お客様と安心した関係を作るために
今回、ちょっと真面目なお話です。
お客様(クライアント)の好意を悪用して自分の欲望や自己顕示欲を満たす事は決して許されないことです。
また、プライベートな話を許可なく勝手にSNSに載せたりすることも同様です。
私たち臨床心理士や公認心理師の場合、こういった事にはルールが決めてあります。反した場合は罰則があり、最悪の場合は資格を剥奪されます。
これが巷に流行っている自称○○カウンセラーなどを避けて、きちんとした資格を持つカウンセラーを選ぶべき理由の一つです。
私自身、そのような事は絶対にしてはならないと意識しているつもりです。
そのため当相談室ではそれを明確にするために、最初に契約書を書いていただいています。
内容は、基本的な予約や料金システムについてのほかに「カウンセラーは秘密を守ります。」や「プライベートな関係にはなりません。」などの項目があります。
お客様の好意や恋愛感情を悪用したり、あるいはその気持ちに気づいていないふりをして(後から「そんなこと言われないし気づかなかった」とかとぼけるヤツ!)、お客様を利用することはありません。
また、友達感覚で用もなく連絡をとったり、街中で会ったときに話しかけたり、もしくは運気を上げるアクセサリーや物を売りつけることも一切ありません(しかもそういうのは大体センスが悪い!いやセンスの問題じゃない!)。
つまり純粋にカウンセリングを行い、その対価しかいただきません。
カウンセリング以外の時間にお客様のプライベートに踏み込むことは一切ありません。
お互いに安心安全な状況で、カウンセリングを進めることを確認させていただくための契約となります。
カウンセラーと言っても内容は様々ですが、特にカウンセリングについての訓練や勉強の内容が厳しく定められており、なおかつ5年更新制であるのは臨床心理士だけです。
何年もカウンセラーとしての禁止事項や心構えについて勉強し続けてきた中で、学生時代に強く印象に残っている先生の言葉に、
「薬になれなくても、毒にはなるな。」というものです。
下手な対応をしてお客様を傷つけたり、不愉快にするくらいならば、心というデリケートな領域に簡単に立ち入ってはならない。
自分の力量が及ばないと思うなら、お客様の傷が深くならないうちに別の適切なところに繋ぎなさい、という初心者カウンセラーへの戒めだったのだと思います。
それだけ、心の中を見せていただくというのはとてもデリケートで真剣に向き合わないといけないことなのだと肝に銘じた言葉でした。
なんだか、硬いことばかり書いてしまいました。
仕事とプライベートを分けずにトラブルになった例を知っているだけに、少し神経質になっているかもしれません。
ただ、カウンセリングが終わったあとはスッキリして元の生活に戻っていっていただきたい。
心の中の重荷を下ろして、少しは軽い気持ちで帰っていただきたいです。
そのためにはその秘密が外に漏れることがないよう、普段の生活で不用意に思い出すことがないよう、私も全力を尽くしたいと思っています。