なんかのゆめ太郎の幸せ
2015.12.31 15:00
〈 南柯之夢(なんかのゆめ) 〉
意味:夢。あるいは、はかないことのたとえ。
「南柯太守伝」からの故事。主人公は誕生日を迎えた。友人達に祝われた彼は心ゆくまで酒を飲み、酔いつぶれ、木の下で眠ってしまい、二十余年にも渡る夢をみる。幸運なことに、その中で地位も名誉も財産も手に入れ、高貴な女性にも家族にも恵まれる。しかしある時突然、全てを失ってしまう。失意のどん底にあったその時、夢からさめると酔いつぶれた友人が傍で寝ていた、という話し。
〈 夢をかたちで表現するために 〉
人にとっての幸せは時代によって異なるだろう。現代社会における幸せとは何だろうか。
日本は高度経済成長期以降、あらゆるものに効率化が求められ、そうでないと生きていけないような世の中であった。しかし、便利なことが当たり前になってきた今では、「効率さ」よりも「心の豊かさ」に重点をおいた生活を望む者も増え、都心を離れる人も多く いる。
かつての夢が夢でなくなり、かつてが夢になった。
ここでは、部屋の中を夢、外界を現実として捉えた。せわしなくすぎる外界の時の流れとは違った、心豊かに過ごせる「住宅」。
今回はそれを手に入れた主人公、ゆめ太郎くんを紹介する。