鑑賞ノート『サティシュの学校~みんな特別なアーティスト~』
サティシュさんは、とてもシンプルで明確な英語で、世界の見方を伝えてくれました。
これまで見えていた世界が、まったく違うように見える。
不思議な魔法にかかったような、素晴らしい映画でした。
内容としては、人間が自然と調和して生きるための原則について、
余すところなく語られた映画でした。
備忘録として、特に心に残った部分を以下にまとめました。
気になる方は、ぜひ本編をご覧ください。
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▸産業について
そもそも、200年前は会社も雇用市場もなかった。
雇用と生きるための仕事は別のものである。
仕事を求めるのではなく、仕事を作るべき。
産業の真の目的は、地域に貢献すること。
利益を目的としない小規模であれば、持続可能なビジネスができる。
そうして、みんなが今いる場所を大切にするなら、地球全体は守られるでしょう。
▸教育の原則
現代の教育:物質主義、外側にあるものばかり
本来の教育:内在的な価値を持つ自然と私たちの繋がり、内側にあるものを大切にする
植物に様々な種類があるように、人間の才能も多様である。
バナナやマンゴーに優劣をつけないように、人間も比べる必要がない。
自然はそのものが善であり、私たちもその一部である。
植物の種は、ものすごい力を秘めている。人間も同じ。
▸教育で大切にすべきこと
身体全体を通じて学ぶこと、行為や経験から学ぶこと。これが一番大切。
何もないところから、自らの手を使って、何かをつくることの意味。
想像と創造が一致することで、現実が生まれる。
アーティストは特別な人ではない。
誰もが生まれながらにして、アーティストである。
▸オリジナルとは?
Originalはorigin(起源)を持つという意味である。
つまり、Original=Rooted(根差している)とも言える。
古い知恵や伝統を生き生きと蘇らせる、そこにオリジナリティがある。
▸現代の資本主義
想像力は排除され、一部の人間のものとなり、すべては商品化されている。
コピーされ、大量生産されるものに、創造性はない。
そして、アートは美術館に閉じ込められ、
私たちは自分たちがアーティストであることを忘れている。
▸美しい人生の原則
Slow:ゆっくりは感謝を生む
Small:小さいことは人間らしさ
Simple:シンプルなものを心と頭は欲している
どんな仕事もアートになるが、急ぐこととアートは両立しない。
そして、Efficiency(効率)をSufficiency(充足)に置き換えよう。
▸学校とは
学校は自己変革の場である
自分と世界のつながりを発見するための場である。
だから、学校は小さくなければならない。
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この映画を観た後のフリートーク。
とある学校の先生が言った言葉が強く印象に残っている。
「学校では考える所まではさせているが、想像してもらうことはできていない」
「考えてみて、とは言う…しかし、想像してみて、とは言わない」
「子供たちが想像することを、私たち大人は受け入れられないのではないか?」
▸最後に
世界の見方ががらりと変わるサティシュさんの魔法が、今でも続いているのを感じます。
これまで、多くのことを勉強してきましたが、これほどシンプルで本質的な学びはなかった。
“Slow・Small・Simple”
“アーティストとして生きる”
これからは、この魔法を一人でも多くの仲間に伝えていきたいです。