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七転び八起き Getting Back Up:A day in the life of cancer survivor MW

44. 映画『残像』を観て、お昼に友人と奥尻島ワインを公園で試飲。夜、若手サバイバ交流会 - 2017.6.17

2017.06.18 04:56

東京へ飲みに行くときは、行きは新幹線で車窓を眺めます(...帰りは在来線でぐだぐだ)。すっかり夏景色!

ポーランド映画『残像』を神保町で観る。わたしは『灰とダイヤモンド』という古い映画が大好きで、そのアンジェイワイダ監督の遺作なので大きいスクリーンで観ようと今回、上京しました。

映画館でみるのは年1回くらいでしょうか...去年は自宅療養中に、私の好きな俳優ティムロスが在宅の終末期ケアをする介護士(日本では准看護師?)に扮した『或る終焉』を観て以来。

さて、この『残像』はポーランドに実在した画家のお話です。若い頃、従軍した第一次大戦で手足を片方づつ失いながらも、革命の理想に身をささげ、両大戦の間の時期に著名な前衛画家となります。第二次大戦後は、学生たちから慕われる美大の教授でもありますが、ポーランドが新生の社会主義国になり、世の中が変わります。芸術は自由な創造ではなく、労働者を鼓舞する社会主義リアリズムの手段としてのみ許される状況。はたして画家はどう生きるか...。

社会のなかで表現者であること。自由であること。家族の生活。幸せとは。考えさせられました。

映画の後は、神保町の裏道で天ぷら弁当を2つ買って、地元の旧友との待ち合わせ場所へ。なんでも、とっておきのワインを入手したとか。

公園でBig Wave ビールとともに天ぷら弁当もかきこむ。そして九段下駅の成城石井にて入手の、サーモンと鱈のスモークとクリームチーズを揃え、いよいよワインターイム。(滅多にお世話になれませんが、成城石井の品揃えはホント素晴らしいですね~)

奥尻島のロゼ。さらっとして飲みやすい。彼もわたしも、微妙に甘みが残るかなと思ったが、女性には好み?わたしは炭酸水で割ってスパークリング風にして美味しく頂きました。

彼は自営業(経営者)なので、仕事の話がわたしのような平凡な会社員とは違って面白い。去年、とにかく、がん保険に入って!、と身をもってアドバイスしたが、夫婦で入れたとのこと。良かった。お互いに仕事や家のことで頑張っているもんね。いつか彼の好きな奥尻島に、お互い家族連れて、皆で遊びに行こうと 2人で盛り上がり、解散。

別れ際、この後、がんサバイバの集まりなんだと話すと、仕事でも趣味でもない集まりがあるのは良いな、と割と真面目な顔して言われたのが印象に残る。

そのとき彼には言わなかったけど、わたしが思ったこと。わたしにとって、患者会に行くのは例えばクリスチャンのかたが日曜に教会に行くことに似ているかも。悩みをうちあけ、わたしは滑舌がわるく、うまくしゃべれないこと。どうしても気になる。

そしてサバイバゆえの不安な日々をおくる人には、あなた1人ではないですよ、皆で気持ちだけでも支えあう場があると確認できること。(患者会で言えば「同病の」)友がいて、こころをおだやかに。そしてそれができるうちは、おいしい食事と飲み物をみんなで楽しみたい。

若手がんサバイバの会では(...わたしは「自称」若手です)、再発転移で不安なかたには、とにかく時間をかせいで、この2~3年で良い薬、治療法がでてきますよという話をして、みんなで前向きな気持ちになれれば、という一心です。

生きている間は、少しでも笑いのある穏やかな日々をすごせるような心のもちよう。辛いことでも少しでも良い面をみつける。ちいさなことでも、ありがいなって思える。この集まりもそう。企画してくださっている方々への感謝。

そして、ぜんぜん逆向きの気持ちのときも、あれーってことも、そういう人もいますよねと「(自分のなかで)許してあげちゃう(という気のもちようになれる人になりたい)」。

仕事は、自分の時間を提供して別の物にかえるという意味では、物物交換マーケットへの参加。家庭は、船のメンバーシップでしょうか...。上の子は高校を卒業したら1人暮らしか寮に入る気だから、あと何年かで本格的に下船してしまう。日々を少しでも楽しく、明日からまた前に進みましょう。

会場への道中の不忍池にて