ランニングコストの安さが魅力 温水式床暖房
薄型の登場で施工性が向上
「温水式床暖房」は、温水を床下に流し、床面を温める方式の床暖房です。一定の温度以上にならないため、低温やけどになることがほとんどありません。また、スイッチを切った後も余熱が残るため、急に冷えることもなく、早めに切ることでランニングコストを抑えることが出来ます。これまで温水式床暖房が必要で、リフォームで導入するには施工の手間がかかるといわれていました。しかし、床板をはがすことなく既存の床上に、温水パイプが取り付けられたパネルを敷きこむ商品が登場したことで、施工性が大幅に向上し、工期も短くなっています。
熱源は、大きく分けて「ガス」「石油」と「ヒートポンプ」「太陽熱利用式」があります。ガス床暖房は、一般的にボイラーでお湯を沸かす方式で、既存の給湯器に温水機能が付加されていれば、床暖房に転用することが可能です。専用のボイラーを設置することもできます。石油床暖房は、床暖房専用の灯油ボイラーを使ってお湯を沸かす方式で、大規模な面積でも対応できます。比較的ランニングコストが安いのですが、定期的な給油が必要です。ヒートポンプは、大気中や地中の熱を活用し、少ないエネルギー量で効率よく暖房などを行う方式です。
商品選びのポイント
パイプの素材をチェック
床下に這わせるパイプの素材もチェックをしましょう。主に「銅管」「架橋ポリエチレン」「ビニールパイプ」の3種類があります。銅管が最も熱伝導率が高く、30度~60度と比較的低い温度のお湯でも床面に熱を伝えられますが、継ぎ目があるため漏水の心配があります。
1分間で理解する温水式床暖房
チェック! 温水式床暖房の分類
トレンド
かつて温水式床暖房は、床下へ温水パイプを設置するため大掛かりな工事が必要でした。しかし、既存の床の上に設置できるタイプが登場したことで、施工性が大幅に向上したと言えます。また、長期間使用をしなかった場合に金属配管のつなぎ目が腐食し、水漏れを起こしてしまうケースもありましたが、樹脂製の配管が登場したことで、水漏れ対策もしっかり行われるようになり、そういった問題はなくなりました。
リフォマガ2021年7月号掲載