妻の超然
人気のないメニューたちと
輝かしいおみやげ
暑さや雨で連日買い物に行くのが億劫に。
残り物で作ったお弁当に
『えーまたお魚とゼリーなの?』
と娘にため息まじりに言われる。
そこで、数日ぶりにスーパーに行ったら
つい自分が食べたいものを優先してしまい
夕飯はゴーヤチャンプルと鰯の梅煮という
子供には地味すぎるメニューに。
出張帰りの夫が買ってきた
551の肉まんとシュウマイが
輝いてみえたらしい。
あー幸せな日常だ。
自分ごとにしないおかしさ
「妻の超然」/絲山秋子
この作品は、
「妻の超然」
「下戸の超然」
「作家の超然」
の三つの作品集。
どの主人公も自分に起こった
出来事を平然と客観的に
捉えているところがおもしろい。
まさに超然。
最近だと、
不倫を糾弾して離婚に向けて
戦う奥さまをついつい
ワイドショーで興味深く見てしまうけど
「妻の超然」の主人公である”妻”は、
夫の浮気に
気づいているけど
感情的にならず、
夫に告げることもなく
ただ観察している。
この夫が抜けていて
気づかれてないと思っている
のが笑える。
今の生活を維持できるなら
浮気なんて気にならんという
スタンスで、でも、
本当に気にならいわけでも
ないのかな?とも思えるんだけど
そんな主人公の気持ちに
結構共感できて
今さら無理に働かずに、
まあまあ自由に暮らせるなら
ポンコツな夫の行動に
目をつぶった方がお得!
って感覚も
生きる上では大事よね~(笑)
と思ったり。
好きだな~。
「下戸の超然」にも
胸がざわめいた。
独身男性の主人公が
お酒を飲む彼女や同僚と
表面的には上手く付き合いつつ
内心周りの人が酔っている姿を
冷ややかに見つめている。
結局は誰にも心を開かずに
酔っぱらいをを冷めた目で見て
ある意味馬鹿にしている。
嫌な男!!!
・・・だと私は思う!
女性だからそう思うのかな。
そして、お酒を飲めない
夫の感覚ってこんななのかも。
・・・と、勝手に想像して
イライラが止まらないっっ
ま、面白かったからいいけど。