかのようにも見える。


■時代の強烈な変化

 アメリカで社会の大きな変化を表す例えとして、次のような事が言われている。


 1900年の街中を歩いている普通の人を捕まえて1950年に連れてきたとする。

 1950年に街中を歩いている普通の人を捕まえて現在に連れてきたとする。

 どちらが大きな変化を体験するであろうか?


 一見すると、前者の方が変化が大きいように思える。

 馬車の走っていた中での生活から、高速道路を自動車が走っている世界に放り込まれ、街には高層ビルが林立し、飛行機は頭上を舞っているからだ。

 後者はこの変化に適合するには然程時間がかからない。


 しかし、これは物理的変化である。

 前者にしても、移動手段など技術の派手な輝きに慣れれば、生活においてはそれほど困らないかもしれない。


 生活する時間とともに前者と後者の状況は逆転する。


 前者は会社で働けば、1900年と同じように官僚制度に組み込まれ、同じように出世階段を昇ることとなる。

 毎朝8時が9時といった決まった時間に背広やネクタイをして出社するのも同じであるからだ。

 しかし、後者は違う。

 会社では、自由な時間に出社して、週末で過ごすようなジーンズや開襟シャツを着ている人が管理職だと驚くことであろう。

 組織規範への順応が重要であった時代から、個性や自己表現が重視されている現代で、出世階段の昇り方がわからないことになる。

 これは、ライフスタイルや世界観が間違いなく異なり、旧秩序が崩壊して流動性や不確実性が日常となった時代の大きな変化によるものだ。


 今という時代は、金融街のような旧秩序とシリコンバレーのような新秩序が入れ替わっている最中ではないだろうか。

 

 そんな時代にアメリカビジネスシーンに投入される「AKAGi」は、旧秩序社会の背広とネクタイのビジネスシーンに対する新たな提案であり、新秩序社会のジーンズとシャツのビジネスシーンに対する新たな提案となる。

 

 社会に対して強烈なシグナルを発生させる商品は、クリエイティブ社会に求められるものである。


 ライフスタイルの中でも、最も多くの時間を使うビジネスシーンで使われ、そして仕事を終えたビジネスマンが街でそのままデニムスーツで過ごせることが、この新しいデニムスーツでは可能となる。


 社会への新しいライフスタイルへの提言が、商品の持つ強烈なシグナルとなる。