読書記録『本音の株式投資』
株式投資の方法っていろいろあるじゃないですか。
大まかに分けても短期トレードと長期トレードとありますし、
分析手法を見ても、チャートを重視する人と企業のファンダメンタルを重視する人といます。
ちなみに僕は「長期トレードでファンダメンタル重視」を軸に据えています。
この本はどの領域に分類されるかというと、「ファンダメンタル重視」だと思います。
期間に関しては長期寄りかなあと思いますが、そんなに気にして書かれていない印象。
ファンダメンタルを重視する投資手法において、
PER(株価収益率)であったりPBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)
などは基本中の基本とも言える指標だと思います。
PERが15倍以下のものを買おう、
PBRは1倍以下が良いよね、
ROEは8%が普通でそれより高い銘柄がよい
(僕は40%が良いよって教えてもらいましたが)
といった具合です。
しかし、PER15倍以下の銘柄を買ったとして、全然株価が上がらないよーとか、
決算で減収減益だったよーとか、
こういった事案が起こるのも事実。
(そりゃただの数値ですから。)
そこで、PERやPBR、ROEを使って銘柄選択をする上でどうすれば良いのか、
他の指標を使うならどれをどう使えばよいのか、
ということを、著者は自身の投資経験から詳しく解説してくれています。
たとえばROEについて、高いROEの銘柄を買うのが良いという話がよくありますが、
著者曰く「ただ高いだけではダメだ」といいます。
なぜなら、ROEには「平均回帰性」があるからなのだそうです。
これ初めて知りました。
平均回帰性というのは、どんな会社もある一定のROE水準に収束するという性質です。
なぜなら、ROEが高い企業は、その企業が属する業界が魅力的に見えるため、新規参入が増えます。
新規参入が増えるということは、一つのパイを多くの人が取り合うことになりますから、
1プレイヤーあたりの取り分(収益性)が小さくなります。
結果、ROEは低下していき、業界全体で同じようなROEに落ち着いていくのです。
逆にROEが低い企業は、その企業が属する業界が魅力的でなく見えるため、プレイヤーが退散します。
プレイヤーが減るということは、一つのパイを取り合う人が減りますから、
1プレイヤーあたりの取り分(収益性)は高くなります。
結果、ROEは上昇していき、ある一定のところで新規参入も出てくるので、ROEは一定の水準に落ち着くのです。
ですから、ROEが「継続して成長している」銘柄を選ぶことで、株価が上昇していくことを期待できるというのです。
面白いですよねぇ。
ほかにも、自社株買いに季節性があるよーとか、HFT(超高速取引)は株価を歪める傾向があるよーとか、
スマートベータ(初めて知った)の有用性みたいなことが書かれています。
読み応えのある一冊でした。
今度の社内プレゼンでは、「ROEの平均回帰性」について、
“しっかりと掘り下げて”プレゼンしたいと思っています。