【紹介:夏至~秋分まで日本で一番忙しいジャズ喫茶】鹿児島いちき串木野・JAZZ & AUDIO喫茶 パラゴン 22/09
鹿児島いちき串木野にあるJAZZ & AUDIO喫茶 パラゴンさんは、地元密着型の超繁盛店にしてもうすぐ50年になる老舗。
このマスターの魅力は、ジャズ/オーディオ/喫茶店業等、何事においても理想を追い求めて努力を惜しまない、真摯で誠実な姿勢。
また、次々に入るオーダーに対する従業員=ご家族皆さんのきびきびとした動きの美しさは、このお店の華。
特に、夏至から秋分にかけての看板商品「白熊」目当ての行列が店の前まで伸び、それが延々続く時期は壮絶。
その時期、この店が「日本で一番忙しいジャズ喫茶」というのは、私のイメージでしかありませんが、それを淀みなく捌き切る皆さんの応対ぶりは本当に素晴らしい。
いつ行っても、気持ちのいいお店。
その他、このお店で語るべきことの一つは、パラゴンをフル・ボリュームで鳴らすJazz Audio Time。
パラゴンはフル・ボリュームで鳴らさないとその真価が発揮出来ないのですが、この繁盛店の通常営業時間内にはとても無理な話。
でも、ここはジャズ喫茶!とマスターが意地で毎週開催されるのが、この特別な時間。
開催日時は日曜日の22~24時と週末の夜中ですが、この店のパラゴンの真価たるテナー・サックスの音の生々しさや音が前に飛ぶ様等が存分に味わえるので、一度は是非。
尚、今回教えていただいたのですが、マスターはこのために、VINUSの設立30周年記念レコード豪華10枚組もご入手。
お客さんが少なくなった時、少しボリュームを上げて聴かせていただいたのですが、またこれが何ともゴキゲンな時間であったことも併せてお伝えしておきます。
そして最後ですが、下の写真手前にご紹介されておられる商品が、私が顧問の大分・竹田の一粒万倍(イチリュウマンバイ)でも仕入れさせていただき、人気No.1のエル・サルバドル。
このエル・サルバドル、色んな所で飲んでみるのですが、このマスターが焙煎された豆は格別。その風味、最初に来る苦味がすっと消える様、その後の澄んだ美味しさは、現在のところ、どこでも味わったことがありません。
こちらも是非一度、ご賞味ください。
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【以下、初回訪問時2017/06の記事を転載、22.9.23一部追記/改訂・写真追加】
今回は、鹿児島市内から1時間程北にあるいちき串木野市はJAZZ & AUDIO喫茶パラゴンさんに行って来ました。
パラゴンさんは、宮崎のFAR CRYさんで横に座ったお客さんに教えていただき、同じJBLの銘機パラゴンを鳴らしている福岡の古処さんでも話題に上り、気になっていたお店。
店構えは緑で覆われた結構広さのある平屋の一軒家で、いかにも風情のあるシャレた喫茶店。入ってみてもその印象は変わらず、何故か中央奥にそびえ立つ巨大家具調スピーカー パラゴンさえも完全に馴染んでおり全く違和感なし、ですが。。。
ちゃんとした格好のウェイターさん、ウェイトレスさんがいる?!土曜の昼下がりを楽しむお客さんが何人もいる?!
しかも流れている音楽はボリュームを適度に絞ってはいるものの、立体感のある息をしている音。聴いていて、心地好くリズムに身を委ねられる音。正統的なジャズ喫茶/バーの音。
ジャズ喫茶の看板のまま、ここまで普通に喫茶店として流行っているお店を見たことがなかったので、ここはスゴいお店だ!と最初から心底感心してしまいました。
そして、マスターにお話を伺ったところ、このお店にジャズを聴きに来てるのは1割程度で、後は喫茶店としてのお客さん、とのこと。
確かにメニューにはホームメイドケーキまであり、これがまた美味しい!しかも珈琲に至っては、自家焙煎で豆まで売ってるという本格派。
そして、このこだわりの強さがオーディオではもっと発揮されている訳で、そりゃ、このお店に合った心地好い音楽が鳴っているのも当然だよね、等と勝手に思ったのですが、いやいや、全然想定が甘かった。
何と毎週日曜日の夜10時から12時に、このパラゴンをフル・ボリュームで鳴らされる時間がある※のだそうです。
ボリュームを上げたパラゴンと言えば、古処さんで聴かせていただき、確かに感激したのですが、あれは天井の高さがあっての空間の響きの良さであり、この天井の高くないお店でのフル・ボリュームは想像がつかず、「お客さんがいなかったら(今、やってあげるんだけどね)」とおっしゃるマスターに御礼を述べつつ、「また機会を作って来ます」と言って、別の話題に移っていったのですが。
何と幸運なことに、一瞬、お客さんが全員帰られたタイミングが訪れ、さっとレコードに変え、ボリュームを上げられたマスター。
あっ!!!
何と表現していいのかわからない音の衝撃、さっと鳥肌が立ってしまった存在感のある音。少し離れて聴いてみても、きっちりとした定位感の中に息づく生々しい楽器の音色。
これまでの九州JAZZバー巡りの中で、JBLのいいホーンスピーカー※が放つ直線的な音圧こそが、JAZZの生命力豊かな音を表現をするのに最も適していると思うに至っていました。
ところが、それとは全く違うにもかかわらず、その音の生命力豊かなことでは勝るとも劣らない響き。パラゴンはそれ自体が楽器。これはマスターのおっしゃった言葉ですが、パラゴンは想像していたものを遥かに超えた素晴しい楽器でした。
※22.9.23追記:この当時はまだまだ不勉強でした。パラゴン自体、その「JBLのいいホーンスピーカー」であり、「フル・ボリュームで鳴らさないとその真価が発揮出来ないスピーカー」でした。謹んで修正いたします。
すぐに次のお客さんが入って来てしまったため、音楽としてのJAZZを楽しむには至らなかったのですが(苦笑)、その音だけでノックアウトされてしまって、お腹いっぱい。
恒例のサインもさり気なくお洒落な感じで、この後も時間の許す限りマスターに色んなお話を伺ったのですが、強く感じたのはその端々まできっちりしたい几帳面さ、真面目さ。
そして、私の大好きなZEK TRIO(注)の九州ツアー最終ライブ地点であるとお聞きして驚いたのですが、御歳71歳とは思えない若々しい情熱とセンス。(ちなみに、お世辞ではなく、見た目はもっとお若いです。笑)
(注)ZEK TRIOライブ:観戦記 尚、彼らの1st CDが出たことを教えていただきましたので、早速発注しました。。。
これらがオーディオに向いた時、アンプ等の機器交換はもちろんのことながら、パラゴンの内部にまで手を入れるというマニアックさにつながり、このようなものスゴいシステムを構築されたものと思われます。
今度はフルボリュームでの音楽をちゃんと聴きに伺います。
月曜休暇が必要ですが。。。苦笑
ちなみに今回の鹿児島、もう一つ心が震える出来事がありました。
鹿児島市内から1時間程南下した知覧(ちらん)にある特攻平和会館の見学です。特攻隊員として死んでいった若者達の存在を知ることは、歴史・戦争を正しく認識するのに本当に外せないものだと思いましたし、何より彼らの遺書の数々は涙なしでは読めませんでした。
もし機会があれば、こちらにも是非足をお運びください。
【駐車場:有、喫煙:不可になりました。】
その他のパラゴンさんのページへ
②17/07パラゴン・フルボリューム・タイム体験記
③18/02,09₊19/01白熊待ちの行列等
その他
※このお店は弊著「九州ジャズ・ガイド 第①号( ↓ )」にも掲載されておりますので、よろしくお願いいたします。