プラハ2日目、なにもしなかった!【2017.5-6旅行記】
プラハに到着した夜は23時前までカレル橋たもとのレストランでまったり過ごした。
ローマよりもさらに緯度が高いので、暗くなるのがとても遅く、また観光客が多い季節ということもあり女性2人でも安心して夜遊び(?)が出来たように感じる。
しかし日本から来たわたし達は時差ボケも少々あるため、朝は早起き。結局午前1時過ぎに寝て朝6時には目が覚めてしまい、寝不足気味で迎えたプラハ2日目。
朝から張り切ってカレル橋を歩く。
途中、見つけた雑貨屋さんでお土産物のマペット(操り人形)を購入した。
お買い物の品はお店で預かってもらい、さらにカレル城方向へと向かう。
カレル城まで向かう途中、バイオリンの音が聴こえてきたので立ち寄った「Music Time」というお店でも音楽関係のグッズをたくさん購入した。
街を歩いているときに、ふとクラシック音楽が聞こえるというのは、さすがプラハという趣がある。
音楽の都といえばウィーンのイメージが強いが、プラハもモーツァルトなど多くの作曲家達の痕跡が残る素晴らしい場所だ。
こちらはモーツァルトが「ドン・ジョヴァンニ」の初演を行なったエステート劇場に残る碑文。プラハ名物の人形劇でも特に人気のあるテーマだ。
音楽が溢れる街で聞いた、プラハ出身の作曲家ドヴォルザークの「ユーモレスク」。
カレル城の正門前で演奏しているだけあって、とても美しい音を奏でるトリオだった。
お土産を買ったり音楽に耳を傾けていると、あっという間に時間が経ち、ちょうどカレル城の正門前で衛兵交代が行われる時刻が近付いてきた。
続々と集まる観光客の波にもまれながら、わたし達も一目見たいと正門付近へ。
しかし、ゲルマン民族の長い腕に支えられたスマホに負けて、ほとんどカメラでは映せず(笑)
イタリアに比べて、北欧やドイツあたりからの観光客が多いようで、とにかく街を歩く人々の身長が高いことに驚かされた。
プラハ城の正門前でかなり時間を使った結果、お腹もすいたし「下山」するか、ということでお城まで来ていながら内部を見学することなく降りてきてしまったわたし達。
日本から約1万km離れた場所にたった7泊の滞在中、ローマから移動してプラハを楽しむのに2泊は短過ぎたな、と思った。
帰り道のカレル橋上では、まだ学生にしか見えない若い音楽家が演奏を披露していた。
なんとなく新しい雰囲気はするけれど、どこか懐かしい香りもする演奏。日本のストリートのように歌ありきではなく、アコースティック楽器のインストを中心とした路上パフォーマンスを聴けるのもヨーロッパの良いところだと思う。
ホテルの近くでランチを食べた後、街中へ。
プラハの食事は本当に美味しかったので、もっと滞在して色んなものが食べたかったなぁ。
普段、食の細い母が、プラハでは注文したものをほとんど完食していたことに驚いた。
まさに夏のヨーロッパのバカンス、という雰囲気漂うプラハの街中で、母娘旅行の醍醐味でもあるお買い物を楽しむ。
路上パフォーマーがシャボン玉をたくさん飛ばしていて、その周りを子供が囲んでいる。
なんだか夢のある光景で、そういえば最近の日本でこんな風景を目にすることは少なくなったなと感じさせられた。
ヨーロッパって良くも悪くも古きを大切にするようなところがあり、子供の遊びや教育に関しては日本より良いところが多いように思える。子供の「子供らしさ」が日本からは失われているのかもしれない。
散策途中で見つけたボヘミアン系の服飾雑貨店で、着心地の良いブラウスやワンピースを買ったあと一旦ホテルに戻り、念願の教会コンサートへ。
ガイドブックに載っていた「壁の中のマルティン教会」や「聖ミクラーシュ教会」、「ティーン教会」などのほかに、本当ならユダヤ人地区のシナゴークでも毎晩のように教会コンサートが開かれているようなのだが、わたし達がプラハ最後の夜を過ごした5/31はユダヤ教の祝日に当たる日でシナゴークなどは信者以外は入れないとのことだった。
この情報はホテル内でたまたま話したイスラエル人のおじさんに教えてもらったのだが、実際、そのあとホテルのフロントで確認したところまさにその状況でシナゴークやユダヤ人地区の観光を諦めることとなった。
日にちがないとこんなこともあるので、やはり観光するには2泊は短かったなと反省。
教会音楽は20時からスタートする場所が多く、中途半端に時間が余ってしまうため、フロントでいくつか教えてもらった場所の中からヴィヴァルディの「四季」をフルで聴けるこちらの演奏会を選んだ。
演奏場所の教会は、教会というより集会所みたいな場所で風情があるかというとイマイチだったが、今年1月にたまたま入ったイタリアの教会でパイプオルガン演奏などは聴いているため、それほどのこだわりはないわたし達。
それよりもとにかく「四季」をフルで聴けることが嬉しかった。
演奏会の費用は一人500チェココルナ、約3,500円と日本でクラシックコンサートに行くよりははるかに安い。しかも気軽な格好で突然思い立ってもすぐに立ち寄れるところが良い。やはりクラシック音楽がとても身近な街なのだなと改めて実感した。
ヴァイオリンのソリストが上手過ぎて、感動に思わず泣いてしまった。
ブルタヴァ(モルダウ)川を眺めながらiPhoneに入れていたスメタナのブルタヴァを聴いたときも思わず泣いたが、ここでまた室内楽のブルタヴァを聴き感動。さらに少人数で演奏する「ボレロ」も完成度が高くて編曲の凄さにも驚かされた。
演奏会は約1時間半で終わり、感動とともにプラハ最後のディナーへ向かう。
5月のプラハは「プラハの春」という音楽祭も行われているため、いつも以上にレベルの高い音楽が街中に溢れていた。
ジャズレストランと銘打たれたお店から、ピアノとギターのインストが聴こえてきたため、ふらっと立ち寄る。
演奏場所の目の前の席に座ってパスタを注文。
なんと、イタリアのパスタよりも美味しくて感激だった!(ローマよ、ごめんなさい笑)
ピアノというかキーボード演奏が達者で、時々歌も混ざるんだけどこれがまたシブくて、ジャズといえばなんとなく演奏者の自己満足的なものが多いイメージだったので、きちんとした音楽になっているうえに視聴者を楽しませてくれるヨーロピアンなジャズにまたもや感動した。
ピアノを弾いている男性は、プラハにあるピアノ工房で実演ピアニストをしている、という話だった。普段はクラシックを弾いているそうで指さばきに見とれたが、演奏しながらタバコを吹かすお茶目なところも日本では感じられない自由さだな、と思った。
ところで、タバコといえば、イタリアでもプラハでも、お店の中は禁煙だが外は喫煙自由なので、日本より喫煙者が多く目立っている。
最近の日本は禁煙ブームが半端ないけれど、確かに店内で喫煙できる点などは欧米に比べて日本はかなり遅れているように思う。
その代わり、早くから公共の建物内は全部禁煙にしている欧米の場合、逆に外では吸い放題なので完全分煙しているだけに喫煙者には日本より自由さがあるような気がする。
なんというか、わたしは別に喫煙者に対して何か思うこともなく、昨今の日本の喫煙者に対する当たりは強すぎるように感じるくらいなので、それならさっさと欧米みたいに建物内を全面禁煙にして、その代わり外で自由に吸えるようにしたほうがお互いに居心地良いのではないかと感じた。
そうしないと、なんか日本の喫煙者が可哀想だし、非喫煙者の迷惑も減るんじゃないかなぁ。イタリアでもプラハでも、非喫煙者が喫煙者を見てあからさまに手を振って煙をよけたり嫌そうな顔をする人って見かけなかったし、それは完全分煙をしているからこその反応だと思うのだ。
そんなこんなで迎えたプラハ最後の夜、広場のベンチでぼーっと月を見上げたり、街中の喧騒を楽しんで過ごした。
プラハは治安も良さそうで、安心して観光客が夜も出歩ける素敵な場所だった。
音楽が凄くてほかの観光場所にほとんど行けなかったのは残念だったが、ゆったりとした時間を過ごせたのはありがたい。
しかし、行けなかった場所が多いので、いつかまた、リベンジしたいなぁ。ご飯も超美味しいし♪