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uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

えらいぞえらいぞ:忘れられてしまいそうシリーズ

2012.04.16 22:48

 以前、新潟日報に連載していたときのエッセイです。

毎年、いまごろになると思い出して載せてます。

 

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 「えらいぞえらいぞ」

 

 今年入園した子どもたち。キミたちに、ちっちゃな声でエールを送る。「がんばれがんばれ」。



 まだ泣いてる子もいるんだよね。でも、それはしょうがない。いままでは、いつもそばにおうちの人がいたんだもの。なのに、こんどは知らない人ばかりのところにいったんだもの。泣きたくもなるね。



 元気に「おはよーございまっす!」と先生にご挨拶をして園に入っていったキミ。積み木をいじりながら、お母さんを思いだして泣いちゃったことは内緒にしとこう。涙を拭いて、またすぐに遊んだんだから、キミは偉いぞ。



 朝、バスに乗るとき、お母さんが涙を拭いてくれたティッシュ。それを、おうちに帰るまでずっと握っていた女の子。キミは、園にいるあいだ、ずっとお母さんを手の中に入れていたんだね。がんばったがんばった。朝は泣いたけど、明日はもっと平気になるよ。偉いよ、すごいよ。

 

 帰りのバスの中から、外で待ってるお母さんを見つけた男の子。急に大きな声で泣いちゃった。キミもがんばった。ずっと一日がんばった。けど、お母さんを見つけたら安心しちゃったんだね。泣きながらおんぶされて「おやつがおいしかったよ」とか「先生に絵本を読んでもらったの」とか、楽しいこと、いっぱいいっぱい話してくれた。偉いぞ偉いぞ。

 

 お母さんも、そしてお父さんも、お仕事をしながら、ずっとキミのことを考えていた。ちっちゃい体でキミはがんばっているのだ。本当は、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、キミの寂しさを思うと、大人だけど泣いてしまいそう。でも、キミががんばっているから我慢する。

 

 家に帰ったら、みんながキミを「ぎゅーっ」て抱っこするかもだけど、もし痛かったらゴメンね。

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