ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第63話:至上主の富とは(6)
2017.06.05 23:10
至上主クリシュナは、自身の富について語ります。
「親友のアルジュナよ。
私はすべての創造物において
はじまりであり、
おわりであり、中間でもある。
学問の中では
自己である魂を探求する知識。
論理的な議論の中では
弁証法である。
私は文字の中ではアの字。
複合語の中の二重語。
破壊者の中では
刻一刻と過ぎ去ってしまうが
つきることのない時間。
創造者の中では
4つの頭を持つブラフマー神である。
私は
一切を奪い去る死であり、
生命が誕生から死に至るまでの変化、女性たちの持つ
名声、美、美しい言葉遣い、
記憶力、知性、寛容、許し
である。
サーマ・ヴェーダの中では
私はブリハト・サーマというインドラ神への祈り。
詩の中では、
ガーヤトリー。
月の中では、11〜12月の
マールガシールシャ。
季節の中では花咲く春。
また、私は
詐欺の中では賭博。
輝くものの中では
大きな光輝。
私は勝利の中の勝利、
勤勉家の中の努力(決意)であり、
強者の持つ強さである。
私はヴリシニ一族の中では
ヴァースデーヴァであるクリシュナ。
パーンドゥ家の中では、
アルジュナ、あなたである。
聖者の中では、
ヴィヤーサ(このバガヴァッド・ギーターの編纂者)である。
知性のある者の中では
ウシャナー(シュクラーチャーリャ)である。
私は懲罰における
鞭打ちである。
勝利を求める者たちにおける
道徳であり、
秘密における沈黙である。
賢者における智慧である。」
…続きはまた明日。
(今日は10章32-38節まででした)