くくり猿って?
くくり猿って?
手足をくくられたお猿さんです。
実際に布で作る時も、両手足となる四隅を糸でひとつにくくります。
「くくり猿」は、京都の八坂庚申堂が有名です。カラフルな色の布で作られた猿の背中に願い事を書いて願掛けします。欲のままに動き回る猿の身動きを封じている姿で、欲望を一つ我慢すれば、一番叶えてほしい願い事が叶うというお守りです。
また、奈良の奈良町(ならまち)では、「身代り申」が家の軒先に吊るされていて、町並みの風景として印象深いです。体は赤で頭は白の布で作られており、両手足をくくられているこちらの申は、「庚申さん」のお使いの申をかたどったお守りで、魔除けを意味し、家の中に災難が入ってこないように吊るしているのだそうです。災いを代わりに受けてくださることから「身代り申」とよばれていて、背中に願い事を書いて吊るすので「願い申」ともいわれているようです。
どちらも「庚申さん」として親しまれているようです。
猿は、病を取りサルという意味で縁起物です。
また、赤疱瘡(あかもがさ、麻疹の古名)や疱瘡(ほうそう、天然痘)除けとして始まったようです。
この疱瘡と、赤色について調べてみますと、
- - - - - - - 天然痘を擬神化した疱瘡神は悪神のひとつとしておそれられ、日本各地には疱瘡神除けの神事や行事が今も数多く残っている。疱瘡神は犬や猿、赤色を苦手とすると考えられたため、赤いものや犬の張子、猿の面などをお守りとして備える地域も存在した。福島県会津地方の郷土玩具である赤べこや岐阜県飛騨地方のさるぼぼなど、子供向けの郷土玩具に赤いものが多いのは天然痘除けを目的としていることが多い。- - - - - - - ( Wikipedia 「天然痘」より)
とのことです。
縁起物にはよく、赤色が使われますが、このような理由もあり、猿などの動物や、赤色のものが、つるし飾りやちりめん細工には多く登場します。
謂れ(いわれ)を知ったり、愛くるしい姿のお守りや郷土玩具を見たりしていると、いろいろな地域を訪ねてみたくなります。
ちりめんのお細工物は、子への願いや思いを込められて作られたものが多く、伝承されています。古くからの謂れや風習、四季や暮らしに合わせて形作られてきたお細工物を手作りできる喜びを、ぜひ体験していただけたらと思います。
この夏、ちりめん細工体験講習会を開催します。
『ちりめんの根付「くくり猿」と「かにさん」』
ー 願いを込めて、そして願いを叶えて、くくられた糸をハサミで切ってあげたい ー
そんな想いを、「さる」と「かに」のセットにしてみました。小さな根付に仕立てます。
また、手法としては、基本の「くくり猿」の作り方を応用して「かに」を作ることができます。
さらに花などへ作品を展開することのできる、はじまりの講習として、ぜひお作りいただきたい内容となっています。
6月体験会【 3738KPA「キラキラ展」会期内ワークショップ 】
ちりめんの根付け 「くくり猿」と「かにさん」
開催日時:6月22日(木) ①11:30〜13:30 または
②14:30〜16:30
講習料:2,800円
キット代:1,200円
(新宿区袋町2鈴木ビル1-C)
募集人数 6名
↑ こちらは終了いたしました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
7月体験会【 和カフェなのは
「ちりめん細工体験会」】
開催日時:7月13日(木) 14:00~16:00
講習料:2,500円(お茶・菓子付)
キット代:「くくり猿」と「かにさん」の根付
1,200円
会場:西荻窪 「cafe* なのは」
(最寄駅は、JR 西荻窪(徒歩 約10分)、井の頭線 三鷹台(徒歩 約15分)詳細はメールフォームにてお問い合わせください)
募集人数 4名
若干名様お席あります。ぜひご参加ください。
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講師 竹内友美(たけうちゆみ)