桑畑と養蚕
2017.06.10 02:01
明治から昭和前半にかけて、日本の主要
産業は、製糸業(絹)でした。1922年には
日本の輸出額の半分に達していました。
そして、世界の総生産の80%を占めて
ました。
生糸の生産はカイコの飼育から始まります。
養蚕には、桑の木が欠かせません。
そのため、桑畑が全国に広がりました。
それは、全国の畑地面積の25%を占めて
ました。
カイコの成虫に卵を産みつける灌木(ツツジ
やハギ)も大量に必要になりました。
そして、より重要なのは燃料です。
養蚕には非常に多くの燃料を必要としま
した。蚕室には暖房が欠かせないからです。
さらに製糸工場では、薪と水を消費しま
した。カイコの繭から生糸を取り出す過程
では、大量の水と燃料が必要になります。
最初は燃料も薪だったので、薪が不足して
生産が増やせない事態となった記録も
ありましたが、やがて燃料は石炭へ置き
換わり始め、森林からの伐採は一息つき
ました。それでも、養蚕が森林に与えた
影響は大きかった様です。
そんな養蚕も、現在ではすっかり姿を
消しました。
写真は『桑畑』の地図記号です。
しかし、平成25(2013年)『2万5000分の1
の地形図で使われなくなったおもな記号
として、『桑畑』『工場』…が示されて
ます。つまり、廃止になりました。
子供の頃、小学校で習ったのにな~。