引き取り運動の広がり
今日は五島列島で引き取り運動をはじめられた方とお会いしてきました。
「もう引き取りしかない!」
と力強くおっしゃっていた姿がとても印象的でした。
辺野古で座り込みに参加したり、反原発運動などで積極的に声をあげたりしてきた大変エネルギッシュな方ですが、つい先日、『世界』で親川志奈子さんの論考の一節を読み、衝撃を受けたと言います。
親川さんはそこで、最近右翼界のジャンヌダルクと言われる若い沖縄女性を引き合いに出し、かつては自分も年上の日本人男性たちから左翼界のジャンヌダルクだともてはやされ、気をよくして彼らの求める言葉を紡ぎ出してきた経験をふりかえります。
しかしそれは、彼女にとってはいまや「封印された恥ずかしい過去」となりました。その理由を、次のことに気付いたからだと述べます。
「沖縄の私たちにとって左翼や右翼になるとは、日本人のイデオロギーを背負うことに他ならないのだ。沖縄人が『基地はどこにもいらない』と言おうが『辺野古が唯一の解決策』と言おうが、結局のところその主語たりうるのは日本人でしかないのだから」(世界 2015.10月号 152ページ)
この、「基地はどこにもいらない」という主人公は結局のところ日本人にすぎない、というその言葉に、「年上の日本人男性」のひとりであり、長年左翼運動家として行動してきたその方は、雷に打たれたような衝撃を受けたと言います。
そして、自らの沖縄に対する行動論の見誤りを、否が応でも認めざるをえなかったと率直に語られていました。
そしていったんそれに気づいてしまえば、もう引き取りという選択肢しか残されていない。
その方は、引き取りという方法を、「気づけばこんなに簡単なことなのに、やっと気づくことができた」と話します。
引き取りを目指す仲間が日増しに増えていくことは、FIRBOにとっても大変勇気づけられることです。
沖縄の声に応答する、全国規模の動きになる日はそう遠くない予感がします。
(里)