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uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

雪国に出動した新潟市消防団

2012.02.02 20:31

 2月1日のお昼前、電話がきた。

「大雪だから、除雪の出動が決まった」という内容。

「決まった」ということだけが決まっていたが、まだ日時や場所は決まっていない。

 

 わたしの消防団人生で、二度目の除雪要請。一回目は平成十八年の一月だったろうか。あのときは、要請された日にラジオの生放送に出演することになっていて、申しわけないけれど代わりの人にいってもらった。

 

 こういう出動は、各分団から何人か出るようにというふうに要請がくる。我々の団は基本的に幹部から出ることになっているのだが、どうしても用がある場合は一般団員さんに頼んでしまうこともある。

 

 まあそんなわけで前回は出ていなかったし、今回は出なければと思っていた。しかし、日が合わなければ出られない。消防団も大事であるが、仕事の約束も大事であるから。

 

 一時間後、電話がきた。

「出動は明日」

明日とはまた急な。

 

 大急ぎで段取りをしなければいけない。

まず最初になにをするかというと、わが家の除雪。わが家も同じ新潟県。じつは母のやってる小松菜のビニールハウスが危なくなっているので除雪を明日やろうと思っていたところなのだが、そういうわけにいかなくなった。明日の予報も雪。ビニールハウスを潰したら、わたしの面子もまるつぶれ。

 

 スノーダンプで何時間かかけて除雪したが、まだまだ作業が終わらない。ああ、もう夕方ではないか。今夜は新潟市の体育協会で新年の祝賀会が予定されていたのである。

 わたしも新潟県テコンドー協会会長として出席の予定で会費の8,000円立て替えてもらっているのでモッタイないなあと思いつつも、明日があるのでキャンセルすることにした。

 

 

 

 2月2日朝5時20分。分団長の車に相乗りし集合場所の東消防署に向かった。

 

 いつもより車の多い道。みんな大雪の混雑を警戒して早目に会社に向かっているのだろう。

 

 6時少し前に署に到着した。

 眠いんだわ

 

 そこで結団式を行い団長訓示のあと、すぐにバスに乗った。

 行き先は妙高とだけ。作業場所はまだ聞かされていない。噂では、どこかの学校の体育館の屋根か? なんていう話も聞こえてきたけれど、これもちがった。

 

 

 バスの中は静かだった。みんな、これから先のことを考えて無口になっているのだろう。それに、体力を温存しておかなければならない。少しでも休めておこうという考えかと思う。

 

 

 我々の乗ったバスは広くて快適。右にある赤い車は隊長車。あと、マイクロバスが一台。

 

 

 

 途中、米山パーキングエリアで休憩。地面が完全に凍っている。わたしたちの隣りに止まっていた重機を積んだトレーラーは、タイヤが空回りして発車できなくなっている。乗用車程度なら後ろから押してみようかという気にもなるが、あれだけ巨大なものとなると、人力ではどうにもならん。

 高速道路わきの松の木が雪の重みで折れている。



 途中、「風速12メートル。気温-1度」という表示が見えた。「なんだ、意外と暖かいんだな」と思った。が、実際に外に出るとそうも思えない。やっぱり寒い。

 

 「消防団が出動するといってもどうせ日帰りだろ。道中でけっこう時間使ってそのぶん作業時間が少ないではないか」と言う人がいるが、あちらでしっかり作業できるようにと、夜明け前から行動している。

 

 それに、誤解を恐れず言ってしまえば、わたしらこれで食ってるわけじゃない。自分たちの生業を休んでやっているのだ。そこまで言われる筋あいはないと思うのだが、言われたからといってやらないわけにはいかない。現地で一生懸命作業をしよう。

 

  道中の風景であるが、なんというかもう、新潟市とは雪のレベルがちがう。

 

 

 

 上越インターに8時30分到着。

雪は降っていない。ホッとした。池が凍っていて、氷の上に鴨たちが正座して寝ている。その近くの川も凍っていた。どんなに寒かったんだろう、まったく。

 妙高市役所にバスは停まり、そこで二組にわけられた。

 

 ここで、今回の任務が幼稚園の除雪と知らされた。「北幼稚園」と「南幼稚園」にいくことになったのだが、われわれのチームは最初は「南幼稚園」の予定であった。「南」というだけで暖かい感じがして喜んだのが、駐車場の関係で「やはり北幼稚園で」ということになった。北は寒いんだろうなあとも思ったが、実際は800メートルほどしか離れていないので、気温の差はない。

 

 幼稚園の屋根の雪降ろし。スノーダンプでひたすら雪を運び下に落とす作業だ。下ではホイルローダーとダンプカーが待っていて、落とした雪を運んでいく。新潟市からの消防団であるから、現地の人と比べれば作業に不慣れなところもあろうが、それでも人海戦術で黙々と雪を処理していく。慣れない作業で、いらぬところに力が入り、誰もがクタクタに疲れているはいるが、処理した雪の量に大きな差はないかと思う。みんながんばった。

 

 右側にある建物が幼稚園とその屋根。

わたしの担当したこのあたりでは、幼稚園を掘って出している状態 。

 

 

 寒さと雪を警戒し、制服の上にジャンバー。その上に雨ガッパの上下を着て作業していたが、激しい肉体労働にすぐに体は熱くなる。カッパの上を脱いでもポッポとしている。

 

 午前中の作業が終了し昼御飯。

カッパの下を脱いだら、汗で作業服のズボンの色が変わっていたので、ストーブのそばで乾かした。下着の替えは持っているが、作業服は着たきりスズメ。ポケットに入っていたハンカチも汗でビショ濡れになっている。

 

 冷たくなってご飯も固くなってはいたが、それでもおいしくて完食。幼稚園で熱い味噌汁も用意していてくれて感激だった。幼稚園の職員さんは、顔をあわせるたびに「お疲れさまです」「ありがとうございます」と言ってくれるのでうれしい。

 

 

 以前水害で派遣された某施設での対応と大ちがい。いや、こんなによくしてもらうこと自体が珍しいのだろうけど。 

 幼稚園の絵本室で食べました。