ZIPANG TOKIO 2020「犬山 木曽川うかい 1300年の伝統の匠の技 女鵜匠も活躍!犬山城の東 庭園・有楽苑には、国宝茶室如庵」
木曽川うかいの特徴は体験しているがごとくよく見えること。観覧船は、鵜舟のすぐ間際にまで近づき、時にはかがり火の熱気が頬で感じられるほど。鵜も水しぶきが飛んでくるほど間近まで寄ってきてくれる。平成15年からは、より気軽に鵜飼を楽しんでいただくため、昼の鵜飼も全国に先駆けて実施している。
左上の国宝・犬山城を眺めながら鵜飼を楽しむ
木曽川うかいでは、鵜飼観覧と木曽川遊覧がセットで楽しめる。木曽川の雄大な自然を、熟練の船頭が案内してくれる。木曽川から望む国宝犬山城は、一見の価値あり。
日本の鵜飼
現在、日本で行われている鵜飼は12か所ある。もともと鵜の特性を活かし川のあるところで行われていた古代漁法の一つであった。
山梨県笛吹市(笛吹川)
愛知県犬山市(木曽川) 木曽川うかい
長良川鵜飼(岐阜県岐阜市)
京都府宇治市(宇治川)
京都府京都市(大堰川)
和歌山県有田市(有田川)
広島県三次市(馬洗川)
島根県益田市(高津川)
山口県岩国市(錦川)
肱川鵜飼(愛媛県大州市)
三隈川(大分県日田市)
福岡県朝倉市(筑後川)
西暦636年に中国で執筆された隋代を扱った歴史書「随書」に鵜飼のことが書かれている。
日本の鵜飼は一か所を除きウミウを使うが、中国ではカワウである。
ヨーロッパにおいては16~17世紀にかけて鵜飼はスポーツとして行われている。
竿で魚を釣るように大方の人にできる漁法ではないが、鵜飼は一部の人たちによって伝統漁法として現代まで受け継がれてきた、それだけに鵜飼は、日本の伝統として後世に伝えていくべき大変貴重な漁法である。
ただ、伝統と名のつく建築、工芸、能楽、浄瑠璃、歌舞伎、舞い、踊り、茶道、華道、和食など、どの分野にもいえることだが、悩みの種は後継者問題である。匠の技は一朝一夕に修得できるものではないので。現状では伝統継承者は風邪も引けない状況にあるように思う。
これから紹介する「木曽川うかい」が良い例で、東海地方で初の女鵜匠が活躍している。これまで男しかできないと思われていた伝統のどの分野にも女の進出は欠かすことができないであろう。
手塚治虫氏の描くロボットのように進化を遂げて、ロボットに人間が使われる時代が到来しないためにも・・・ 鎹八咫烏 記
左から伊藤鵜匠(力強い手縄さばき)、稲山鵜匠(東海地方初の女性鵜匠)、
石原鵜匠(鵜匠歴22年)、水野鵜匠(ちいさなころから鳥博士)
鵜飼は、美濃国では702年(大宝2年)の各務郡中里の戸籍「鵜養部目都良売(うかいべめづらめ)」の記述が最も古い資料です。この資料から木曽川うかいの起源は、今より1300年前と考えられている。犬山では、今から340余年前に犬山城3代目城主成瀬正親公が御料鵜飼として始められ鵜匠を保護したと言われている。昔は漁として行っていたため、満月・水の濁ったときは鵜飼をとりやめていましたが、明治42年頃より観光を取り入れて行っているため、増水・台風時以外のときは行われている。
1300年の伝統を誇る歴史絵巻
鵜飼は、鵜飼舟に乗った鵜匠が鵜(海鳥の一種)を訓練し、川魚を捕らせる古代漁法である。鵜飼舟にはそれぞれ鵜匠と船頭が乗り込む。1人の鵜匠が操る鵜は10羽。首に手縄をつけ、鵜匠の巧みな手縄さばきに促され、鵜たちは水中へ潜り、鮎をはじめとする川魚を捕らえる。鵜が魚を捕まえて水面に上がってくると、鵜匠は手縄を引っ張り、鵜が捕らえた魚をはき出させ、それを何度も繰り返すことで漁を行う。「ホーウホーウ」と威勢のよい鵜匠のかけ声、水中と鵜匠の手元を何度でも行き来する鵜。ライトアップされた国宝犬山城を背景に、1300年もの伝統を誇る、幻想的な歴史絵巻が目の前でくり広げられる。
国宝・犬山城天守閣の屋根瓦「亀の甲羅に桃がのった形をした魔よけ」
見どころ
よく見える
特徴はよく見えること。観覧船は、鵜飼船のすぐ間際にまで近づき、時にはかがり火の熱気が頬で感じられるほど。鵜も水しぶきが飛んでくるほど間近 まで寄ってきてくれる。見学というより、体感できる鵜飼である。2003年からは、より気軽に鵜飼を楽しんでいただく為、「昼鵜飼」も全国に先駆けて実施 してい る。
夜の鵜飼 観覧船
夜の鵜飼 船上食事付き
昼の鵜飼 船上食事付き
ご予約・乗船料金等詳細お問い合わせ先
開催期間 毎年6月1日〜10月15日
木曽川観光(株) TEL. 0568-61-2727
ご予約受付時間
4月~5月(平日のみ):9:30〜16:00 6月〜10月15日:9:30〜18:00
船上弁当
鮎をはじめ地元産の食材を使用した、贅をつくしたお弁当の数々から選ぶことができる。
お勧め情報
「木曽川うかい」に来られたおりには、是非、一緒にご見学されることをお勧めします!
国宝・犬山城のすぐ東にある日本庭園 有楽苑と国宝・茶室如庵
織田信長の実弟が建てた国宝茶室「如庵」
犬山城の東にある庭園・有楽苑には、国宝茶室如庵、重要文化財旧正伝院書院、古図により復元された茶室元庵、新しく建てられた茶室弘庵などがあり、静かなたたずまいをみせています。如庵は、茶の湯の創世期に尾張の国が生んだ大茶匠・織田有楽斎が建てた茶室で、昭和11年に国宝の指定をうけた茶道文化史上貴重な遺構です。京都山崎妙喜庵内の待庵、大徳寺龍光院内の密庵とともに、現存する国宝茶席3名席の1つです。織田有楽斎は信長の実弟として天文16年に生まれました。波瀾に富んだ人生を送った有楽の生涯を写すがごとく茶室如庵は各地を点々としましたが、昭和47年に犬山城下の佳境の地に移築され、庭園を含め「有楽苑」と名付けられました。
見どころ
国宝茶室如庵
信長の実弟である有楽齋の遺構で「国宝三名席」のひとつ。普段から内部をご覧いただける唯一の国宝茶室で古暦を腰貼りにした暦貼り、竹を詰め打ちにした有楽窓、躙り口など随所に独創的な工夫が凝らされています。
元庵
有楽齋が大阪・天満に構えた茶室を古図に基づいて復元。亭主が上座につく、亭主床と呼ばれる床構えになっています。
弘庵
苑内で四季折々催される茶会のために新築された茶席。つくばいは風雅な音色を奏でる水琴窟。
旧正伝院書院
如庵に隣接して建てられた有楽齋の隠居所で内部には長谷川等伯や狩野山雪などの襖絵が残っています。(普段は非公開)
有楽苑内の楽しみ方 -呈茶-
重要文化財である旧正伝院書院でいただく呈茶。犬山焼の茶器で、有楽苑でしか取扱のない有楽風という和菓子に舌鼓を打ち、のんびりと美しい庭園の風情を楽しめます。
日本庭園 有楽苑(にほんていえんうらくえん)
所在地 犬山市御門先1番地 電話 0568-61-4608
入苑料 大人1,000円 小人600円
交通アクセス
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
木曽川観光株式会社
〒484-0081 愛知県犬山市犬山北白山平2番地先 TEL.0568-61-2727
犬山市観光協会 〒484-0086 愛知県犬山市松本町4-21TEL:0568-61-2825
文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話番号(代表)03(5253)4111