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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

ナポレオン47-ウェリントン戦法の勝利

2021.12.10 08:57

イベリア半島では、1812年7月22日サラマンカの戦いで、英西葡連合軍がフランス軍を撃破した。この戦いの指揮者こそナポレオンの宿敵ウェリントン公爵ことアーサー・ヴェルズリーである。彼は実は08年からイベリア半島の戦いに参加し、ポルトガル防衛で戦果をあげた。

ナポレオンが、ロシア遠征で手が回らなくなると、12年6月13日より、いよいよスペイン進撃を開始する。サラマンカはフランス軍の補給の拠点だった。マルモン将軍率いるフランス軍が、連合軍を攻撃しようとして行軍が延びると、ウェリントンは食べていたチキンを放り投げて、自ら伝令となり第三師団に攻撃命令したという。

マルモンは、イギリス軍が撤退途中と考え、後衛を叩こうと進軍したが、これはウェリントンの作戦で、山蔭に3個師団もの兵を隠していたのだった。後にワーテルローで、彼はこの作戦で、ナポレオン本人を破ることになる。

ナポレオン軍は、基本縦の突撃戦法だったが、ウェリントンはマスケット銃連射でこれを撃退し、弱ったところを騎兵突撃して大戦果を挙げた。イギリスでは「40分で4万の兵を破った」と評価され、ウェリントンの人気を上昇させ、彼は一時マドリードを占拠して侯爵に任じられた。