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佐賀の年金アドバイザーhirokiの楽しく学ぶ公的年金講座

公的年金って言っても課税対象になる。でも必要な手続きをキチンとやればそんなに税金かからない。

2017.06.28 01:08

こんにちは!

年金アドバイザーのhirokiです。


公的年金は老後の収入源としては非常に大切なものであります。


高齢者世帯の55%は公的年金収入のみで生活し、また高齢者世帯の収入に占める公的年金の比率は67%ほどになっています。


そんな公的年金ですが、一定額以上の金額を貰う人は税金がかかります。


65歳未満は108万円以上、65歳以上の人は158万円以上だと税金がかかる為、

毎年10月下旬に送られてくる扶養親族等申告書を12月1日(大体毎年この日)までに日本年金機構に到着するように提出しないといけません。


課税される年に65歳以上か未満かどうかは、課税される年で判断します。

例えば今年10月に扶養親族等申告書が送られてくる場合、源泉徴収は翌年の平成30年からの年金からですが、

平成31年1月1日に誕生日が来る昭和29年1月1日生まれの人も65歳に含むためこの場合は108万円ではなく、158万円基準になります。

いつも年齢の話をする場合に言うのですが、年齢は誕生日の前日に到達するからです。

昭和29年1月1日生まれの人は、平成30年12月31日に65歳を迎える(平成30年中に65歳になる)。

だから、平成31年1月1日に65歳の誕生日を迎える昭和29年1月1日生まれの人も158万円基準。



この扶養親族等申告書を出す事で翌年の年金から源泉徴収される所得税が決まる。


なお、対象者にとって毎年提出が必要なこの扶養親族等申告書を出せば、

年金の基礎控除等が使えるからそんなに所得税は引かれない。

※扶養親族等申告書による各種控除や源泉徴収税額計算(日本年金機構)

http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2016/20160822.files/C.pdf


ちなみに遺族年金や障害年金は非課税。


というわけで、扶養親族等申告書を出すか出さないかでどのくらい源泉徴収税額が違うのか見てみましょう。


というわけで事例。



1.昭和24年6月28日生まれの男性(今68歳)

※何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法(参考記事)

http://ameblo.jp/mattsu47/entry-12238615402.html?frm=theme


例えば、年金は老齢厚生年金1,300,000円。

国家公務員共済組合からの退職共済年金300,000円。

配偶者加給年金389,800円。

老齢基礎年金750,000円。

年金総額は2,739,800円。


63歳の妻有り(収入は現在老齢厚生年金の1,000,000円のみ)



この夫は日本年金機構からの年金が158万円超えてるから、

扶養親族等申告書が毎年10月下旬に日本年金機構から届くので提出しないと翌年の2月支払いの年金から源泉徴収される所得税がめちゃくちゃ高くなる。


ちなみに、共済組合からの退職共済年金は80万円以上(65歳未満は108万円以上)だと、

共済組合からも扶養親族等申告書が送られてきますが、300,000円だから送付対象外。



よって以下の事例の源泉徴収は日本年金機構からの年金のみとなる。

2,739,800円ー退職共済年金300,000円=2,439,800円。


ア.日本年金機構に扶養親族等申告書を出した場合。

(年金は2ヶ月分支払うから年金総額を6で割って所得税を出してます。2,439,800円÷6=406,633円)

まず基礎控除→(406,633円×25%+65,000円×2ヶ月)=

101,658円+130,000円=231,658円(年金の基礎控除)


ただし、基礎控除は月最低135,000円(65歳未満は90,000円)使えるので、2ヶ月分に直すと270,000円の基礎控除。

こちらの270,000円の年金の基礎控除を用いる。



配偶者控除は32,500円×2ヶ月=65,000円



偶数月の年金から天引きされている社会保険料を仮に40,000円とします。

※参考

65歳以上になると、社会保険料(介護保険や国民健康保険料、後期高齢者医療保険料)や個人住民税は原則として年金からの天引きになります(65歳になって順調にいけば大体半年〜1年くらいで天引きが開始になる)。

この社会保険料の天引きを年金からの特別徴収といいます。

この事例の男性は複数の種類の年金を受給してますが、天引きされる年金には優先順位があり、

この例の男性なら原則として老齢基礎年金から40,000円が天引きされる(最優先順位は老齢基礎年金だから)。


天引きされてる社会保険料や個人住民税については年金事務所ではなく市役所に確認してください。

年金機構は市役所から依頼されて天引きしてるだけなので、金額の詳細等は年金事務所に問い合わせてもわからない。



よって、(年金406,633円ー基礎控除270,000円ー配偶者控除65,000円ー社会保険料40,000円)×5.105%=1,614円(1円未満切り捨て)


この1,614円が毎回の偶数月支払いの年金から源泉徴収される。



イ.扶養親族等申告書を出してない場合。

(年金406,633円ー社会保険料40,000円)の7.6575%が源泉徴収される。

扶養親族等申告書を提出されない場合は基礎控除とかその他の各種控除は使えない。


だから、(年金406,633円ー社会保険料40,000円)×7.6575%=28,074円の所得税が毎回の年金から源泉徴収される。



もし、去年の扶養親族等申告書を「未提出」だった為に今年の年金支払いからこの高い税金が源泉徴収されているなら、

今からでもいいので年金機構に扶養親族等申告書を提出しましょう。

よく、2月支払い日になると年金振込額がすごく減ってる!って驚かれて原因を探ると大体、扶養親族等申告書の出し忘れだったりするんですよ(^^;;



もし今なら2月、4月、6月にそれぞれ28,074円の所得税が源泉徴収されていたならば、

扶養親族等申告書を提出して再度所得税の計算をし直して差額を次以降の年金支払い時、または奇数月に年金振込口座に還付されます。


この場合だと28,074円×3回=84,222円が年金振込口座へ還付。



今の時期に扶養親族等申告書を出しても7月15日還付には間に合わないので、早ければ8月15日支払いの406,633円と共に84,222円が還付になる。

だから年金振込額が490,855円になる。

8月に間に合わなければ、9月15日に84,222円の還付による振込。



ちなみに、何か使える扶養控除を間違っちゃった等で扶養親族等申告書を提出した為に所得税が余分に引かれている場合は、

翌年1月1日以降5年以内にいつでも還付申告する事ができます(還付申告は確定申告時期にしないといけないわけじゃない)。


ただ、還付申告とか確定申告する時は年金の源泉徴収票が必要です。

年金の源泉徴収票は毎年1月下旬に送られてきます。

だからそれを待つ必要がありますね。

また、源泉徴収票を紛失した等の場合は年金事務所等で再発行を申請してください。

税金の時効の過去5年分の源泉徴収票の再発行は可能。



なお、「公的年金の総収入額が400万円以下、かつ、他の所得が20万円以下」なら確定申告する必要はありません。

公的年金の総収入額の400万以下というのは、日本年金機構からの年金だけでなく、共済とか基金とか確定拠出年金等の公的年金の部類に入るもの全て。



とはいえ、住民税の申告が必要な場合があるので市役所には確定申告時期には必ず確認してください。

まあ、この事例の男性の年金額だと必要ですね〜(^^;;



あと、公的年金を貰っている人が確定申告をする場合はどうなるかを見て見ましょう。


例えば先ほどの扶養親族等申告書を出してない人は毎回年金振込時に28,074円もの所得税が源泉徴収される事になりますが、

翌年の確定申告(というか還付申告)をして税金の精算をするとします。


となるとこの男性の年金総額は、老齢厚生年金1,300,000円+老齢基礎年金750,000円+

配偶者加給年金389,800円+退職共済年金300,000円=2,739,800円


この人の年金額から公的年金等控除額を見てみると1,200,000円。

※国税庁(公的年金等控除)

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1600.htm

※国税庁(所得控除)

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/shoto320.htm



つまり、所得金額は2,739,800円ー公的年金等控除1,200,000円=1,539,800円


この所得金額1,539,800円から各種控除を引く。


所得金額1,539,800円ー基礎控除380,000円ー配偶者控除380,000円ー社会保険料控除240,000円(40,000円×6回)=539,800円(課税所得)


よって納める所得税は539,800円×5.105%=27,556円

毎回の年金から28,074円引かれてたから、28,074円×6回=168,444円より27,556円低い140,880円還付って事。


住民税は1,539,800円ー基礎控除330,000円ー配偶者控除330,000円ー社会保険料控除240,000円=639,800円×10%=63,980円


なお、何か他の所得控除(他に支払った社会保険料、生命保険料控除や地震保険料控除、雑損控除、医療費控除等)は扶養親族等申告書出しても使えない所得控除なので、確定申告の時に使うしかない。


じゃあついでに次は65歳未満の人の年金でやってみましょう。


1.昭和29年5月10日生まれの女性(今63歳)

今は老齢厚生年金1,100,000円の収入のみ(2ヶ月ごとに支払われる年金は183,333円)

独身。

普通徴収(納付書とか)で社会保険料を毎月8,000円(年間96,000円)支払ってるものとします。


年金収入が年間108万円以上なので扶養親族等申告書を日本年金機構に提出しないといけない。


この人が扶養親族等申告書を提出すれば、年金の各種控除が受けられるため源泉徴収税額が低くなる。


(年金は2ヶ月分支払うから年金総額を6で割って所得税を出してます)

まず基礎控除→(183,333円×25%+65,000円×2ヶ月)=175,833円

ただし、基礎控除の最低額は月額90,000円なので、90,000円×2ヶ月=180,000円


よって、基礎控除はこちらの最低額の180,000円を使う。


だから、年金収入183,333円ー基礎控除180,000円=3,333円

※注意

源泉徴収税額を計算される場合に用いる社会保険料は年金から天引きされる分に限る。

65歳未満の年金受給者は年金からは社会保険料が天引きされないので、社会保険料控除を使いたい場合は確定申告するしかない。


3,333円×5.105%=170円が毎回の年金支払いから所得税が源泉徴収される。

社会保険料控除として、毎月の社会保険料8,000円×12ヶ月=96,000円は翌年の確定申告(還付申告)で使う。


では、扶養親族等申告書を出さなかった場合はどうなるか。


この場合は183,333円×7.6575%=14,038円が毎回の年金支払い時に源泉徴収される。


源泉徴収される年の翌年に還付申告をする場合は公的年金等控除が用いられる。

所得税→年金収入1,100,000円ー公的年金等控除700,000円ー基礎控除380,000円ー社会保険料控除96,000円=0円(所得税無し)


住民税→年金収入1,100,000円ー公的年金等控除700,000円ー基礎控除330,000円ー社会保険料控除96,000円=0円(住民税無し)

ただし均等割があるから完全に支払う住民税がないわけではないので市役所へご相談ください。


※追記

年金受給者が年の途中で死亡した場合は、

相続人が相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に準確定申告が必要になります(ただし上記の400万円以下、かつ、他の所得が20万円以下なら準確定申告する必要は無い)。


この時は準確定申告用の源泉徴収票が必要になりますが、年金事務所に死亡届を出した遺族に自動的に送られてきます。

送られてくるまで大体2〜3ヶ月かかる(^^;;


ただし、死亡届を出した遺族が配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹以外だったら年金事務所に準確定申告用の源泉徴収票を申請する必要があります。


なお、年金受給者が亡くなったのが12月16日から翌年の2月14日の間の場合は準確定申告用の源泉徴収票は送られてきません。

通常の翌年1月末に送られてくる通常の源泉徴収票を用います。