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自慢の親友 Dr.K

2021.09.21 15:00

 先月末より、喉が不調。

 夜になるとひどくなり、中々寝付けず、不眠症にまで陥ったのです。

 眠りを浅くする酒を断ちましたが(今でも)、駄目。

 親友のDr.Kに診てもらうことに。

 大事でなく何より。


 彼独自の治療は多くの患者さんから信頼を集め、医療関係の間でも静かに高評されています。

 なんと、私の母がかかりつけている整形外科医の担当《美女看護士》でさえ、「ええ~?渡辺さん、Dr.K先生と幼馴染なのですか?」と言うのです!


 チョイ、ジェラシー感じました。

 Dr.Kとは幼稚園からの付き合い。

 私を楽器演奏に導いてくれた人であります。


 しかし、クラシック音楽ではなくて。

 中学生の時、バンドを設立したかったDr.Kは、私をそそのかしエレクトリック・ギターを持たせたのです。

 音楽の素地も経験もない私にそうしたのは、単に一番身近にいたという理由から。


 しかし、私はすぐに音楽にのめりこみ、当時、小都市の中学生が聴くはずもないマニアックなアーティストの盤を聴きあさっていました。

 ここには亡き姉の影響が大。


 私が東京の大学に進学し、4年生の時にクラシック音楽を嗜好したことから、少しずつ疎遠に。

 Dr.Kも大学進学から直方を離れ、私が大学院修了後に直方に戻ってからほとんど会わず仕舞でした。

 ところが、Dr.Kは勤務の大学病院の水が合わなかったのか?開業することになり、住まいも直方の実家に戻ったのです。

 それから、二人はもう1度、音楽ユニットを組むことに。

 私たちが40歳を迎えようとするころです。


 チェロとギター、コンピューター打ち込みによる演奏。

レパートリーは既存の楽曲をカバー編曲してのインストゥメンタル・ポップスです。

 Dr.Kがユニット名を命名。

 ≪これなBit≫


 二人の苗字に、コンピューターの計算データ数を併せて、もじりました。

 さらに私の友人に依頼して、ロゴ・イラストを作製。

 4年ほど、ライヴ活動をし、ヤマハ天神福岡店で、発売されたばかりの《サイレント・チェロ》のデモ・ライヴもしました。

 しかし、打ち込みによるカラオケ伴奏の演奏に、二人とも次第に味気なさを感じるようになります。


 チェロとギターのみの演奏も試みたものの、サウンドの隙間の空け・埋めは尋常なく難しく、当時の私たちのアイデアと技術では限界がありました。

 さらに、私に人生再建の最初の難儀な時間が訪れ、このユニットは消滅してしまったのです。

 Dr.Kとは本音で話せる間柄のため、よく口論をします。

 しかし、互いに冷却して着地し、後腐れ無しです。


 ある時、友人のバーでそうなった時のこと。

 友人は「なべさんとDr.Kさんって、本当に仲がイイですね。」と言ってくれました。

 私が甘えているだけですが。

 そのようなDr.K、長い苦境の中にいる私を2度も助けてくれたのです。

 ありがとうございます。


 近年の彼は、演奏から離れて、写真、水彩画、木工に取り組んでいます。

 昔から何でもやれる人間で、それらも、中々、見事。

 彼の病院に行けば、それらを鑑賞できます。


 しかし、私は、彼が演奏に戻らなくてもイイから、自分の能力をあまり多方面に散財せずに、集中して使ってほしいと願うばかりです。

 これからもよろしくお願いします。