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鑑賞ノート『サティシュの学校~みんな特別なアーティスト~』

2021.12.09 03:58

サティシュさんは、とてもシンプルで明確な英語で、世界の見方を伝えてくれました。

これまで見えていた世界が、まったく違うように見える。

不思議な魔法にかかったような、素晴らしい映画でした。


内容としては、人間が自然と調和して生きるための原則について、

余すところなく語られた映画でした。


備忘録として、特に心に残った部分を以下にまとめました。

気になる方は、ぜひ本編をご覧ください。


=====

▸産業について

そもそも、200年前は会社も雇用市場もなかった。

雇用と生きるための仕事は別のものである。

仕事を求めるのではなく、仕事を作るべき。


産業の真の目的は、地域に貢献すること。

利益を目的としない小規模であれば、持続可能なビジネスができる。


そうして、みんなが今いる場所を大切にするなら、地球全体は守られるでしょう。


▸教育の原則


現代の教育:物質主義、外側にあるものばかり

本来の教育:内在的な価値を持つ自然と私たちの繋がり、内側にあるものを大切にする


植物に様々な種類があるように、人間の才能も多様である。

バナナやマンゴーに優劣をつけないように、人間も比べる必要がない。


自然はそのものが善であり、私たちもその一部である。

植物の種は、ものすごい力を秘めている。人間も同じ。


▸教育で大切にすべきこと

身体全体を通じて学ぶこと、行為や経験から学ぶこと。これが一番大切。


何もないところから、自らの手を使って、何かをつくることの意味。

想像と創造が一致することで、現実が生まれる。


アーティストは特別な人ではない。

誰もが生まれながらにして、アーティストである。


▸オリジナルとは?

Originalはorigin(起源)を持つという意味である。

つまり、Original=Rooted(根差している)とも言える。

古い知恵や伝統を生き生きと蘇らせる、そこにオリジナリティがある。


▸現代の資本主義

想像力は排除され、一部の人間のものとなり、すべては商品化されている。

コピーされ、大量生産されるものに、創造性はない。

そして、アートは美術館に閉じ込められ、

私たちは自分たちがアーティストであることを忘れている。


▸美しい人生の原則

Slow:ゆっくりは感謝を生む

Small:小さいことは人間らしさ

Simple:シンプルなものを心と頭は欲している


どんな仕事もアートになるが、急ぐこととアートは両立しない。

そして、Efficiency(効率)をSufficiency(充足)に置き換えよう。


▸学校とは

学校は自己変革の場である

自分と世界のつながりを発見するための場である。

だから、学校は小さくなければならない。


=====


この映画を観た後のフリートーク。

とある学校の先生が言った言葉が強く印象に残っている。

「学校では考える所まではさせているが、想像してもらうことはできていない」

「考えてみて、とは言う…しかし、想像してみて、とは言わない」

「子供たちが想像することを、私たち大人は受け入れられないのではないか?」


▸最後に

世界の見方ががらりと変わるサティシュさんの魔法が、今でも続いているのを感じます。

これまで、多くのことを勉強してきましたが、これほどシンプルで本質的な学びはなかった。

“Slow・Small・Simple”

“アーティストとして生きる”

これからは、この魔法を一人でも多くの仲間に伝えていきたいです。