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2021.12.09 07:26
今日は、人生百年時代、中高年になって油絵をはじめ、才能発揮したり、生きがいを感じている人々の作品を紹介します。
子供の減少で統廃合され、今は学校として使われていない旧若葉台西中学校。その旧校舎は今、若葉台・スポーツ文化村となって、地元の人々のスポーツや文化活動に使われている。
そんなひとつが「初めての油絵教室」。美術室を会場に11月~12月、2年ぶりの作品展が開催された。
「初めての油絵教室」を指導するのは、若葉台の志村肇さん。これまで多くの中高年の人々の才能を発掘してきた。日美展などの入選者も数多く輩出している。
「絵心はみんな持っています。光ろうという気持ちを大切に、才能を引き出してあげられたら・・・」と志村さん。教室には70歳で初めて絵筆を持った方も。もともと高校の理科の教師だった志村さん。
美術部の顧問を引き受け、生徒の絵を見て感動、自分でも絵を描くようになった。日美展の秀作や審査員奨励賞などの入賞を重ね、請われて地元でシニア中心の絵画教室で教えるように。
受講生は、ほとんどがシニアになって描き始めたひとばかり。
そんな人々の真しに絵に向かう姿に感動し、なんとか才能を引き出してあげたいと思うようになった。
写真左上は受講生の、かながわシニア美術展入選作品。
右上の湖と森の風景画は、緻密な一本一本の線までていねいに描かれている。この絵は、脳梗塞になって利き手の左手が不自由になった男性が、右手で少しずつ根気をこめて描いた絵だ。
皆さん、決して若くはなく、また家ではあまり人と話す機会がなくて、生きがいをなくした方もいるけれど、ここに来ると「描くことに夢中になれて、みんなと話しもできる」という。
バラの好きだった亡きお姉さんに見せたいと、花の絵を描き続ける女性、子供のころのふるさとの心象風景を描き続ける男性も。
特にシニアになって描き始めた方の絵は、どれも、これまでその人が生きてきた人生と、深く関わっているようだ。
絵を描くことはまた、未来に向かっていく希望でもある。
「ランドマークタワーのように大きく育ち、人生に桜の花のようにきれいな花を咲かせよう」と、お孫さんへの願いを込めて描かれた絵。
また、はじめて綱引きをする人々の昂揚した楽しそうな人々を描いたユニークな絵も。
心に残る子供のころのふるさとの情景を書き続ける人も。
どの絵にも感動があるのは、それぞれの人が、生きてきたなかで大切に思うものと向き合って描いているからだろう。
絵を描くことが、こんなにも心を開放し、ひとりひとりの人生に寄り添うものだったのか、と新鮮な驚きを感じさせられた。
志村さん自身、自然の木々や、田園風景を愛し、たくさんの作品を描いている。写真は、まるで妖精の現れてくるような光あふれる作品と志村さん。自然を描いた大作と共に、部屋でいつもみていたいような小作品にもファンが多い。
自分の制作以上に、志村さんが情熱を傾けているのが生徒の才能発掘だ。
「もっている個性を見つけ、才能を伸ばしてあげたい。皆さん、個性豊かで描きたいものが自分の中にある。それをどう伸ばし、高めていけるか日々考えています」
人生百年時代の今、70歳を過ぎても、人はまだまだ自分の才能を伸ばすことができる。それにはいつも明るく、人生に希望を持って生きること、そんな大切さを教えられた作品展だった。
最後まで目を通してくださりありがとうございました。
「初めての油絵」への連絡は、℡045-921-0404