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かいふく指南処【からはだふくらか】

「徳政令」と「超法規」-明石散人

2017.06.17 22:30

IN★POCKET

平成十一年十月号初出


前略


民主主義で一番大切なことは、理由の如何に拘わらず、

常に非難される側の立場に立って、その立場を擁護することなんだ。

この姿勢を失うと、やがて民主主義は消滅する。


中略


この国は法治国家で罪刑法定主義の国じゃないか。

悪いことをすれば留置場か拘置所か刑務所のどこかに居る。

この三つに居ない人は、理由はともあれ、

無実の日本国民として理解しなければならない。

日本国民は押し並べて憲法下では平等だし、無論、

憲法で保障された権利者でもある。


中略


であれば、俺達と全く同じ枠組みに居るはずの

オウム信者やオウム信奉者に対する市町村の対応は

無茶苦茶だろう。


中略


戦前の五人組制度より始末が悪い。

彼らは俺達と同じ立派な日本国民じゃないか。

それなのに、彼らはこの狭い日本国内を流浪し続けている。

こんな明確な人権侵害と差別が公然と行われている国は、

この日本以外に絶対にない。


中略


オウムのことは明日は我が身で恐ろしいことなんだ。

この先、政府が何を望んでいるか誰だって判る


中略


俺達個人にとって破防法なんてそれほど怖い法律じゃないよ。

政府が望んでいるのは破防法のような

団体組織をターゲットにしたものではなく、

俺達個人をターゲットにする治安維持法なんだ。


中略


罪刑法定主義の中では何の罪もないとしか言いようがない

人間に対する超法規的な扱いが、

『これからの俺達にとっていったい何を意味するのか』


後略


所収

巻二十五より引用