食育も含め小学校に近い温かい全員給食に。堺中はゆくのき学園から運ぶ――令和3年度第4回市議会一般質問①
「(仮称)町田市中学校給食センター整備基本計画案」の公表予定時期である2021年12月、令和3年度第4回市議会定例会が開催されています。
一般質問初日、12/2の日本共産党の細野龍子議員分のレポートをお送りします。質疑通告書はこちら。
※議会録画から書き起こしたもので、正式な議事録ではありません。
●日本共産党 細野龍子議員
細野龍子議員:
まず初めに「豊かな学校給食を求めて」について伺います。
市長は2021年度の施政方針において、「成長期の中学生全員に安全・安心で、栄養バランスが整えられた『温かい給食』を提供するため、給食センター方式による全員給食を目指して、基本計画を策定をいたします」と述べられました。長年にわたり要望してきた市民の皆さんにとって、喜びの決断だったと思います。
現在、教育委員会を先頭に、計画や準備にご苦労されていると思います。給食センターで作られ届けられる、全員を対象とした中学校給食は、今度こそ子どもたちや市民の期待と願いに応えられるものにしなければなりません。温かい給食は、その重要な要素だと考えます。また、学校で取り組まれている給食を活用した食育を、中学校でも一貫して学べるようにすることも課題です。どのように検討されているのでしょうか。
「中学校給食センター整備基本計画」も来年3月までの予定で策定中ですが、方向性や内容についても具体的になってきているのではないでしょうか。準備状況と方向性について改めて伺いたいと思います。
最後に、家庭の状況によって給食費が払えないなどの肩身の狭い思いをする子どもたちが生まれないように、学校給食が義務教育の食育の一環として、無償で提供することを検討してはいかがでしょうか。
そこで、伺います。
(1)全員対象とした安全、安心で栄養バランスの取れた温かい中学校給食にするために、どのような課題があるのか。
(2)中学校給食センターの計画の進捗状況と今後のタイムスケジュールを問う。
(3)中学校給食を食育の一環として位置づけるべきだがどうか。
(4)小中学校の給食費を無料にすべきだがどうか。
学校教育部長:
(1)についてでございますが、給食センター方式による中学校給食の実施にあたっては、センターで調理した給食を、なるべく早く各中学校に届けることが重要となります。このため、給食センター整備におきましては、市内3ヶ所に分散配置し、各学校におおむね30分以内で配送できる環境を整えるとともに、保温が可能な食缶方式を採用することといたしました。これにより、国の学校給食衛生管理基準に則り、調理後2時間以内に「温かいものは温かく、冷たいものは冷たい」適温による給食を生徒たちが食べ始めることができるものといたします。
次に(2)についてでございますが、これまで中学校の全員給食で目指す姿、給食センターの基本性能や配置計画、運営の工夫点などについて検討を進めてまいりました。それで昨日12月1日に、給食センター整備に関する基本的な考え方をまとめたところです。来年1月から市民の皆様への意見公募を行った上で、2022年3月までに、「(仮称)中学校給食センター整備基本計画」として取りまとめ、公表する予定でございます。
各給食センターの稼働時期についてでございますが、各センターが竣工できるタイミングが異なるため、各センターの稼働と全員給食の開始は、エリアによって異なることになります。まず、2024年度の2学期に金井スポーツ広場に設ける給食センターを稼働させ、鶴川エリアで給食提供を開始いたします。続いて2025年度の1学期から、旧忠生第六小学校に設ける給食センターから届ける町田・忠生・小山エリアで、2学期からは東光寺公園調整池に設ける給食センターから届ける南エリアで、それぞれ給食提供を開始し、町田市における中学校全員給食の導入を完了する予定でございます。
次に(3)についてでございますが、国の第4次食育推進基本計画におきまして、「学校給食を生きた教材として活用することで、食育を効果的に推進する」と位置づけられております。町田市といたしましても、中学校における全員給食の実施を機に、給食を通じた食育に取り組んでいくことは重要であると認識しております。
最後に(4)についてでございますが、給食費は学校給食法に基づき、保護者にご負担いただくものと認識しており、学校の給食費を無料にすることは考えておりません。
細野議員(再質問):
今ご答弁いただきまして、今回、温かい給食の実現性ということでお答えをいただきました。今の技術で優れた食缶などの機能によって、温かいものは温かく、また冷たいものは冷たくということで、これまで求められてきた給食の魅力が増すことになると思います。また、小学校給食の特徴の一つがメニューのバリエーションだと思います。汁物が提供できるという点ではこうしたバリエーションなども確保できると思いますが、改めて確認ですけれども、中学校に入っても、小学校のような温かくおいしい給食を提供できるということを最初に確認させていただきたいと思います。
また、温かいうちに届けるということで、先ほど30分以内に届けるというご答弁がありました。この配送時間については、現在給食センターが3ヶ所ですが、そこから30分以内で届かない場所もあるのではないか。例えば、西部地域の堺中については町田街道しか経路がないために、なかなか渋滞したり混雑すれば、もう届かない可能性も大変高いと思いますが、こうした時間内の配送については、どのように可能にするような対策を練っていられるのでしょうか。
学校教育部長:
まず中学校給食で検討しています食缶形式、それで使う食缶の種類によって、例えば汁物が使えないとかそういうことはありませんで、献立に制約が生じることはございませんので。小学校給食と全く同様なものっていうものはもちろん小学生と中学生で違いますので、それを考えた上でのちゃんとバリエーションに富んだ、そういう給食を提供していきたいと思っております。
あと二つ目にありました30分以内のことで、堺中学校はどのようにお考えかというようなご質問ですが、堺中学校の場合、旧忠生第六小からというふうに最初考えていたんですが、ちょっと精査しましたところ本当にギリギリというようなそういうような計算が出ておりますので。堺地区につきましては地勢上の特性を踏まえまして、また将来の、これから先の新たな学校づくりの取り組みを通じまして、堺地区ならではの小中学校における給食施設のあり方というものを検討する必要があると考えております。それまでの間、堺中学校には、中学校の給食提供の実績があって、2019年度の給食室を改修したばかりのゆくのき学園(注:小中一貫校)のほうから給食を提供してまいります。
細野議員:
お答えありがとうございました。小学校のとは、まぁ量とか質とかちょっと違うということでしたけれども、魅力ある給食が提供できるということで、献立を作る栄養士さんも大変腕が振るいどころで、市民の一人として大いに期待したいと思います。
今お話がありましたけれども、ゆくのき学園から配送するということで、親子形式ということになるのか、小中一貫校ですのでそういった学校からの提供ということで、時間内での配送が可能になるということで確認させていただきました。
続きまして、安全で安心な給食を提供するというその課題ですけれども、今回全員給食ということでアレルギー対策もされるということで、本当にありがたいなと思いますけれども、こうしたアレルギーに対応した給食を間違いなく、対象となる生徒さんに届けることが必要になると思います。そこにチェックする人が必要となるのではないでしょうか。
また中学校給食を利用した食育については、必要だと、進められていくということでお答えがありましたが、どのような形で誰がどのような形で指導していくのか。指導者や、また指導時間の確保など検討していることがあれば、お答えいただきたいと思います。
学校教育部長:
はい。小学校の場合は各小学校の栄養士がそういうことを行っておるんですが、今回は給食センターを配置するということですので、各給食センターに栄養士を複数名配置しまして、エリア内の各学校におきます喫食管理、それはアレルギー対応も含めましてそういう喫食管理と食育の実施を行うことを想定しております。
細野議員:
複数、2人ずつが3ヶ所の給食センターに配置されるということですが、それで十分なのかどうか。ぜひ内容についても、しっかりと検討していただいて、また、各学校で給食を配膳したり安全に対応したり、また子どもたちがどのような状況で食べているかとかいうチェックもきめ細かくやっていただきたいと思いますので。ぜひそれについては、再度検討をしていただきたいと思います。
続きまして、学校のほうは給食が運ばれてくるわけですけれども、その牛乳やら食缶やら大変大型のものということですので、そういったものを配膳するようなスペースが必要になると思いますが、そのことについては、この当然のことだと思いますが給食センターの整備とあわせて進められるということでよろしいのでしょうか。確認させてください。
学校教育部長:
はい。給食の各学校での受け入れの準備はどうなってるかというご質問だと思いますが、各学校では、既に1階に配膳室というのがございますので、それを最大限に活用して配膳作業を行う予定でございます。
また、各学校ともスロープの設置や扉の交換など多少改修工事が必要となる想定ですが、給食センターの整備と並行しまして、必要な改修工事を実施して全員給食実施の体制を整えることとしております。
細野議員:
食缶などもそうですし、重たくなる、大型の食缶ということでした。中学生ですので量も増えてくると思います。そういう意味では大変重たい食缶やら牛乳やら運んでいくことが必要になると思いますが、そういったものに対するエレベーターの配置とか、安全に提供できるような、そういったシステムもこの後、今後検討していただきたいと思います。それから、今検討されていると思うんですが、給食センターの整備手法についてはPFIなども検討するということが言われていたと思いますが、現在どのように検討されているのでしょうか。
学校教育部長:
はい。給食センターの基本計画の検討とあわせまして、PFIの導入可能性調査、それを実施しております。給食センターの整備におきまして、PFI手法を活用することの有効性を確認したところでございます。
細野議員:
PFIについてはいろいろな市の財政的な負担とか、以降の事業のあり方、継続性なども含めていろんな課題があったかと思いますが、そうしたことも十分検討されての判断ということでよろしいんでしょうか。また、有用性という点では、もし何か具体的にありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
学校教育部長:
PFI手法、それを採用することによりまして資金が過剰にかかったり品質が低下するそういうことはないというふうに確認しております。有用性といたしましては民間のアイディアを活用するということで、例えば稼動してない時間、そのときに何かできることはないか、そういうことも考えていけるというふうに考えております。
細野議員:
ぜひ安全安心な給食をきちんと提供できるよう、また公共のサービスですので様々な税金投入と、今後の課題について十分検討していただきたいと思います。またこれは改めて考えたいと思います。
続きまして給食費の無償化についてであります。新型コロナが2年間続いて、市民生活でも大変様々な影響が出てきているというふうに伺っています。大変、収入がここにきて激減しているという家庭も増えているのではないでしょうか。こうした状況のもとで、給食費の負担っていうのが家庭にも大きな負担となって圧迫しているということも予測されると思います。改めて伺いたいと思いますが、この間給食費の徴収を市が行うようになりました。この徴収状況についてはいかがでしょうか。
学校教育部長:
はい。小学校給食、それにおきます収納率につきましては2020年度から公会計化されております。この公会計化される前の年度の2019年度では99.86%、収納率ですね。2020年度99.46%とほぼ変わりなく、高い水準で収納ができております。
細野議員:
ありがとうございます。大変徴収率が高いということを改めて伺いました。そういう意味では皆さん頑張って、給食も食べていただきながら一生懸命支払っていただいているということがわかりました。ただ義務教育ですので、やはり教育の一環としての食育の提供という点では、今後給食費の無償化というのは大きな課題になってくると思います。
今回、子どもへ10万円給付するということが行われていますが、こうした一時的な支給も大変ありがたいと思いますが、それとあわせてこういった経常経費のような形で、毎月負担となる給食費のような負担の無償化ということも考えていく、実行していく必要があると思います。市長として国、あるいは東京都に対してこのようなことを申し入れていただきたいということを申し上げて、1項目めについては、終わりにしたいと思います。
(了)