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一号館一○一教室

コロナ時代、中国のベストセラーにはある変化が現れた

2021.12.05 14:37

【質問】 

新型コロナ時代の人気商品のレポートを興味深く読みました。日本では爆発的とまではいえないまでも、巣ごもり需要で本の売れ行きがずいぶん伸びましたが、中国ではどうでしょう?最近のベストセラーにはどんなものがありますか? 

 【回答】 

中国では、昨年以来電子書籍と携帯アプリの利用が伸びているようです。書籍販売に関して、2020年1月から3月までの書籍小売市場全体は前年同期比15.93%減なのに、ネット書店は同3.02%増、実店舗は同54.79%減となりました。 昨年、世界で読まれている電子書籍およびオーディオブックの数は、平均して14%と大幅に増加しており、1位はスペインの20%、2位は中国の17%、3位はイタリアと南アフリカの15%で同率となっています。 

コロナ時代、中国のベストセラーにはある変化が表れてきました。これまであまり注目されていなかった、あるいはもっと専門的で疫学関連のポピュラーサイエンスの書籍が、程度の差こそあれ、売上を伸ばしていた。また、これは新型コロナ時代のかなり特殊な文化的現象になっています。 ある出版業界関係者の意見によると、上記のような書籍市場の状況は当たり前であり、読者は新型コロナ感染拡大を気にしており、当然ながら関連情報を知りたがっています。新型コロナの影響を受けて、出版機関や書店では、ライブ配信やオンラインセミナーなどの自助努力が実際に行われています。 

コロナの影響で、ウイルスや疫学関連の書籍の売上が大幅に増加しており、コロンビアの作家のガブリエル・ガルシア・マルケスの小説である「コレラの時代の愛」がベストセラーに入られています。フランスの作家・アルベール・カミュが書いた小説「ペスト」にもよく売られている。上海訳文出版社によると、「ペスト」は5万部が追加印刷されました。 

昨年以来、作家の畢淑敏氏の長編小説「花冠病毒」(2012年出版)もヒットし、古本市場ではかなりの高値で取引されていました。中国語の「花冠病毒」は、まさに新型コロナウイルスのこと。 「花冠病毒」の物語は、中国のある大都市を突如襲った猛烈な伝染病は、一瞬にして数百万人の命を危険にさらす。最前線で活躍していたウイルス研究者の于増風は、このウイルスを試して悲劇的な死を遂げ、于増風はウイルスを「花冠病毒」と名つけました…あたかも新型コロナの感染拡大を予言した物語です。 

コロナの世界的流行により、人類は再び「To Be or Not to Be(死ぬか生きるか)」という問いに答えなければならない重大な瞬間を迎え、人類の運命の相互依存性と人類の運命共同体を構築することの重要性をより深く認識することになりました。 

三聯書店から出版された「人類の終極問題」(The Ultimate Questions of Mankind)は、多くの読者から好評を得ており、この本の中で著者は、人間の関心事である3つの「究極の疑問」を提出されました。すなわち「人間はどこから来たのか」「なぜ人は老いるのか? 」「創造力はどのようにして生まれるのでしょうか?」多くの読者が「この本は知識を普及させ、思考を啓発させた」と評価しているようです。 

本の中、このような理念が強調されています。「現在の世界のすべての人々は、数万年前には同じアフリカの住人の子孫であり、同じ地球の生態系を共有する一つの家族でした」。 「また、その生態系を構成するすべてのメンバーの利益は、相互に関連しています。 進化は決して生存競争だけではなく、相互扶助が進化のメインテーマです。 そして、すべてがつながっている情報共有の仕組みからこそ、創造性が生まれます」。  

(メルマガ黄文葦の日中楽話第46話より)