職種を問わず薦めたい!目から鱗のデザイン書籍4選
こんにちは、スワンです。
2015年も終盤を迎えていますが、今年は個人的に断捨離ブームに火がついたのも合間ってKindleにどっぷりハマり、ぐっと読書量が増えた1年でもありました。その中で飛び抜けてお勧めしたいデザイン書籍をご紹介しようと思います(※個人的にどれも若手に不足しがちな内容かなーと思っています)
まず先に誤解のないように宣言しますが、今回は「デザイン書籍」とは言っていますが、これは「photoshopのテクニック集」や「美しいカラーサンプル集」、「フォント大全」のようなテクニカルなデザイン書の紹介ではなく、デザインの在り方やサービス自身の体系について、またはUXがユーザー及ぼす影響などデザインの垣根を越えた書籍が中心です。
サービスにデザイナーとして携わるようになって2年目、面的なデザインの無用さについて社内で声があがることが増えたなあというのがひとつの印象でした。「面的」というのはグラフィック的な部分のみのデザインのことで、「見た目はいいが使い勝手が悪い」「デザインはカッコいいがユーザーが置いてきぼり」のような状態を指します。
随分と一般的に浸透してきたUI、UXという言葉ですが、実際はあやふやな認識のまま使われることも多いこの頃。WEB業界ですら真の意味でそれらを認知している人はまだまだ少数ないと思いますし、まさに自分もそんな中の一人だったと思います。
そんな自分に新しい視点と解釈を与え、すでに自分も大きな体系の中にいた(むしろ提供側だった)にも関わらず意識できていなかった部分を紐解いてくれた、そんな魅力的な書籍をご紹介します。自分はデザイナーとしての視点で読みましたが、WEBやサービスに関わる全ての職種の人にお勧めできるかと思います。
それではさっそく、ランキング形式で紹介していきましょう( 'ω')b
【4位】センスは知識からはじまる
有名な水野学さんの書籍のひとつ(知ってるよ!って方はごめんなさい。)
デザイナーあるあるで、デザインスキルは「生まれながら持ち合わせたセンスがないと駄目」と思い込まれているのは、少なくとも1度は言われたことがあるのではないでしょうか?
「俺にはセンスがないから」とデザインへの言及を避けるエンジニアやプロデューサーも多いですが、ふと自分のデザイン作業するときの足がかりって「空から降っておりてくるようなアイディア」でも「脳から湧き出る根拠のない美観」でもなく、すべては誰でもできる「知識と経験の積み重ね」であるとばっさり切り捨てている。
デザイナーって魔法使いでもなんでもなくて、伝統工芸の職人のようであるべきで、またそんな生半可な知識と上っ面の技術でできるようカンタンな仕事ではない、ということを教えてくれる一冊です。(そしてその言葉に見合うデザイナーになろうと思わせてくれましたし、新しい物事の見方を教えてくれます)
【3位】誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論
超有名なD.Aノーマンの著書の改訂版です。
先輩デザイナーの方が若手に「え!?デザイナーなのに読んだことないの!?」と驚くほど業界では有名な一冊らしい。しかし初版が1990年ということもあり(自分より年上)正直情報が古すぎて参考にならないだろうと舐めてかかっていたのですがついに今年増補・改定されパワーアップして帰って来たとのことで購入しました。
率直に言うと、噂通りの内容でした。
分野を問わず、とにかくデザインという「作用」をていねいにていねいに紐解いてくれる一冊。ボリューム満点すぎてちょっと頭痛くなりましたがデザインの基礎と重要性を再認識させてくれるコンテンツばかり。日々のなんてことない事象もデザインの視点からいろんな新しい角度を見せてくれます。
(もっと早く読んでおけばよかったなァ…)
【2位】融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論
最近しばしば耳にすることの多くなったIot(Internet of Things)、モノのインターネットへの足がかりを丁寧に解説してくれる一冊。
なんとなーく程度にしかわかっていなかったモノのインターネットについて大体これで把握できたし、ハードとソフトが共に取り巻くUXの体系についても理解が深まりました。
気持ち良いインターフェースとはなにか?不快なインターフェースとはなにか?人間という使い手は何も変わっていないのに一方的に進化する技術に対してのブラックボックスを開けてみたり、生活の中に「融けはじめている」デザインに対しての現状を改めてまとめてくれいてページをめくるごとにホエーと声が出る感じです。笑
著者が提唱する「自己帰属感」というキーワードにもすごく納得のいくお話が多かったです。
【1位】デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス ―デバイスの枠を超えるUXデザインの探求
一人が複数のデバイス(PC、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス)を持つに当たってサービスはどのような体系に在るべきか、また今後にいかに広い可能性とデザインする余地があるかをずば抜けて気持ち良く解説してくれた、今年で1番記憶に残った一冊。
自分の担当サービスもPC、スマートフォン(ブラウザ)、スマートフォン(アプリ)、タブレット(現状はAndroidのみ)の4つのデバイスでサービスを提供している。が、自分自身も今まで点でしか見えていなかったクロスデバイスが実現するサービスのあり方についてもっとも気づきが多く、すぐ実践しようと思えるものが多かった一冊。
昨今では、サービスを作る際に「スマートフォンはPCの全てを提供せずに一部のみに絞る」というのが当たり前の風潮になっている。が、「何故そうすべきなのか?」という問いに対して多くの人が考えるのは「画面サイズ的に小さくて使いずらいから」か「そもそもスマートフォンではその機能は使わないだろう」という2点ではないだろうか。もちろんどちらも正解ではあるが、これは複数のデバイスにおいてサービスを提供する上でのほんの一部の選択肢にすぎないことを知りました。
さて、4冊ご紹介しましたがいかがだったでしょうか。後半の3冊は読むのにけっこう体力が必要ですがそれだけに得るものも多いです。「全部知ってるしもう読んだよ!」って人は話が合いそうなのでぜひ他の本を10冊くらいわたしに紹介してほしいなと思います(笑)
余談ですが、以前に書いたブログ絵描きのド素人が独学でWEBデザイナーになるまでのお話。にも書きましたが年々自分は読書量が増えてきています。中高学生の頃とかジャンプしか読んでなかったですし、ハリーポッター3巻の32ページで挫折した人間です(笑)
問題解決のためにウェブの本を読むようになって変化があったのですが、その中で前に読んだ「夢をかなえるゾウ」という某有名著書があるんですが↓
その中で個人的にブッ刺さった名言のひとつ。
「仕事、お金、人間関係、幸せ・・・・
人間の悩みなんちゅうのはいつの時代も同じや。そんで本ちゅうのは、これまで地球で生きてきた何億、何十億ちゅう数の人間の悩みを解決するためにずっと昔から作られてきてんねんで。
その『本』でも解決できへん悩みちゅうのは何なん?自分の悩みは地球初の、新種の悩みなん?自分は悩みのガラパゴス諸島なん?」
さて、来年もモリモリ本読んでいきます( 'ω')