「君が代」とはどんな世か－明石散人

IN★POCKET

平成十一年八月号初出

前略

自民党の狙いは

自民党を中心とする大政翼賛会的な国会運営なんだ。

無論、いずれは自民党を中心にではなく、

自民党の一党支配による独裁政治を夢見ている。

これが自民党の戦略だ。

公的資金導入から始まった一連のことは

先だっての国旗・国歌法案で終わったけどな、

これらは全て戦略を支えるための戦術なんだ。

中略

一党独裁という戦略が完遂すれば･･･。

ここでようやく本当の戦略が見えてくる。

中略

それは自民党の目指す理想国家だ。

このところ連発された重要法案は

その理想国家に向けてのイントロダクションにすぎない。

中略

次に何が起きるか

中略

憲法改正だ。

中略

重要法案を通す狙いは、将来の自民党が一党支配を実現するため。

中略

重要法案が

中略

一つ通る度に野党が一つ無くなっていきました。

中略

それが狙いだ。

ガイドラインでは小沢自由党を壊滅させ、

通信傍受法では公明党を消滅させ、

国旗・国歌法では民主党を真っ二つに分断し

中略

今回の一連重要法案は、いずれも

一つの内閣が一つ通せれば良いようなビッグな法案ばかりだ。

自民党は自分の内閣を一つも消耗させず、

逆に野党を三つも消滅させた。

これで憲法改正の妨げになるものは何もない。

中略

結果として、衆議院には四百名を超す大与党が出現する。

この大与党の表向きはあくまでも大連合だが、

中身は自民党そのものだ。

中略

これで日本の政党は二つになっちまう。

言うまでもなく大自民党と共産党だ。

そして、戦術として使われた今回の一連の重要法案が

共産党潰しに大きな力を発揮する。

中略

自民党の一党独裁だ。以後、この国からは言論の自由が失われ、

中略

日本国民として国家の恩恵を受けられるのは

自民党を中心にするエスタブリッシュとそのご家族様、

そしてそこに運良く張り付いた奴らだけだ。

中略

世界中の国々が基本的に目指しているのはこういう国家だ。

中略

これが本当の「君が代」の意味なんだ。

後略

所収

巻二十四より引用