「子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会 ニュース(2017年5月)
福井県・高浜原発4号機の原子炉起動を糾弾します。
関西電力は高浜原発の再稼働を即刻中止するべき。
関西電力は本日(5 月 17 日)、多くの反対の声を踏みにじり、高浜原発 4 号 機の原子炉起動を強行した。私たちはこれに強く抗議する。 福島原発事故はいまだ終息しておらず、多くの被害者が困難な避難生活を余儀なくされている。それにも関わらず、関西電力は福島原発事故の悲惨な実態 と教訓を省みることなく原子炉を起動した。 高浜原発でひとたび大事故が起これば、福井の住民はもとより、放射能は北からの風にのって関西全域に及び、30km 圏内の京都府北部は「帰還困難区域」並みに汚染される。琵琶湖も汚染され、関西住民 1,400 万人に甚大な被害を及ぼすことになる。とりわけ子どもたちへの影響ははかり知れず、避難弱者の避難はほとんど不可能となる。汚染水対策もないまま、若狭湾一体の漁業にも深刻な被害が及ぶ。このような壊滅的な被害を食い止めるためには、再稼働を中止するしか道はない。
しかし関電は、福島の悲惨な被害から発せられる「原発さえなければ」という無念の声を聞こうともしない。 今年1月に関電が引き起こしたクレーン倒壊事故は解決していない。京都府も認めていることだ。この事故は、関電に染み付いた安全軽視の体質が引き起こしたものだが、関電は「リスク管理体制が不足していた」等と述べるだけで、 社会的責任には触れようともしない。 私たち注が行ってきた 京都府 30km 圏内自治体等への申入れや、京都府7市町地域協議会幹事会では、関電の安全管理全体に対して厳しい批判の声があがっている。さらに、福井県知事と高浜町長の了承だけで再稼働が進むことを批判し同意権を求めている。住民説明会等で事故や再稼働について関電は直接住民に説明すべきだと述べている。しかし関電は、これら自治体と住民の声も聞こうとしない。 島﨑邦彦前規制委は、4月24日の大飯原発差し止め控訴審(名古屋高裁金沢支部)で「入倉・三宅式は過小評価。大飯原発の再稼働を許可してはならない」と証言した。高浜原発の基準地震動もまた入倉・三宅式で計算されたものであり、過小評価のままだ。国の責任ははかりしれない。プルサーマル実施ではアレバ社のMOX燃料を装荷した。しかしウラン燃料用の原子炉に異質で危険なプルトニウム燃料を使うのは無謀だ。さらに品質管理データは非公開のままだ。関電は以前に、英国BNFL社で製造されたMOX燃料にデータ不正があることを知りながら、市民がそれを暴くまで隠し続けていた。未だ隠したことを認めず詫びていない。それにも関わらず原子力規制委員会もフランスの原子力規制機関も品質データをチェックすることもしない。使用済MOX燃料の処分方法はなく、厄介な核のゴミを高浜原発に超長期に保管することになる。高浜町の住民に説明することさえしていない。また使用済燃料全般を運び出す見込みもなく、使用済燃料プールは満杯に近づいている。 京都府や北部の自治体は「中間貯蔵」受け入れに明確に反対している。行き場のない核のゴミをこれ以上増やすなど無責任極まりない。 私たちは、高浜 4 号機の原子炉起動に抗議するとともに、直ちに再稼働を中止するよう強く求める。 5月17日