パリのノートルダム寺院
夕方暗くなるくらいの時間にぶらぶら散歩していたら、不意に現れたのがノートルダム寺院だった。
ライトアップされた建物と、その傍らに月が。近所のカフェに灯るあかりや、ぼんやり見える銅像も、大きな建物のある風景を演出しているような感じ。印象的な風景だった。
ノートルダム寺院は、その後火事で損傷してしまい、いまはもうこの姿を見ることができない。2019年にもういちど訪れた時は、まだ少し焦げ臭く、柵で囲われていて近くに寄ることもできなかった。またこの風景が見られるのは少し先になりそうだ。
しかし、考えてみれば、はじめてパリを訪れたのが1995年。だとすれば、すぐに10年20年経っちゃうだろう。その頃パリを訪れるときには、きっと見られるようになってる って信じようと思う。パリは何度も訪れたくなる街だ。
Notre Dame Paris France in 2009 | Size A4 2021
パリのノートルダム寺院 フランス 2009年に訪問 | サイズ A4 2021年の作
同じ絵を何枚も描いている
一般的に画家は同じ絵を描くことを嫌がるそうですが、私は注文があれば、同じ風景の絵を何度も描くことがあります。それは、おそらく私はもともとデザイナーなので、頼まれたものを作ることに抵抗がないからだと思います。
そして、同じ絵を何度も描くことは、私にとってはおもしろいのです。
同じ風景・構図とはいえ、全く同じ絵にはなりません。何度も描く都度、いろいろなことを思い出して描いています。
私は「時が経つにつれて、曖昧になっていく記憶こそがリアル」というテーマで絵を描いています。なので二度三度描くうちに、いろいろと思い出された(と思っている)記憶が重ねられていく感じが好きなのです。
ノートルダム寺院は今の時点で実に3枚描いています。
1枚目、ヤマタツに褒められた!?絵
こちらは、美容師さんがお店に飾ってくれているのですが、そのお客さまの山下達郎さんが「いい絵だね」と言ってくれたそうです!!偉大なるアーティストの山下達郎さんの目に留まったことはとても嬉しくて、聞いた時は舞い上がりました!
Notre Dame Paris France in 2009 | Size A4 2020
そして2枚目はこのページの冒頭の絵です。
こちらは1枚目が個展で売却済みになっているのを見た、友人のリクエストで描いたものです。彼女はパリに住んでいたので、思い入れがあったそうです。
3枚目はレコードジャケットサイズ
3枚目はこの作品で、個展のBGMのセットリストを選んでくれた本宿くんへのお礼です。
お礼に絵を、と申し出たところ「ヤマタツに褒められたやつのお揃いがいい!」とのことで、レコードで音楽を聞くのが好きな彼らしくレコードジャケットサイズで、と依頼をうけ、正方形の矩形で構成し直して描きました。わりとはっきりした描写になってます。
Notre Dame Paris France in 2009 | Size 300×300mm 2021