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都会で生きる脱サラおやじの自然農業サバイバル日誌

『母さん 僕のあの帽子 どうしたんでしょうね…』

2017.06.24 03:00

まだまだお子ちゃまではあるが、『キッズッキーニ』

植えたワケではないが、リング外で暴れる、勝手に葉を繁らした『タイガージェット シソ』


菊芋の足元で、足元をすくおうと密かに企む『大きくなくてもジャガイモ』


カモがネギ背負ってやって来る『COME ON ネギ』


こちらも植えたワケではないが、ネギの間隙ぬって、勝手に実をつけた『トマ太郎』


おぬしは何者?食べ頃、食べ方も分からん『「君の名は」、のらぼう菜』


キミぐらいに成長したかった『キミ菊芋』



『母さん 僕のあの帽子 どうしたんでしょうね…人参の証明』



…

母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?

ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、

谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。

母さん、あれは好きな帽子でしたよ、

僕はあのときずいぶんくやしかった、

だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、

紺の脚絆に手甲をした。

そして拾はうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。

けれど、とうとう駄目だった、

なにしろ深い谷で、それに草が

背たけぐらい伸びていたんですもの。

母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?

そのとき傍らに咲いていた車百合の花は

もうとうに枯れちゃったでせうね、そして、

秋には、灰色の霧があの丘をこめ、

あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。

母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、

あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう、

昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、

その裏に僕が書いた

Y.S という頭文字を

埋めるように、静かに、寂しく。


西条八十

…


切なく、儚く、ほろ苦い想いもやがて自然の力のままに、現れ、そして天へ地へ東西南北へ、その先へ留まることなく、進む。


歩みは違う、進むべき道も違う。それは、植物でも人間でも同じなのかも。


それでも、それぞれの現在地がある。



現すこと、そして進むということ。